「いったいどうすればこの迷宮から逃れられるんだ!」 G・マルシア ガルケス『迷宮の将軍』より。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ 『The Outfoxies』vol.6 『Belleville Rendez vous』 著:葉山海月 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■ #1  引きこもり、そしてすべてのダメ人間の「夢とロマン」をたっぷり詰め込んだ、「夢の島」。  その裏に、ひっそりと毛細血管のように広がる、八零一横丁。  ホルモン焼き。食堂(間違ってもファミレスではない)。居酒屋。  ドラム缶さえ使って、なんか炊き出しさえしているこの場所。  まさに食のごった煮。  この町のカースト最下層の食を支える強い味方。  もうちょっと金持ってる、国に食わせてもらっているヒキは、ハンバラ横丁。  さらに「ヒキオタ」を食いモンにしている勝ち犬は、こんな所には来ない。 「とりあえず口にして何か異常を引き起こさなかったらOK」  保健所とか公衆衛生って、どこの世界の言葉だ、と感じさせる八零一横丁の料理は、この町の「夢とロマン」を煮詰めすぎて、もう口にするのもはばかられるカオスだ。  ラーメンに、ケバブが乗っけられているのを見て、つくづく思う。 「というか、どうして私のラーメンに、チャーシューが入ってないの?」 「あれ? オマエ、『私、肉食べられないから』とか言っちゃうキャラ立て、してなかったっけ? そう言えよ。キャラが立つぜ」 「つまり、食べたのね。肉。あなたが」  奴の「おごり」と言う言葉を素直に信じた私がばかだった。卓球はつくづく思う。 「おい、いきなり未開人みたいな言葉使うなよ」 「」  卓球が、何か気の利いた言い返しを考えている最中に、彼は現れた。  卓球と、相棒の間を遮るように、倒れかかってきたのだ。  ぼうぼうに伸びた無精ひげと髪。  そして、背中にしょったバックパック。  これで、ラフな格好をしていれば、完全にバックパッカーなのだが、着ているものは、スーツ。  念のために、俺女の方にも「友達?」と聞いてみると、きっぱりと首を振る。  それじゃ。私たちは河岸を変えようとする。  そのとたん、彼の目が、まるでゾンビ映画に出てくるリビングデッドのように、カッと見開いた。  メシィィィ。  何かの執念のように、彼は叫ぶ。  さて。 ・こんな危なそうな奴は無視する。→4 ・袖すりあうも他生の縁。施す。→52 #2  で、遊んだね。  いや、やれることは全てやり尽くしたといっていい。  ホームレスに100万あげたり、試しに素手でホームレスを殺してみようとしたり。  誤算だったのは、ホームレスに逆襲されて、やっぴぃの命が終わったこと。  辞世の言葉は「まだまだやりたいことがあったのにぃ」だった。  That's Life! END #3  しかし、実際に彼の活躍をたどるとなると、結構な数になる。  一番町から七番町まで、スクロールして、なんとか当時の事を知る人、何かしら事件の痕跡を探そうとするが、半分も行かずに一週間経ってしまった。  流石にジローは切り出す。 「あのー。ごめんなさい。別のところをあたってみます」  それは「解雇通知」と同じ。 END #4  このようにして、事件は終わる。  いや、始まる胎動さえ無視されたのだから、始まっているとも言い難い!  南無! END   #5  ツイていたこと。  卓球の財布の中身と、良心に、まだそいつに恵んでやるだけの余裕があったこと。  もふもふと食すだけでなく、奴は食いながら話しかける。 「えーと。なんかこの街の名物というか、噂のヒトというか……」 「この町一番の噂のヒトっつったら、うちらだぜ。まぁ聞きたかない噂ばっかりなんで、耳に栓してるが」 「私も仲間に入れないで! 悪いのはコイツ」  ましろを指す卓球をよそに、奴は続ける。 「ヒーローというか、なんか知らない?」  この店特製の「納豆・ショウガ・タバスコいりコッテリ」に、「無料だからかけるだけかけたれ」とばかりに、コショウの山を築きながら、ましろは言った。 「あんたの言ってんのは、たぶん、ハートゲッターだよ」  ましろの右にいる卓球が首をかしげる。  説明いる? ・Yes→84 ・No→7 #6  ましろが案内してくれた店。  レンガ造りのアーチが、地下へのバーへと誘う。  開けてみると、静かにジャズが流れる、天井にファンが回る落ち着いたこぢんまりとしたバーだった。 