------------------------------------------------------------    ◆アランツァクリーチャー事典     【家畜、騎乗生物】 後編 ------------------------------------------------------------ 【家畜】 家畜は人間型種族に飼われている生きものを指します。 【騎乗生物】 家畜の中でも、その背中に乗ることができる生きものを騎乗生物と呼びます。 生きていないもの(からくり仕掛けの乗りもの)も含みますが、ここでのタグは【騎乗生物】です。 ・軍馬 ・乗用馬/疾風馬 ・シーロック ・ドラートル ・ドリザード ・火吹き獣 ・ヒポグリフ ・丸々獣 --------------------------------------------------------------------------------- 〈軍馬(War Horse)〉 出現数:1d3  レベル:4  宝物:なし ≪反応表≫ 1-2【友好的】 3-6【中立】  これは【動物】【騎乗生物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。  〈軍馬〉を【騎乗生物】として運用する場合、それは「戦う従者(技量点0、生命点1)」として扱われ、【打撃】の攻撃特性を持つ。同行させるには、従者点を1点必要とする。  従者の〈乗用馬〉は、主人公の代わりに装備品を2つまで持たせることができる。 --------------------------------------------------------------------------------- 〈乗用馬(Horse)〉 出現数:1d3  レベル:4  宝物:なし ≪反応表≫ 1-2【逃走】 3-5【友好的】 6【敵対的】  これは【家畜】【動物】【騎乗生物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。  〈乗用馬〉を【騎乗生物】として運用する場合、それは「戦わない従者(技量点0、生命点1)」として扱われ、【打撃】の攻撃特性を持つ。同行させるには、従者点を1点必要とする。  従者の〈乗用馬〉は、主人公の代わりに装備品を5つ持たせることができる。 ***  馬は【善の種族】全般にとって、もっとも有名な【騎乗生物】である。タフで脚が速い。大陸東部ではラクダが騎乗生物の中心なのに対して、アランツァの馬は色は黒系が多く、つぶらな瞳をしている。脚が長く、性格は従順で辛抱強い。  人間をはじめとする善の種族との歴史は長く、両者は深い信頼関係で結ばれている。 --------------------------------------------------------------------------------- 〈シーロック(SeaLock)〉 戦う従者(技量点0点、生命点1点) 出現数:1d3  レベル:4  宝物:なし ≪反応表≫ 1-2【逃走】 3-5【友好的】 6【敵対的】  これは【家畜】【水中】【騎乗生物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。  〈シーロック〉は海の生物であるため、【水中】の属性を持つ主人公でなければ、このクリーチャーを従者にすることはできない。  水中で戦う場合、キャラクターは通常、【攻撃ロール】と【防御ロール】に-1の修正(金属鎧を身につけていれば【防御ロール】は-2の修正)を受ける。  ただし【水中】の属性を持つキャラクターは、これらのペナルティを受けることはない。  〈シーロック〉を【騎乗生物】として運用する場合、それは「戦う従者(技量点0、生命点1)」として扱われ、【打撃】の攻撃特性を持つ。同行させるには、従者点を1点必要とする。  水中で〈シーロック〉に乗っている場合、水中を移動する場面で【器用ロール】を行うさいには、+2の修正が得られる(乗っている〈シーロック〉にもボーナスが適用される)。ただし〈シーロック〉は、水中以外の地形では運用することができない。 ***  シーロックは〈マーフォーク〉や〈末裔〉といった海の知的種族が騎乗生物として活用する海洋動物で、その性質や形状はさまざまである。ここで挙げられているのは海のクリーチャー1体が【騎乗生物】として利用する典型的なもので、陸上の言葉で言うなら「馬」にあたる名前がついている。イルカに近いシーロックで、力強くスタミナがある。  シーロックは海の家畜全体を指す言葉である。海中を旅する機会に恵まれ、海の知的種族の住む集落などを訪れたなら、さまざまなシーロックに出会う可能性がある。 --------------------------------------------------------------------------------- 〈ドラートル(Delattre)〉 レベル:3  生命点:5  攻撃数:1  ダメージ:2  防御点:1  宝物:なし ≪反応表≫ 常に【友好的】  これは【家畜】【水中】【龍族】【巨大生物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。  水中で〈ドラートルと〉戦う場合、キャラクターは通常、【攻撃ロール】と【防御ロール】に-1の修正(金属鎧を身につけていれば【防御ロール】は-2の修正)を受ける。  