------------------------------------------------------------    ◆アランツァクリーチャー事典     【龍族】 ------------------------------------------------------------  龍とその眷属を指します。  アランツァ世界には、龍(ドラゴン)はもともと109体(最初の龍であるバスケスという龍と、その子ども108体)しかおらず、倒されるたびに数を減らしていきます。  数が多いその眷属(ドレイクやワイバーンなど)のほうが、一般的に知られています。  ■百竜について  大陸南西部にあるガドバレル地方には、百竜の森と呼ばれる森林地帯がある。全体をまゆで包まれていて、ある特定の時期にしか中に入ることができない地域である。  ふだんは外界から隔離されているため、周囲と異なる生態系をもっているのがこの百竜の森である。百竜とは百種類の竜という意味で、正確に百種類というわけではないが現地で「竜」と呼ばれる生き物が多様な姿を見せている(竜は龍ではなく、厳密には別の種族)。ここに挙げるのはその一部に過ぎず、専門家によるとその種は数十種に枝分かれしているという。 ・サーベルトゥースドレイク ・ダンドラゴン ・ベスーゴドレイク ・ヘラクレスナイト ・宝石竜 ------------------------------------------------------------ 〈サーベルトゥース・ドレイク(Saber-Tooth Drake)〉 出現数:1d3+3  レベル:5  宝物:なし ≪反応表≫ 1-3【中立】 4-6は【敵対的】  これは【龍族】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。  このクリーチャーは【炎】を用いた攻撃を無効化する。  〈サーベルトゥース・ドレイク〉に遭遇したさいは、主人公で【魔術ロール】を行うこと(目標値:4)。  判定に成功したなら、通常どおり戦闘を仕掛けるか、または相手の反応をうかがうかを選ぶことができる。  判定に失敗したなら、〈サーベルトゥース・ドレイク〉は【不意打ち】を仕掛けてくる。その場合、戦闘は第1ラウンドから始まり、敵の方が先制する。  戦闘の第1ラウンドで、各キャラクターが【防御ロール】に失敗した場合、急降下してきた〈サーベルトゥース・ドレイク〉が鋭い牙でかみつくので、生命点に2点のダメージを受けてしまう(対象が従者なら、ダメージを受けるのは1体だけである)。  このときに、パーティ側の誰かを倒した〈サーベルトゥース・ドレイク〉は、すぐに飛び去ってしまうため、敵の頭数を1体減らしてよい。    何らかの手段によって〈サーベルトゥース・ドレイク〉を〈捕虜〉にした場合、冒険が終わったときに、街の剣竜亭が金貨25枚で買い取ってくれる。 ***  サーベルトゥース・ドレイクは一見するとドレイクによく似ている。だが、ドレイクよりも身体の中心が軽く、全体的なフォルムが細長い。その名のとおり鋭い一対の牙が生えていて、自分よりも大きな生きものに対しても敢然と立ち向かう。空を飛び、大きくなったら人間を襲うようになる。  サーベルトゥース・ドレイクは数十匹単位で子どもを産む。小さいサイズであれば数百匹単位で群れをなして行動する。一人前になるころにはそのほとんどが食べられるか、飢えや病気などでいなくなる。  1メートル前後のサーベルトゥース・ドレイクは肉の味がすこぶるいい。ガシュラ鳥と呼ばれる小型の鳥を捕獲して与えることで、捕獲を試みる狩猟者もいる。このサーベルトゥース・ドレイクの肉を、高値で購入してくれる者がいるからである。性格は慎重だが頭はあまりよくないため、習性を利用すれば捕獲自体は難しくない。 ------------------------------------------------------------ 〈ダンドラゴン(Roly-Poly Dragon)〉 出現数:1d3+3  レベル:4  宝物:なし ≪反応表≫1-2【中立】 3-6【敵対的】  これは【龍族】【虫類】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。  〈ダンドラゴン〉の身体は硬いので、武器を用いた攻撃をする場合は【攻撃ロール】に-1の修正を得てしまう。 ***  ダンドラゴンは人間よりも少し大きいサイズの生物である。巨大なダンゴムシに似ていて、地面にミゾを残しながら常に転がっている。  人間型種族と出会うことなく育っているため、どのような反応をすることもあり得る。人間がそばにいても無視して転がっていってしまった記録も、エサだと判断して襲いかかってきたこともある。  ダンドラゴンは寝ているときをのぞいて、自分の縄張りを常に周回する特性をもつ。その体重と甲殻のかたさゆえに、地面の上にミゾを残してコースを変えることなく延々と転がり続ける。その結果、ミゾはどんどん深くなっていく。百竜に詳しい者は、ミゾを見ただけでダンドラゴンの存在を知るのである。 ------------------------------------------------------------ 〈ベスーゴ・ドレイク(Besugo Drake)〉 レベル:5  生命点:7  攻撃数:2  宝物:なし ≪反応表≫ 1-4【逃走】 5-6【ワイロ】(1d3+1個の食料 or 〈弱いクリーチャー〉1体)  これは【龍族】【水中】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。  〈ベスーゴ・ドレイク〉の鱗は頑丈であるため、【斬撃】の特性を持つ「接近戦の武器」で攻撃した場合、【攻撃ロール】に-1の修正を受けてしまう。  各キャラクターが【防御ロール】でファンブルを発生させた場合、龍の強靭な牙に噛みつかれるので、生命点に受けるダメージは通常よりも1点多い(対象が従者なら、ダメージを受けるのは1体だけでよい)。  〈ベスーゴ・ドレイク〉に遭遇したさいは、主人公で【魔術ロール】を行うこと(目標値はクリーチャーのレベルに等しい)。ただし、『豊かな果実』を1個消費することで、この判定には自動的に成功する。  判定に成功したなら、通常どおり戦闘を仕掛けるか、または相手の反応をうかがうかを選ぶことができる。  判定に失敗したなら、〈ベスーゴ・ドレイク〉は【逃走】してしまう。この場合、飛び道具で狙いをつける前に飛び去ってしまうため、龍を捕獲するための技能や魔法を使うことはできない。  〈ベスーゴ・ドレイク>の捕獲を試みる場合、龍は素早く飛び去ろうとするため、捕獲するための【判定ロール】に-2の修正を受けてしまう。  もし、ワイロを支払った直後に捕獲を試みるつもりなら、この【判定ロール】のペナルティは-1の修正でよい。  〈ベスーゴ・ドレイク〉の捕獲に成功したなら、冒険が終わったときに、街の剣竜亭が金貨60枚で買い取ってくれる。 ***  ベスーゴ・ドレイクは百竜が海に適応した生きもので、翼を持つ魚という奇妙な外見をしている。悪食で、虫でも海藻でも、なんでも食べる。空を飛ぶことはできるが時間は短く、やや苦手。海で生活していることが多い。陸上に上がることもできるため、海岸沿いの磯で見かけることもある。性格は用心深く、いつでもワナを警戒している。  ベスーゴドレイクは沿岸に住む魚人(シブリム人)の領域に住んでいることがあり、その場合には迂闊に捕獲すると揉めごとにつながる。魚人たちは自分の縄張りにいる生きものを、すべて自分たちのものと考えているからだ。縄張りを守らずに狩猟を行えば、魚人たちはそれを敵対行為とみなすだろう。 ------------------------------------------------------------ 〈ヘラクレスナイト(Hercules-Beetle Knight)〉 レベル:5/6(※飛行形態)  生命点:4  攻撃数:2/1(※飛行形態)  宝物:なし ≪反応表≫ 1-3【友好的】 4-6【情報】  これは【龍族】【虫類】【人間型】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。  