------------------------------------------------------------    ◆アランツァクリーチャー事典     【植物】 ------------------------------------------------------------ 【植物】 ・悪魔の果実 ・殴木 ・オオハエトリグサ ・お化け花 ・きのこ人 ・草花人 ・黒ばら ・絞首樹 ・ジグリ・ザグリ ・血吸草 ・マンドラゴラ ------------------------------------------------------------ 〈悪魔の果実(Fruits of Fiend〉 レベル:4  生命点:4  攻撃数:3  宝物:特殊(後述を参照)  ≪反応表≫ 1-4は【中立】 5-6は【死ぬまで戦う】  これは【植物】に属するクリーチャーである。戦闘では【死ぬまで戦う】。  このクリーチャーは【斬撃】の特性を持つ。  【炎】の特性を持つ攻撃をした場合は【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。  〈悪魔の果実〉の攻撃に対して【防御ロール】に失敗したキャラクターは、生命点にダメージを受ける代わりに、ただちに【対魔法ロール】を行うこと(目標値は4)。  判定に成功したなら、針から注入される「眠り成分」に抵抗できる。  判定に失敗したなら、針から注入される「眠り成分」により眠ってしまい、今回の戦闘が終わるまで一切の行動ができない。さらに、目覚めた後も眠気に襲われるため、今回の冒険が終わるまで【防御ロール】に-1の修正を受けてしまう。この【眠気】の状態は、【祝福】の奇跡をかけることによって回復する。  もし、〈悪魔の果実〉がもたらす「眠り成分」の犠牲になった従者がいるときに【逃走】した場合、その従者は〈悪魔の果実〉の餌食となるため、死亡したものと扱われる。  〈悪魔の果実〉を倒した場合、1d3個の〈楽園の果実〉を入手する。これは3個以上になると、3個につき装備品欄ひとつが必要になる。  〈楽園の果実〉を1個食べるたびに、失われた副能力値が1点回復するが、上記の【眠気】の状態となってしまう。また【眠気】の状態になっているキャラクターは、〈楽園の果実〉を食べることはできない。 ***  悪魔の果実は大型の食虫植物で、大木にまとわりつくツタ型のトレントである。身体の中心は果実のカタチをした部分で、ここからたくさんの手足にあたるツタが生えている。果実から複数のヘタ(葉っぱのようにも見える)が生えている場合もある。  悪魔の果実は人間を含めたさまざまな動物を補食する。栄養が必要な秋の季節になると、悪魔の果実は実をつける。実はたいへん美味だが、食べてからすぐに猛烈な眠気に襲われ、睡眠毒を受けたのと同じような症状に陥ることになる。  戦闘になった場合、悪魔の果実は長いツタの先端に生えた鋭い針で戦う。この針はそれぞれの悪魔の果実が一本ずつ持っているもので、悪魔の果実の身体の大半を占める手足の一本の先端についている。この針を通じて犠牲者には悪魔の果実の果実に含まれていたのと同じ「眠り成分」が送り込まれる。こうして生き物が覚めることのない眠りにつくうちに、同じ針からゆっくりと少しずつ消化液を送り込む。  悪魔の果実はこうして貴重な獲物を少しずつ自分のものにする。 ------------------------------------------------------------ 〈殴木(Bash Tree)〉 出現数:1d3+1  レベル:5  宝物:なし ≪反応表≫ 1-3は【中立】 4-6は【敵対的】  これは【植物】【人間型】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の特性を持つ。  〈殴木〉に対して、飛び道具で攻撃した場合、硬い樹皮には効果が薄い攻撃のため、【攻撃ロール】に-1の修正を受けてしまう。  【炎】の特性を持つ攻撃をした場合は【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。  また、パーティが【逃走】した場合は、〈殴木〉は積極的に追撃しないため、各キャラクターは【防御ロール】に+1の修正が得られる。 ***  殴木はかづら森や他の森林に住む動く樹木である。身長はさまざまだが人間よりは大きいものが多い。他の動く樹木と異なり人間型の種族を襲わない。殴木は光合成だけで生きていくのに必要な魔力をまかなうことができるので、縄張りと自分自身の身を守るため以外に力を振るうことはない。  黒ばらのように人間やエルフと共生の関係にある植物もいるため、ロング・ナリクの農夫たちが殴木を保護、飼育しようとしたことがある。結果は残念ながら失敗であった。殴木には黒ばらのような知能も、つき従うことで繁栄しようという生物的戦略も存在しなかったのだ。  殴木のなかには武器を使うものもいる。彼らは剣木と呼ばれ、武器に応じたスキルを獲得するが、他の能力に変更はない。 ------------------------------------------------------------ 〈オオハエトリグサ(Giant Mantrap Plant)〉 出現数:1d3+2  レベル:5  宝物:通常 ≪反応表≫ 1-2は【陽光の差し込む場所でくつろぐ】(※逃走と同様) 3-4は【敵対的】 5-6は【死ぬまで戦う】  これは【植物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【酸】の攻撃特性を持つ。  〈オオハエトリグサ〉は、盾を持ったキャラクターから優先的に攻撃を仕掛けてくる。  また【斬撃】の特性を持った接近戦の武器で攻撃する場合は、葉を切り裂けるため【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。  盾を装備しているキャラクターが【防御ロール】でファンブルを発生させたとき、オオハエトリグサはその盾を食べてしまう(盾は装備品から失われる)。  それが「魔法の盾」であった場合、クリーチャーは盾を消化できないため、その場で吐き捨てる。  オオハエトリグサが吐き捨てた盾は、拾い直すことによって再び使用できるが、そのためには1ラウンド分の行動を必要とする(または、戦闘終了後に拾うことができる)。  もし『生体甲冑』を装備しているキャラクターが、オオハエトリグサから負傷を受けた場合、消化液で鎧ごと肉を溶かされるため、生命点に通常の1点ではなく2点のダメージを受けてしまう。 *** {斜体}あまりも大きなオオハエトリグサが、目の前に立ちはだかる。 戦闘でその二枚の葉に挟まれたとしても、人間を押さえ込めるほどのパワーはない。だから脱出は簡単だ。だが……少しでももたついたら、強酸の消化液で溶かされてしまうだろう。{/斜体} ------------------------------------------------------------ 〈お化け花(Eerie Plant)〉 出現数:2d6+2(下限は8体)  レベル:3  宝物:なし ≪反応表≫ 1-6は【敵対的】  これは【植物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。  【炎】の特性を持つ攻撃をした場合は【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。  【氷】の特性を持つ攻撃をした場合は、このクリーチャーは冷気に対して極度に弱いため、そのときの【攻撃ロール】に成功したなら、〈お化け花〉を通常よりも1体多く倒すことができる。  〈お化け花〉の頭数が10体以上の場合、クリーチャーのレベルは+1される。このボーナスは〈お化け花〉の頭数が10体を下回るまで持続する。 ***  お化け花はかづら森と桜森で見られる人食い植物である。  外見はチューリップやタンポポのような草花と同じように、一本の茎のうえに花弁がついているが、ずっと大きい。トゲだらけの茎を不気味にぐねらせて、花弁の代わりに茎の先についている巨大な牙だらけの口で獲物に食らいつく。  お化け花はふつうの植物と同じように太陽の光を浴びて育つが、動物や人間も栄養にする。肉を求める頻度はそれほど多くない。秋のころには栄養を求めて活発に狩りをするようになる。  お化け花の真の恐ろしさは、その繁殖力にある。たったひと組のお化け花が一年ごとに一万個以上の種子をまき散らすので、条件さえそろえばあっという間に大増殖する。