ただし【水中】の属性を持つキャラクターは、これらのペナルティを受けることはない。  第1ラウンドでのパーティ側の攻撃が終わると、身の危険を覚えた〈ドラートル〉は、ただちに【逃走】してしまう。  〈ドラートル〉を運用する場合、それは「戦わない従者(技量点0、生命点5、防御点1)」として扱われ、【打撃】の攻撃特性を持つ(【攻撃ロール】に-1の修正)。同行させるには、従者点を12点必要とする。  〈ドラートル〉が水中を移動する場面で【器用ロール】を行うさいには、+2の修正が得られる。  従者の〈ドラートル〉は、主人公の代わりに装備品を20個まで持つことができるが、水中以外の地形では運用することができない。  そして体格の大きさゆえに、飼育するための食費も相当のものだ。冒険が終わるたびに山盛りの海草(金貨25枚)を買い与えるか、ドラートルを逃がさなければならない(後者を選んだ場合は、パーティから外されることになる)。 ***  大陸東部から海に出ると、そこにはマドレーン海域と呼ばれる群島地域がある。マドレーン海域にはドラートルと呼ばれる家畜がいる。おっとりとした性格で、主に水の中で暮らす。寿命は200年。海藻と、海中の小さな生物を中心とした食性で知られている。  ドラートルの見た目は、ウミガメによく似ている。だが、そのサイズはウミガメの3倍近い隊長を持つ。人間よりも大きくなるのだ。ドラートルはマドレーン諸島の人々にとって、生活に欠かせない家畜として日夜働いている。  ドラートルに牽引させ、航行する船をドラートル船と呼ぶ。馬が車を引く馬車の、海バージョンというわけだ。龍の仲間が海に住むようになり、亀に似た性質を帯びたのがドラートルだと言われている。 --------------------------------------------------------------------------------- 〈ドリザード(Dragon-Lizard)〉 出現数:1d3  レベル:5  宝物:修正+2 ≪反応表≫ 1-4【友好的】 5-6【死ぬまで戦う】  これは【龍族】【騎乗生物】に属するクリーチャーである。戦闘が起きた場合は、常に【死ぬまで】戦う。  このクリーチャーは、第0ラウンドと接近戦の両方において、口から吐く炎によって攻撃を行う。攻撃特性は【炎】である。  〈ドリザード〉の炎による攻撃を受けたキャラクターは、【対魔法ロール】を行うこと(目標値は、クリーチャーのレベル)。  判定に成功したなら、炎を避けられるので、対象のキャラクターは被害を受けることはない。  判定に失敗したなら、炎によって火傷を負ってしまうため、対象のキャラクターは生命点に1点のダメージを受けてしまう(対象が従者なら、ダメージを受けるのは1人だけでよい)。  〈ドリザード〉の生命点にダメージを与える攻撃を行った場合、クリーチャーは非常にタフであるため、【攻撃ロール】に-1の修正を受けてしまう。  〈ドリザード〉を【騎乗生物】として運用する場合、それは「戦う従者(技量点1、生命点1)」として扱われる。同行させるには、従者点を1点必要とする。  また、第0ラウンドと接近戦の両方で炎の息による攻撃を行うことができる。その攻撃特性は【炎】である。  従者の〈ドリザード〉は非常にタフであり、各冒険につき1回だけ生命点に受けたダメージを無視することができる。 ***  ドリザードは正式名称をドラゴンリザードといい、ドラゴンの遠縁にあたる。身体はドラゴンに似ているがもっとずんぐりと太っていて、飛ぶことはできない。陸上生物だが、小型から中型の魚を大量に食べる。  龍族ではあるが遊泳を得意とし、水かきも少しある。火を吐く能力があるが狩りでは使われず、外敵に襲われたさいの自衛手段として用いられる。マドレーン諸島発祥の騎乗生物で、人間とトカゲ人が好んで乗りまわす。性格は穏やかだが怒ると手がつけられず、その気性は象に似ている。 --------------------------------------------------------------------------------- 〈火吹き獣(Spitfire Beast)〉 出現数:1d3+1  レベル:5  宝物:なし ≪反応表≫ 1-3【ワイロ】(1体につき1個の食料) 4-6【敵対的】  これは【動物】【龍族】【怪物】【騎乗生物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは、第0ラウンドと接近戦の両方において、口から吐く炎によって攻撃を行う。その攻撃特性は【炎】である。  〈火吹き獣〉は、炎への耐性を持っているため、【炎】を用いた攻撃によるダメージを受けることがない。  〈火吹き獣〉を【騎乗生物】として運用する場合、それは「戦う従者(技量点1、生命点1)」として扱われる。同行させるには、従者点を1点必要とする。  従者の〈火吹き獣〉は、第0ラウンドと接近戦の両方で炎の息による攻撃を行うことができる。その攻撃特性は【炎】である。 {斜体} 犬めいた吠え声をあげながら、軽快とは言えない足音で走る騎乗生物。 外見は馬にも似ているし、長毛犬のようでもある。だが、少なくとも大きさは馬並みだ。 【火吹き獣】は近年、ゴーブの錬金術師たちの手によって創造された獣だ。 龍の血が混ぜ込まれており、口から高熱の炎を吐く能力を持っている。 