------------------------------------------------------------    ◆アランツァクリーチャー事典     【水中】 ------------------------------------------------------------ 魚介類が中心です。 水中で戦うことができるため、ステージによっては厄介な敵になります。 〈アメーバ〉 〈大ガニ〉 〈大ヤドカリ〉 〈ガツガツ魚〉 〈ギザギザ魚〉 〈キューブ〉 〈サメ〉 〈ダトツ〉 ------------------------------------------------------------ 〈アメーバ(Ameba)〉 レベル4  生命点:8  攻撃数:3  宝物:なし ≪反応表≫ 1-2は【無視】(※逃走と同様) 3-6は【ワイロ】(1d3+1個の食料、または〈エール酒の大瓶〉を2回分) 〈アメーバ〉に対して飛び道具、または【打撃】の特性を持つ接近戦の武器で攻撃した場合、ゼリー状の体に衝撃が吸収されてしまうので【攻撃ロール】に-1の修正を受けてしまう。 また【炎】や【酸】を用いた攻撃をした時は【攻撃ロール】に+1の修正が得られ、さらに攻撃が命中すれば1点の追加ダメージを与えることができる。 このクリーチャーに〈エール酒の大瓶(2回分以上)〉を投げつけるか(クリーチャーのレベルを目標値とした【器用ロール】を行う)、またはワイロとして渡した場合、〈アメーバ〉はすぐに酔っ払って動かなくなってしまうので、戦闘に勝利したものと扱うこと。 ***  かえる沼や死霊沼のような低湿地帯には、一見してそれと分からない生き物が生息していることがある。〈アメーバ〉は沼地の水に混じって浮遊しながら移動し、ゆっくりと動きまわりながら獲物をさがす。地下迷宮では移動が難しいので、天井などにへばりついて獲物が通過するのを待つ。  〈アメーバ〉の身体には通常の武器による攻撃は効果が薄い。この生き物に有効なのは【炎】か【酸】である。しかし、命がけで食事を求める〈アメーバ〉は炎にあぶられた程度では獲物をあきらめない。この厳しい世界で生き延びるには常に決死の覚悟で挑む必要があることを、このような知能の低い生物ですら知っているのだ。 ------------------------------------------------------------ 〈大ガニ(Giant Crab)〉 レベル:4  生命点:7  攻撃数:2 宝物:なし ≪反応表≫ 1は【無視】(※逃走と同様) 2-6は【ワイロ】(1体の〈弱いクリーチャー〉) これは【水中】に属するクリーチャーである。 このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。 〈大ガニ〉に対して飛び道具、または【斬撃】の特性を持つ接近戦の武器で攻撃した場合、クリーチャーの強靭な甲殻に防がれるので【攻撃ロール】に-1の修正を受けてしまう。 【打撃】の特性を持った武器で攻撃した場合は【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。 主人公が〈大ガニ〉からダメージを受けたときは、ただちに【器用ロール】(目標値:4)を行うこと。判定に成功すれば、ハサミに挟まれずに済む。 この判定に失敗した場合は、ハサミに体を挟まれてしまう。 以後〈大ガニ〉の攻撃数を1回減らす代わりに、各ラウンドが終了するたびに、ハサミに挟まれた主人公の生命点を1点減らさなければならない。 この状態は、キャラクターの誰かが〈大ガニ〉の生命点にダメージを与えると解除される。 ***  見上げるほど巨大なカニと出会ったら、どうするだろうか。マドレーン海域をはじめとする温暖な海域には、さまざまな大きさのかにが存在する。〈大ガニ〉はそういったカニのなかでもかなり大きな種の大人であるが、もっとも大きな〈巨大ガニ〉とは別の種類とされている。〈大ヤドカリ〉が大好物で、船上や海岸をうろつく人間型種族も狙ってよく食べる。  〈大ガニ〉のハサミは恐るべき握力を持っている。ハサミに捕らえられると自動的にダメージを受ける状態になるが、こちらが反撃してダメージを与えないかぎり、そのままハサミに押し潰され続け、しまいには息が絶えてしまう。とはいえ、挟まれた当人も攻撃をすることができるため、おめおめとやられる者はそういないだろう。 ------------------------------------------------------------ 〈大ヤドカリ〉 出現数:2d6  レベル:2  宝物:食料(後述) 反応表:1−3は【中立】 4−6は【ワイロ】(3体につき食料1個) これは【水中】に属するクリーチャーである。 このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。 倒した〈大ヤドカリ〉を、食料として扱ってもいい。そうするなら、このクリーチャー4体につき食料1個とすることができる。 ***  〈大ヤドカリ〉の外見は、らせん状に巻いた貝のなかに住むやどかりをそのまま大きくしたような姿である。1匹1匹が人間の拳よりも少し大きい。小さな虫や海藻を食べる。あまりおいしくはないが、食料として漁師が食べることもある。海中で群れをなして移動して、船壁を仮の宿にすることがある。そのため、船体を重くする生き物として嫌われる。しかしながら、アランツァの海に生息する他の生物と比べたら大人しい。  人間にとってはそれほど特別な味ではないが、〈大ヤドカリ〉を好んで食べる生き物もいる。大ガニがその代表で、(彼らにとっては)小ぶりなこの生き物を好んでよく食べる。しばしばそのことが、砂浜での厄介ごとにつながる。大ガニは人間のことも同様にエサとみなすため、遠くから〈大ヤドカリ〉のにおいを追ってやってきては、砂浜にいる人間を襲うのである。 ------------------------------------------------------------ 〈ガツガツ魚〉 出現数:1  レベル:4 宝物:額石(後述) 反応表:1−6【逃走】 これは【水中】【魚類】に属するクリーチャーである。 このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。 〈ガツガツ魚〉の額には「額石」と呼ばれる宝石がついている。この宝石は(1d6×5)枚の金貨に交換することができる。 〈ガツガツ魚〉の額石を手に入れるために、このクリーチャーと水の中に入って戦う場合、対象のキャラクターは戦闘が終了するまで【攻撃ロール】と【防御ロール】に-1の修正(金属鎧を身につけていれば【防御ロール】は-2の修正)を受けてしまう。 また、〈ガツガツ魚〉を複数のキャラクターで攻撃した場合、このクリーチャーは自分の手番に【逃走】する。その場合、通常のルールとは異なり、キャラクターは「額石」を手に入れることができない。 ***  〈ガツガツ魚〉はかえる沼に生息する固有種である。他の地方で見られることは少ない。  〈ガツガツ魚〉は泳力の高い魚で、体格の割に力も強い。体長約30-50センチメートルほど。〈ガツガツ魚〉を捕獲するには、優れた漁師の協力が不可欠である。エサは大かたつむりの肉が代表的だが、川エビもよく使われる。〈ガツガツ魚〉の鋭い歯でぼろぼろにされてしまうため、投網は役に立たない。一本釣りで捕まえるか、水中で戦って倒すしかない。 ------------------------------------------------------------ 〈ギザギザ魚〉 出現数:1d6+1  レベル:3  宝物:食料(後述) 反応表:1−3【中立】 4−6【敵対的】 これは【水中】【魚類】に属するクリーチャーである。 このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。 倒した〈ギザギザ魚〉を、食料として扱ってもいい。そうするなら、このクリーチャー3体につき食料1個とすることができる。 ***  〈ギザギザ魚〉は剣のように細長い形状の魚で、剣魚(けんぎょ、つるぎうお)とも呼ばれる。背びれがギザギザになっていて、非常によく切れる。それほど体格が大きいわけではないが、それでも大人は体長60センチメートルほどある。素早く動き、その鋭い背びれを押しつけるように泳ぐことで、他の生物にケガを負わせる。この背びれは毒を持たないが、人間の柔らかい肌をパックリと切り裂いてしまう。  〈ギザギザ魚〉は主に汽水域に生息する。これはサケやウナギと同じで、淡水でも海水でも生きることができる。川の河口付近で生まれて、海に出て群れで回遊する。大人になる頃に自分が生まれた川の付近に戻ってくる。その後は大陸の沿岸部を移動しながら生活する。単体で行動しているときはそれほどでもないが、群れで動いているときは凶暴な面があって、海中に落ちた動物に集団で襲いかかって、あっという間に殺してしまうこともある。エビのような甲殻類や小魚を好むが、動物の肉も好みなのだ。 ------------------------------------------------------------ 〈キューブ〉 レベル:1  生命点:6  攻撃数:0 宝物:修正-1 ≪反応表≫ 1-6【中立】  このクリーチャーは【水中】に属する。  このクリーチャーは攻撃手段を持たない。  このクリーチャーは【炎】や【酸】でない攻撃でダメージを受けることがない。 ***  〈キューブ〉は不定形の怪物である。生き物を襲う〈アメーバ〉と似ているが、まったく無害であり、キャラクターに攻撃を行うことはない。落ち葉や動物の糞などを養分として吸収する性質があり、低湿地帯にある沼地にどっぷりと沈み込んで、底に溜まった腐った草木を取り込んで大きくなる。体内に沼地の底にあった動物の骨などが浮いているため「動物を狙う」と誤解されてきたが、生き物を襲うことはない。  〈キューブ〉は生物の世界で重要な役割を果たしている。〈キューブ〉が取り込んだ養分は時間をかけて分解されてから放出されて、草木が育つ栄養になる。そのため、〈キューブ〉が点在する沼地では草木が繁栄することが多い。  〈キューブ〉を倒すには〈アメーバ〉と同じく、炎か酸を用いるのが効率的だ。【炎】や【酸】によって、毎ラウンド1点のダメージを与えることができる。〈キューブ〉は人間に対抗する手段をもたないため、時間をかければ必ず駆逐できる。そうすることで生命の危険を感じた〈キューブ〉が【逃走】して、その体内に蓄えられていたわずかな財宝(旅人の遺体などから得た、未消化の金貨など)を手に入れることができるだろう。 ------------------------------------------------------------ 〈サメ(Shark)〉 出現数:1d3+1  レベル:5  宝物:なし ≪反応表≫ 1は【無視】(※逃走と同様) 2-5は【ワイロ】(1体につき食料1個) 6は【死ぬまで戦う】 これは【水中】に属するクリーチャーである。 各ラウンドが終了するたびに、そのラウンドで〈サメ〉またはキャラクターの誰かが死亡したなら、1d6を振る。 出目が1なら、血の匂いに引き寄せられた2体の〈サメ〉が、新たに戦闘に参加することになる。 ただし、この海域にいる〈サメ〉は、ここに登場したものも含めて6体である。それよりも多くの〈サメ〉が出現することはない。 なお〈サメ〉が逃走(または全滅)した場合は、この判定を行う必要はない。 {斜体} 人間にも匹敵するほどの大きな魚影が、何頭も見える。 その独特のフォルムと、水上に出たヒレ部分から、それが〈サメ〉であることはすぐに分かった。 {/斜体} ***  大きな口に何列も生えた鋭い歯。冷たい瞳と独特の流線型のフォルム。〈サメ〉は危険な肉食生物である。優れた海洋生物であり、海中で出会えば人間型種族には不利な相手と言える。  〈サメ〉は集団での狩りを行う。血の匂いをかぎつけて集まる習性があり、冒険者の側、〈サメ〉の側のどちらがやられたときも、さらなる〈サメ〉を引き寄せる原因になりかねない。  砂漠や雪に適応した〈サメ〉もいる。砂中を泳ぐサンドシャークや雪中を泳ぐスノーシャークも、海にいる〈サメ〉とデータとしては同じである。 ------------------------------------------------------------ 〈ダトツ(Rapier Fish)〉 出現数:2d6(下限は6体)  レベル:3  宝物:なし ≪反応表≫ 1-3は【遠くに魚群が見える】(※【逃走】と同様) 4-6は【敵対的】 これは【水中】に属するクリーチャーである。 〈ダトツ〉は、放たれた矢のような勢いで海中から船の甲板上へと跳躍してくる。 この先制攻撃は、第0ラウンドでクリーチャーが射撃を行ったものとして処理すること。 なお第1ラウンドが始まったさい、跳躍による攻撃の成否に関わらず、甲板にあがったダトツは身動きが取れなくなるため、自動的に戦闘に勝利したことになる。 〈ダトツ〉は食用魚なので、この時に捕まえたダトツ3体につき、1個の食料に変換していい。 {斜体} 信じられない、といった表情で、船員が自分の腿を見つめている。 そこには口先の尖った細長い魚が、突き刺さっている。 槍の穂先、あるいは錐の先のように鋭いアゴが、人の脚の半分ほどにまで突き立てられたのだ。 キラキラと太陽の光を反射する、水面にきらめく魚影。 〈ダトツ〉は群れをなす生きものなのだ。 {/斜体} ***  〈ダトツ〉はアリクララ湖やかえる沼に特に多いが、それ以外の水域でも見られる凶暴な魚で、大きな群れと遭遇すれば人間型生物でも生命を落とすことがある。海水域でも淡水域でも見られる。厳密に言えば両者は種が異なるが、どちらも〈ダトツ〉として扱われる。  〈ダトツ〉には発達した複数のひれがあり、それを翼のように用いて空中高く舞い上がる。口の先がかたく、海水魚のダツのように生き物の身体に突き刺さる。船上の人間は格好のえじきで、群れの規模によっては全滅させられかねない。  最初の攻撃が終わった後、〈ダトツ〉は対象の身体に刺さったり、対象が乗っている(舟などの)乗物に乗り上げてしまい、無力化する。