とはいえ、大きくなるまではお化け花もごくごく弱い草花に過ぎず、小さいうちはハエなどの羽虫を獲物にする無害な食虫植物の域を出ない。そのほとんどが大人になるまでに草食動物などのエサとなってしまい、大半が大きなサイズに至る前に食べられてしまう。運よく大人になれたお化け花は群生して、動物や人間型種族を群れで襲う。  お化け花は冬になると枯れてしまう、一年草である。春先には野に咲くかわいらしい植物と同サイズであるが、夏には人間の胸に届くほどに大きくなる。他の植物に比べると圧倒的な敏捷で成長し、冬には枯れる忙しい生物である。 ------------------------------------------------------------ 〈きのこ人(Fungi Folk)〉 出現数:1d6+2  レベル:4  宝物:なし ≪反応表≫ 1-4は【中立】 5-6は【敵対的】  これは【植物】【少数種族】【人間型】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の特性を持つ。  【打撃】の特性を持つ攻撃をした場合は、柔軟性のある体に衝撃が吸収されるので、【打撃ロール】に-1の修正を受けてしまう。  【斬撃】の特性を持つ「接近戦の武器」で攻撃をした場合は、〈きのこ人〉を1体倒すたびに、敵にとどめを刺したキャラクターは【生命ロール】を行わなければならない(目標値:3)。  判定に成功したなら、何も起きない。  判定に失敗したなら、クリーチャーが倒れる間際にばら撒いた胞子のせいで、咳が止まらない。目元がかゆくなり、涙で視界がふさがれるほどだ。今回と次に起きる戦闘が終わるまでの間、対象のキャラクターは【攻撃ロール】に-1の修正を受けてしまう。 ***  きのこ人はくさびらの森を中心に広がる、きのこに似た人間型種族である。他の人間型種族とは一線を画する精神性をもち、種族の繁栄を求めて生きる。  くさびらの森のきのこ人たちは、王を頂点に抱えた王制のもと暮らしている。彼らの考える王制が我々のそれと同じかどうかはよく分かっていないが、王が尊敬され、彼らの社会の中心にあるのは間違いない。  大きのこはノードの放射を受けたきのこが変異したものである。ノード(魔力だまり)から噴出する魔力にあてられたきのこは、浴びた魔力が尽きるまで通常の何十倍もの敏捷で繁殖を続ける。胞子をまき散らし、苗床をつくりながらおそるべき勢いで生長を続け、人間よりも大きくなる。この急速な繁殖の過程で栄養不足におちいるのか、人間型の種族や動物まで襲うようになる。  生長途中の大きのこは栄養対象である存在を攻撃する。大きのこはダメージを受けると衝撃で胞子をまき散らす。胞子は有毒ではないが、サイコロを振って1から3が出た場合には胞子が苗床に落ちる。その場合はごく短い時間のうちに発芽して、子きのことなる。胞子が発芽して子きのこになるまで、サイコロ1個を振って出た目と同じだけのラウンド数を必要とする。子きのこは大きのこと同じように、栄養の対象である者を攻撃する。大きのこと戦う者は往々にして、きのこの群体に囲まれることになるのである。  アランツァにはくさびらの森と呼ばれるきのこの森があるが、大きのこはここだけでなく、ノードのある森林地帯であればどこでも見られる。 ------------------------------------------------------------ 〈草花人(Flowering-Plant Folk)〉 出現数:1d3+2  レベル:3  宝物:なし ≪反応表≫ 常に【中立】    これは【植物】【少数種族】【人間型】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の特性を持つ。  【炎】の特性を持つ攻撃をした場合は【攻撃ロール】に+1の修正が得る。 ***  草花人は樹人と並んで、動く植物の代表格である。ヒョロリとした茎と大きな花、数枚の葉をもつ。樹人よりも柔軟な動きで、わりあい俊敏に動きまわる。桜森などでよく姿が見られるが、動きまわるだけで人間型種族に害を与えるわけではないため、アランツァの人間にとっては無害な鳥や草食獣のような、自然の一部という感覚がある。  草花人は樹人と完全に同じ生息域に存在するため、両者には何らかの関連性があると思われる。 ------------------------------------------------------------ 〈黒ばら(Black Rose〉 出現数:1d3  レベル:5  宝物:特殊(後述を参照)   ≪反応表≫ 常に【中立】  これは【植物】に属するクリーチャーである。戦闘が起きた場合は、常に【死ぬまで戦う】。  このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。  【炎】の特性を持つ攻撃をした場合は【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。  野生の〈黒ばら〉と遭遇したさいには、主人公で【幸運ロール】を行うこと(目標値:6)。  判定に成功したなら、〈黒ばら〉は花を咲かせていない休眠期に入ってるため、出現数と同じ個数の〈黒バラの球根〉を入手できる。これは3個以上になると、3個につき装備品欄ひとつが必要になる。〈黒バラの球根〉は、1個につき金貨5枚で売却できる。  判定に失敗したなら、〈黒ばら〉は花を咲かせているため、球根を掘り起こすには、すべて倒さなければならない。入手できる個数は、前述と同様である。  また、パーティが【逃走】した場合は、〈黒バラ〉は追撃しようとはしないため、各キャラクターが敵の反撃を受けることはない。 *** かづら森には動く植物が数多く生息する。彼らの多くは人間を含む温血の動物を栄養としてつけ狙うが例外もある。黒ばらはその少数の例外であり、人間型種族にとっては益をもたらす生き物として知られている。ブラックローズとも呼ばれ、エルフたちの間で特に人気の植物である。  ブラックローズの全身はバラと同じく、トゲの生えたツタでできているが、ずっとかたい。他生物を駆逐するために進化した四本のツタは特に発達していてよく動く。このツタを巻きつけたり、そのトゲを使って切り裂くことで戦う。  花期にはその名のとおり、黒い花が咲く。高級樹木にもたとえられるほど香り高く、その匂いを愛好する者も多い。熱心に話しかけながら育てることで、育てた者の言葉を解するようになる。畑の周囲に植えておけば、害獣を追い払う眠らずの番となる。ふだんはひとつの場所から移動することはないが、いざとなれば脚の役割も果たしている根を地面から引き抜いて動きまわる。 ------------------------------------------------------------ 〈絞首樹(Gallows Ivy)〉 レベル:5  生命点:4  攻撃数:2  宝物:なし ≪反応表≫ 常に【敵対的】  これは【植物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。  【斬撃】の特性を持つ「接近戦の武器」で攻撃した場合は、ツタを切り裂けるため【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。  【炎】の特性を持つ攻撃をした場合は【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。さらに〈絞首樹〉に与える生命点のダメージは、通常よりも1点高い。  〈絞首樹〉に遭遇したさい、主人公で【器用ロール】を行うこと(目標値:6)。  判定に成功した場合は「不意打ち」を避けることができるので、通常のように第0ラウンドから戦闘を開始してよい。  判定に失敗した場合は「不意打ち」を受けてしまうので、戦闘はクリーチャーから先に攻撃する。このときに限り、クリーチャーは「戦う従者」を優先的に狙ってくる(誰が攻撃を受けるのかは、自由に選択してよい)。  〈絞首樹〉から負傷を受けた場合、対象のキャラクターは、長いツタが絡みついたことで身動きがとれなくなる。  その場合、対象のキャラクターは、戦闘が終わるまで何も行動できない。さらに、各ラウンドが終わるたびに生命点に1点のダメージを受けてしまう。  ただし、これらのペナルティと引き換えに〈絞首樹〉の攻撃数も1回分だけ減る。 ***  絞首樹はふつうの樹木のように見えるが、動きまわる触手で旅人などを吊り上げて殺す危険な生物である。その身体にはツタめいた植物が絡みついている。