軍馬よりも強靭で、人間に対して従順な獣。 【混沌】のクリーチャーと戦うことを目的とした怪物なのだ。 【火吹き獣】の顔が君のほうを向く……その縦長の瞳からは、龍の血をたしかに感じる。 人間を毛ほども恐れていない。 ふと、そう思った。{/斜体} ***  火吹獣はゴーブの錬金術師が開発した、新たな【騎乗生物】であり、混沌の勢力と戦うために造られた、比較的新しいクリーチャーである。犬、馬、龍の血を混ぜて作成した混合生物であり、それぞれの特徴が混ざり合った外見をしている。ゴーブ地方の気候に合わせてやや寒冷地方に適した生態を持つが、温帯にも適応する。食性は雑食だが肉食に近い。  本データは、ゴーブ市が管理していた飼育施設から脱走し、野生化してしまった火吹き獣のものである。 --------------------------------------------------------------------------------- 〈ヒポグリフ(Hippogriff)〉 レベル:6  生命点:3  攻撃数:2  宝物:なし ≪反応表≫ 1-3【友好的】 4-6【ワイロ】(1d3+2個の食料 or 〈弱いクリーチャー〉1体)  これは【動物】【怪物】【騎乗生物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。  このクリーチャーは大きな両翼を広げて飛行しているので、飛び道具だと狙いやすい。そのため、飛び道具で攻撃する場合は、【攻撃ロール】に+1の修正が得られる。  〈ヒポグリフ〉を【騎乗生物】として運用する場合、それは「戦う従者(技量点2、生命点3、攻撃数2)」として扱われ、【斬撃】の攻撃特性を持つ。このクリーチャーは飛行能力を持っている。同行させるには、従者点を9点必要とする。  ただし、このクリーチャーは大きな両翼を広げて飛行しているので、飛び道具で狙われやすい。そのため、飛び道具で攻撃された場合は、【防御ロール】に-1の修正を受けてしまう。 ***  オスのグリフォンはメスのグリフォンと子どもをつくることもあるが、ときにメス馬を襲い妊娠させる。そのようにして産まれる子どもはヒポグリフと呼ばれ、ライオンではなく馬の下半身をもつ。性格はグリフォンよりも温和で、カラメールにはヒポグリフに騎乗する騎士が何人かいる。  ヒポグリフはグリフォンと違って人間に従順なうえ、強力な怪物である。彼らにとって残念なことに、ヒポグリフには繁殖能力がない。それゆえか南方都市カラメールではヒポグリフの子どもが高額で取引されている。 --------------------------------------------------------------------------------- 〈丸々獣(Roundly Pig)〉 出現数:1d3+1  レベル:5  宝物:なし ≪反応表≫ 1-3【友好的】 4-5【敵対的】 6【死ぬまで戦う】  これは【動物】【騎乗生物】に属するクリーチャーである。  このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。  〈丸々獣〉と遭遇したさいには、主人公で【器用ロール】を行うこと(目標値はクリーチャーのレベルに等しい)。  判定に成功したなら、普通に〈丸々獣〉と顔を合わせただけだ。攻撃を仕掛けるか、反応表を振るかは、自由に選んでよい。  判定に失敗したなら、〈丸々獣〉はパーティに「不意打ち」を仕掛けてくる。この場合、〈丸々獣〉の先攻で戦闘が開始されるため、反応表を振ることはできない。死角から襲われるため、戦闘の第1ラウンドに限り、各キャラクターは【防御ロール】に-1の修正を受けてしまう。  〈丸々獣〉は食べることに対して非常にどん欲であるため、どのような反応であっても、あるいはこちらから攻撃を仕掛けた場合でさえ、1個以上の食料を渡すと、夢中になって食べはじめる(2体以上いるときには、奪い合いながら)。  この場合、戦闘に勝利したものとして扱う。  〈丸々獣〉は非常にタフであるため、生命点にダメージを与える攻撃を行う場合、そのための【判定ロール】に-1の修正を受けてしまう。  〈丸々獣〉を【騎乗生物】として運用する場合、それは「戦う従者(技量点1、生命点1)」として扱われ、【打撃】の攻撃特性を持つ。同行させるには、従者点を1点必要とする。  戦闘の第1ラウンドに限り、奇襲を仕掛けることにより、主人公と騎乗している〈丸々獣〉の両者は、接近戦武器による攻撃に対して【攻撃ロール】に+1の修正を得る。この奇襲によるボーナスは、屋外の冒険でのみ適用される。  従者の〈丸々獣〉は非常にタフであり、各冒険につき1回だけ生命点に受けたダメージを無視することができる。 ***  かつては豚の仲間であった丸々獣は、小国ポロメイアの牧場主が品種改良の末に生んだ生き物である。牙があってどう猛な点は豚やイノシシと共通しているが、樹に登ることができる。自分よりも小さい生き物を樹上で待ち伏せして襲い、食べる。かつての親戚である豚やイノシシと異なり、植物だけでなく肉も食らうのだ。その姿は豚よりもかえってかわいらしく、人気がある。  ポロメイアの王族であるガゼルハイデン家は、丸々獣を騎乗生物として調教した。樹上から敵に襲いかかり、恵まれた体格と牙をもつ丸々獣は森林での戦闘に強く、丸々獣騎兵はその地の守護者として知られている。