反応表の結果が【情報】だった場合、冒険に役立つ情報を教えてくれるため、『手がかり』を1個入手してよい。  〈ヘラクレスナイト〉が着込んだ鎧は強固であるため、飛び道具、または【斬撃】の特性を持つ「接近戦の武器」で攻撃した場合、【攻撃ロール】に-1の修正を受けてしまう。  〈ヘラクレスナイト〉は、前のラウンドで負傷を受けていなかった場合、大カブトムシに変形する。ただし、形態を変えるのに1ラウンドのアクションは必要としない。  【飛行形態】をとった〈ヘラクレスナイト〉は、【人間型】のタグがなくなり、主人公を優先的な攻撃対象に選ぶ。  【飛行形態】のときに〈ヘラクレスナイト〉がダメージを受けていた場合、そのラウンドの〈ヘラクレスナイト〉は、通常の人間型へと変形する。 ***  甲虫竜人と呼ばれることもあるヘラクレスナイトは、甲虫を思わせる鎧を着込んでおり、長い角を生やした大カブトムシに変形する能力を持っている。大カブトムシの状態になると、小回りがきかなくなる代わりに、機動性は大幅に上昇する。戦闘時には人と甲虫、二つの形態を使いこなすため、敵に回すと非常に手強い戦士である。百竜の森の付近で暮らす竜人の村を守るために、竜人の戦士たちと共に森の見回りをしている。地元の危険生物に詳しいので、彼の助言は冒険に役立つだろう。 ------------------------------------------------------------ 〈宝石竜(Jewel Dragon)〉 レベル:5  生命点:9  攻撃数:2  宝物:特殊(後述を参照) ≪反応表≫ 1-3【逃走】 4-6【ワイロ】(※金貨30枚以上の価値を持つ宝石5個)  これは【龍族】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。  このクリーチャーは【炎】を用いた攻撃を無効化する。  〈宝石竜〉の身体は宝石に覆われているため、【斬撃】の特性を持つ武器で攻撃した場合、【攻撃ロール】に-1の修正を受けてしまう。  〈宝石竜〉に【ワイロ】を渡した場合、相手は宝石を食べることに夢中になっているため、捕まえる手段さえ持っていれば、1回だけ捕獲を試みることができる。  一部の宝石は〈宝石竜〉にとって毒であるため、動きを鈍らせることができる。それが【虹色ガーネット】であれば、判定に+3の修正が得られる。【ヒスイの塊】であれば判定に+1の修正が得られる(これらのボーナスは重複する)。  ただし捕獲に失敗した場合、〈宝石竜〉は【逃走】してしまう。  〈宝石竜〉が生命点にダメージを受けていた場合、偶数ラウンドのパーティ側の攻撃が終わるたびに、主人公で【幸運ロール】を行うこと(目標値:4)。  判定に成功したなら、通常どおり戦闘を継続すること。  判定に失敗したなら、〈宝石竜〉は地面に潜って【逃走】してしまう。この場合、あっと言う間のできごとなので、龍を捕獲するための技能や魔法を使うことはできない。    何らかの手段によって〈宝石竜〉を〈捕虜〉にした場合、冒険が終わったときに、龍族の生態について調査をしている研究者が引き取ってくれる。彼は、龍を連れてきた謝礼として『フリーチケット』を手渡す。  街で「希少な装備品」を購入するさいに、この『フリーチケット』には金貨150枚の価値が与えられる。 ***  宝石竜は実在を疑われる伝説的な存在である。百竜の森そのものが入るのに困難な場所であるから、これは仕方がない。  百竜の森に詳しいザスカルという名前の研究者によると、宝石竜は体長6メートル、ずんぐりした体格をしている。俊敏で筋肉質ながら性格は臆病であり、戦いを好まない。  全身から宝石が生えていて、莫大な価値をもつと言われている。この宝石は処理が難しく、生きたまま捕獲して正しい手順で取らなければ宝石は価値を失う。