このツタは絞首樹の触手で、チャンスと見るや旅人にからみつき、首に巻きつけて吊り上げる。あわれな犠牲者は数分を待たずして絶命し、絞首樹はツタを使ってゆっくりと血液を吸い上げる。数日かけて血を吸いきるまでの間、葉全体が赤黒い色に変色する。また、その間は犠牲者が絞首樹の触手に吊り下げられたままの状態になるので、判別は容易である。満腹時にはほとんど動かず、攻撃も自分からは仕掛けない。 ------------------------------------------------------------ 〈ジグリ・ザグリ(Zigli-Zagli)〉 出現数:1d3  レベル:4  宝物:なし ≪反応表≫ 1-4は【友好的】 5-6は【同行】  これは【植物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。  【炎】の特性を持つ攻撃をした場合は【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。  反応表の結果が【同行】だった場合、〈ジグリ・ザグリ〉の1体が、パーティの冒険に興味を示す。同行させるには、従者点を1点必要とする。  同行させる場合、〈ジグリ・ザグリ〉は「戦わない従者(技量点:0)」として扱われ、〈荷物持ち〉かつ〈太刀持ち〉の役割を持つ。ただし、今回の冒険を終えた後、パーティから離脱してしまう。  反応表の結果が【友好的】だった場合、桜谷より遠く離れた土地の話を持ち出すことで、もっとフレンドリーな関係になってもよい。  そうするなら、主人公で【魔術ロール】または【幸運ロール】を行うこと(目標値:7)。  判定に成功したなら、〈ジグリ・ザグリ〉の反応は【同行】に変化する。  判定に失敗したなら、〈ジグリ・ザグリ〉は冒険話に喜んでくれるが、それで好奇心が満たされるため、君たちに同行しようと考える者はいない。 ***  桜森の片すみに落ちた悪魔の果実のひとつが、森のほとりの丸太小屋に住む少女に拾われて育った。愛情深く育てられた実は少女やその家族と友だちになった。少女は彼をゾックと呼んだ。ゾックは人間を食べることがなかった。  ゾックは少女に育てられたが、大きくなってからは離れたところで暮らすようになった。この小さな家族に危機が訪れないように、外側から見守りながら、ときどき少女と遊んだ。  少女が老婆となって天国に向かった後、ゾックは桜森にある小さな谷(桜谷)へと移動して、繁殖して小集団を形成するようになった。彼の子孫はジグリ・ザグリと呼ばれ、ゾックはその祖となった。  ジグリ・ザグリは「善の種族」に対して友好的なクリーチャーであり、動く植物(トレント)である。温和な性格で、好奇心が強いので、もしジグリ・ザグリと仲良くなることができれば、彼らのコロニーに迎え入れてもらうだけでなく、彼らを従者として同行させることも可能である。 ------------------------------------------------------------ 〈血吸草(Vampire Plant)〉 出現数:2d6+1(下限は6体)  レベル:3  宝物:なし ≪反応表≫ 常に【死ぬまで戦う】  これは【植物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の特性を持つ。  〈血吸草〉は群生しているため、飛び道具は効果がない。  【斬撃】の特性を持つ「接近戦の武器」で攻撃した場合は、絡みつく草を切り裂けるため【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。  【打撃】の特性を持つ「接近戦の武器」で攻撃した場合は、草を薙ぐだけでは効果が薄いため【攻撃ロール】に-1の修正を受けてしまう。  【炎】の特性を持つ攻撃を行った場合は、上記のボーナス(あるいはペナルティ)に関わらず、「狭い場所」で【炎球】の魔術を唱えたものとして処理すること。  〈血吸草〉から負傷を受けたさい、生命点にダメージを受けることはないが、〈血吸草〉絡みつかれることによって、身動きがとれなくなる恐れがある。  負傷を受けたのが主人公なら、最初に装備している武器が奪われる。これは戦闘が終わるまで、取り戻すことはできない。  