「ちょっと! 私たち飲みに来たわけじゃないのよ?」 「知らなかった? 酒場って言うのは『飲む』ためにあるんだぜ。  こっちのゲストにはダイキリを……飲めるよな? え? バヤリースを! 俺にはボルドーの82年物。俺の相棒にはベレッタの1934年物、レアなやつね」 「ち、ちょっと!」  やがて飲み物が運ばれてくる。  ジローにはバヤリース、ましろには82年物。そして、卓球のところには、ごとりと冷ややかさを持つ鋼鉄の塊が二つ。 「こ、これ……」 「いい銃だろ。ベレッタM1934の最新型。  口径は9mmパラべラム。立派に対人用として役立つ。しかも、3点バースト付き。折り畳み式のフォアグリップとストックまでつけれるってぇ、結構なシロモノさね」 「それは『M93R』って言うのよ」 「気にすんなよ。同じシングルアクションでスライドのデザインが同じ。  M1934のバリエだ」 「それはあなたがそう思うだけ」  改めて、手の中に眠る二つの銃を見る。  一つはコンペセンターがついている。二つ目はバレルにガスポートが空いていて、特筆すべきは、普通サイズのM92Fに毛が生えた程度のコンパクトさを持っている」 「というかさー。M1934はいい銃だ。ただ、いかんせんオトコを感じねぇ。せめて俺の77マグに釣り合う銃を吊って欲しい、ってぇのが本心。そういや、卓球。オマエ今日誕生日だったなー。ハッピーバースディのプレゼントだ」 「全然違うけど」 「じゃ、クリスマスのサンタさんからのプレゼントだ」 「イブにかすりもしないけど」  巧みな曲線で構成されている、ベレッタのクラシカルモデルの面影の中に、凶暴な牙を秘めた彼らは、なんとなく気品のあふれる、重厚な鎧に身を包んだ騎士のイメージがする。 「ありがとう」 「おっ? 卓球先生、お礼言ってくれるの?」 「あんたと違ってバーバリアンじゃないから」 「感謝の気持ちは現金で」 イマイチ噛み合わない会話だが、二人は満足そうなのでいいか。  ジローはそう思った。 →71 #7  こっちを指さし、笑いながら、「ましろ」と呼ばれるその娘っ子は、言い放った。 「『ハートゲッター』は、10年前から、活動を停止してる」  そう。その通りだった。  10年前の、3月ごろ。  まだ、冬の余韻を残しているとき、彼は前触れもなく消えた。  まず、気づいたのは、町に異形の影が無くなったこと。  そして、そのことがゆっくりと町に染み渡るようになって、初めて「彼」がいなくなったことに気づいた。 「ひょっとしたら、この町に来たのは、『ハートゲッター』探しに来たわけ?」  無表情なままで、卓球と呼ばれた少女が聞く。  こっちは、理性的で、少しばかり優しいまなざし。  スレンダーな体に、身にフィットしたコスチューム。  そして、ジェントルなその態度。  話するのなら、こっちだろう。 「そうなんだ! 実は、この町来たのも初めてなんで、右も左もわからない。だけども、彼に対する情報は、なるべく集めたい。それが、自分の過去に近づく一番の方法かもしれない。よろしくー」 「よろしくー、ってあんた。まさかと思うけど、自分の過去を忘れたとか!?」  ましろが問う。彼は、臆面もなく胸をはって全肯定する。 「聞いたか!? ずいぶん都合のいいアタマしてんな? この分だったらここでのカリも一秒以内に忘れちまうだろうぜ」  しかし、卓球はましろの言葉を無視してはっきり答える。 「運がいいわね。あたしたちこの町一番の、観光案内人よ。あなたは?」 「俺の名はジロー。よろしく!」  とりあえず、泊まる場所のない彼に、ひそかに便利屋のスポンサーとなっている丸外温泉ホテルを紹介。  ついでに、やんごとなき方も、ひそかに愛用している、巨大温泉街アミューズメントパーク黄泉がえりも、推薦。  うさ耳メイドも、おまけのグリコのごとく、何気についてくるか? と思ったのだが、彼女は手をひらひらさせて答えた。 「そんなガセに貸す耳はございませんぜ。うさ耳だからっつってなめんな」  ましろと別行動をとりますか? ・Yes→43 ・No→31 #8  わかりやすい漫画の見本のように、ボコボコにされている煙のスキをぬって、卓球が彼を助け出す。 「ふぅ。イチチ! ひどい目にあった。って、あなた! あなた! ヒーロー、いやこの場合ヒロインかな!? 英雄になってみませんか?」  首をかしげる卓球に、男は一つの名刺を差し出す。  そこにデカデカと「ヒーロー愛好会(全国的)」  卓球の困惑は深まるばかりだ。 