主人公が武器を装備していなければ、今度は両脚に絡みついてくるため、戦闘が終わるまで【攻撃ロール】に-1の修正を受けなければならない(このペナルティは累積する)。  負傷を受けたのが従者なら、〈血吸草〉に絡みつかれたことで、身動きがとれなくなってしまう。  〈血吸草〉を全滅させれば、植物に拘束された全ての従者を助けることができる。ただし、パーティが【逃走】した場合は、拘束された従者は〈血吸草〉の餌食となるため、死亡したものと扱われる。 ***  平和に見える平原にも、危険が潜んでいるときはある。血吸草の危険は目に見えないのではなく、周囲に溶け込んで近づく。血吸草はネメディ平原にある「大きな」危険と比べれば地味な、しかしあなどれない危険である。  血吸草は一見すると少々幅のある葉をもつ、ただの雑草に見える。野生の動植物に詳しい人間でなければ、その判別は難しい。  血吸草はごく短い距離であれば移動することができる。その生息域で、休息をとるなど足を止めた者がいた場合、その者に気づかれないよう周囲を取り囲む。その者が居眠りをするなど、特に警戒心を解いたときは血吸草にとってチャンスである。  血吸草はまず足に絡みつき、それと同時に気づかれないように血を吸いはじめる。1ラウンドごとに手に、胴に、さらには刃をともなう武器に絡みつく。  血吸草とは、HPを減らし合う通常の戦いはできない。群生する血吸草を、武器を使って倒すことはできないのである。すべての箇所を解放すれば逃げ出すことはできる。倒すには武器ではなく、火を用いてすべて焼き払うなど、より大規模な手段を用いなければならない。腹を立ててこのような手段に訴える者はいるが、得るものは少ない。火を用いるのは危険な行為であるいっぽう、血吸草は時間とともにまた群生する。逃げ出して、今後はその地域に近づかないようにするのが賢明だ。 ------------------------------------------------------------ 〈マンドラゴラ(Mandragora)〉 出現数:1d3+1  レベル:3  宝物:なし ≪反応表≫ 1は【友好的】 2-3は【中立】 4-6は【敵対的】  これは【植物】に属するクリーチャーである。【気絶】の魔術による効果を受けない。  このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。  【炎】の特性を持つ攻撃をした場合は【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。  〈マンドラゴラ〉は、接近戦の攻撃によって倒されるたびに、背筋が震え上がるような凄まじい悲鳴をあげる。これは【音】の攻撃特性を持つ。  クリーチャーを倒したキャラクターは、ただちに【対魔法ロール】を行うこと(目標値はクリーチャーのレベル+2)。  判定に成功したなら、少し驚かされるだけで、何も起きない。  判定に失敗したなら、精神をむしばまられるため、生命点に1点のダメージを受けてしまう。これによって生命点が0点になった場合、対象のキャラクターは、強烈なショックにより絶命する。  反応表の結果が【友好的】だった場合、それはマンドラゴラの派生種とされる〈マンドラタン〉である。  当たり障りのない会話を交わした後、主人公1人に対して「頭の花飾りにある蜜をちょっぴり吸ってもいいよ」と言って、草のストローを差し出す。この申し出を受けるかどうかは、自由である。  蜜を吸うなら、主人公で【器用ロール】を行うこと(目標値は4)。  判定に成功したなら、甘い蜜を飲んだことで元気がわいてくる。対象のキャラクターの副能力値を1点回復させてよい。  判定に失敗したなら、吸い方が思ったよりも乱暴だったらしく、〈マンドラタン〉が大声で泣く。精神に強烈なショックを受けたことで、対象のキャラクターは生命点を1点減らさなければならない。〈マンドラタン〉は平謝りした後、パーティからの報復を恐れて、すぐに【逃走】してしまう。 ***  マンドラゴラは人間や動物に寄生して勢力を拡大する寄生植物である。傷つけられると大きな声で鳴き、精神をむしばむ。時として巨大生物の背に貼りついて、安全に勢力範囲を広げることもある。  マンドラタンは人間型をしたマンドラゴラで、知性が発達していて温和な性格をしている。マンドラゴラと同じ種とは思えない