「いえ! マジなんです! ヒーローを愛する気持ちは、人一倍大きいはず。  今に全国的な組織になりますよ!  で、あんな修羅場に飛び込んでいけた勇気と、それを可能にした体術に惚れました。どうです? 我々のヒーローになっていただけます? ・面白いわね。それ。→35 ・一介の便利屋としては、荷が重すぎる。ごきげんよう→13 #9  さて、この時点で、あなたは昼間っから酒飲むとかして、リアルに酔っていますか? ・Yes→12 ・No→6 #10 (予想されるハートゲッターの現存数は0人。そう、もうとっくに彼はいなくなっているようです……。そこに10を足して10。  あるいは#37でのましろのセリフ。「10人に聞きゃ10人」と10を強調している)  パイプ椅子の人が歯抜けになり、そして、人もいなくなる。  主催者は、それを見て、ニヤリと笑う。  これで、真相に気づいたやつは、一人もいない……。  しかし、  「あの、すいません」  暗がりから声が。  見ると、白いタートルネックのようなインナーに、ポンチョのような白いコート。黒い髪黒い瞳。  石野卓球その人ではないか!  主催者は、露骨に眉をひそめた。  しかし、すぐに営業用スマイルに戻って、言う。 「あれあれ? ごめんなさい。先ほど申し上げた通り、本物を捕まえられなかった時点で終わり……」 「ええ、便利屋、自警団。さらには公安の網をかいくぐって、この町に存在できるのはほぼ不可能。  じゃあ、こう考えればいい。『最初からいなかった』って」  主催者の笑みが凍り付いた。 「それは、どういうことですかな?」 「あなたたちが、『ヒーロー活動』の一環として、『ハートゲッター』を『処分』しちゃったんじゃないかな? って話」  今度こそ、主催者は顔色を変えた。 「まず、あなたたちが活動を開始した日、つまり、駆け出しのヒーローとしてデビューした時期と、『ハートゲッター』が最終回を迎えた日とは、重なる。  その後、町を荒らす怪人たちもいなくなった。  ということはつまり『悪の秘密結社』は滅びた。  そう考えた方がつじつまが合う。  だけどね。実は、ヒーローの方が倒れて、怪人の方が勝ったとしたら?」  主催者の、道化のような笑みは、完全に消えている。  それどころか、酷薄な笑みに切り替わっている。 「へぇ。それでは、どうして、再び怪人たちは世界征服しないのかね? 善良な人に無法の限りをつくさないのかね?」 「それが割りにあわないから。  代わりに、あなたたちは、ビジネスを始めた。  自分たちの技術を、独占特許として売り始めた。  魔術ともいえる、欲望が鍛え上げた英知。  それは、我々の世界に、パラダイム・シフトを起こした。  例えば、私に仕込まれているサイバー技術・考えただけで実行してくれるアプリ。「肌で直接」受け取るインターフェイス・義体。  そんなものが、『手』を使わざるを得なかったスマホなんかを開発してる会社の、日々の地道な努力が実った、なんていうんじゃないでしょうね?   今や、KAIJINはサイバーテクノロジーの最先端として、日本の名産品よ。  つまり。あなたたちは、かつて悪行三昧をしていた悪の組織。  その全てを知っているハートゲッターの、口封じをしようとした。いかが?」 「なかなかいい線を行ってる」  主催者は、見たものを凍てつかせるような笑みで返す。 「その通り。我々も、ハナっから『世界征服』などというたわごとはわりに合わないと思っていた。  人々を心より共感させる『思想』がないと、愚民どもはついてこない。そして、実際にどのように支配後に人々を管理するのか。  その責任、社会システムを考えれば、ビジネスに乗り出した方が断然お得。  武闘派な幹部には、我々頭脳派、技術陣の崇高な理想は理解してもらえなかったが、幸いにも『ハートゲッター』が彼らを一層はぐぅっ!」  もう卓球は聞いちゃいなかった!  両掌に飛び出してくる優雅な牙、M1934。  卓球は容赦しなかった。  立て続けに起きる発砲。  散らばる薬莢。  その反動を受ける肩甲骨。  湧き上がる硝煙。  さながらそれらの発砲が、まるで彼女の肩から、天使の羽が覗くようなエフェクトを見せる。  しかし、血まみれになりながらも、奴は立ち上がる。 「無駄無駄無駄無駄ぁぁぁっ! この体にも、ちょいと仕掛けをして、サイコーにご機嫌にしてあるんだ。そんな豆鉄砲ぐふぅ!」  卓球は聞いちゃいなかった。  M93R改を持ってきているだろうか? ・Yes→47 ・No→19   #11  そんな事を思い始めた矢先に、「あれ」と再会した。 「ましろ君! 緊急事態だ! 今から出れるかね?」  いきなりケータイにかかってきた電話。  それは、紛れもなく、ディーティーだった。 「コノ電話は現在使われておりません。ピーと鳴ったらメッセージを……」 「ましろ君! フザケている暇はないんだよ! この電話ましろ君のだろ!?」 「ふざけたウサ耳の女ならここにいねぇ。いるのはまっとうに生きなおそうとしている手遅れな女だけだ」 「なんでもいい! 奴がまたテロを起こそうとした!  今度は、ミケ通りの『メイドイズム』で、今度は、混ぜるな危険の洗剤を使って、二つのポリ袋混ぜようとしたところを通報され、現在人質を取っている! 逃走用の車を要求している!」 「ふーん。結構遠いぜ。俺が見物に行っても、死体が転がってるのしか見れねぇかもしれねぇぜ!」 「こういう荒事には、一番なれているのが君だ! 無理は承知で急いで来てくれ!」  俺は、やれやれと肩をすくめた。 「そこから俺の端末に、現場の画像が送れるか?」  逃げたメイド、やじうま、そして手が出せない警官の群れに囲まれて、奴……犯人は、非常にいい気分だった。  これだ! この高揚感だ!  彼は、子どもの頃から、友達がイナイ。いや、その根本の友情、いや、肉親の愛情すら「わからない」  いや、彼の周りを取り囲む全ての事象は、風のように通り過ぎるもの。  大学受験を控えた高校になっても、どうして大学へ行くのかわからない。というか、自分さえ分かっていないのに、進路を決めるなんて、まるで現実とは思えない。  そう、何をしても「生きている充実感」を味わえない。  そんな空虚としか言い様がない世界に囲まれて、このまま生きていくのか?  しかし、その牢獄から救ってくれたものがいた。 「呪いのビデオ」だ。  見たら24時間以内に「死ぬ」  これは皮肉なことに、彼を真剣に「生きている」ことに向かわさせた。  だって、タイムリミットが来たら「世界がなくなる」どころか、「そう感じる僕もなくなる」  これは「進路」より、就職やら結婚やら、「人生プラン」が霞んでしまうほど重大なことで、何よりもまずはじめに克服すべきことだったのだ!  しかし、ネットをあさっても断片的な情報ばかり。実際に人の中へ出て行って調査する行動力がない彼は、最後の一時間で詰んだ。  しかたなく、町を歩く。  と、ホームレスの人から、煙草を一本ねだられた。  幸か不幸か、彼には身分不相応に煙草を吸う癖があった。  彼の差し出した一本の煙草をうまそうに吸う。  彼は、ホームレスにライターを出しながら言った。 「これで十回連続で点火に成功したら、煙草ひと箱進呈しましょう」  奴は、嬉しそうにライターのフリントを回す。  奇妙な緊張感が漂う中、彼は成功した! 「やった! やったぞ!」  ホームレスが喜ぶ中、彼は煙草を差し出した。  しばらく紫煙をくゆらせるホームレス。  と、彼は言った。「煙草はさしあげると言いましたが、勝者は死なず、とは言ってませんよね」、  怪訝な顔をするホームレス。そしてその頭が爆発した。  彼はこういうヤバイ事が好きで、その手の装置を作っていたのだが、あくまで空想の一線を超えることは無かった。  しかし、この度、めでたくそれを超えた。  いつの間にか、タイムリミットは過ぎていた。  そのとき、電撃的に思いついた。 「呪いというものが、人に害悪を与える。人の命を奪うものなら、自分が呪いになればいい!  おそらく、それだけがこの呪いから解放される唯一の方法なのだ!」  夜なのに、急に世界がバラ色に輝いて見えた。  急にいい香り、町の喧騒でさえ、天に続くファンファーレに聞こえる。  しかも、それで思い出した。今日は僕の誕生日だ!  人質のメイドにナイフを突きつけ、その柔らかく温かい体を嗅ぎながら、彼はその自分の第二の誕生を思い出していた。  やがて、車が来る。  メイドに、そのドアレバーを開けさせながら、考える。  美少女と車と来れば……。  彼の頭と股間が天国になった。  次の瞬間、彼の頭と股間が大爆発した。  遅れて、遠くから銃声が響いた。 「そういうことはな、せめて自分のパパとママをファックしてからやれ」  俺の勤めている店があるビルの屋上にて。  レイバンのサングラスをおろしながら、ひとりごちる。  実はこの色眼鏡には細工がしてある。銃口に狙いに応じた擬似レティクルが現場のターゲットを移す仕掛けになってる。  ヴァーチャルスコープ、ってわけ。  レイルにバイポッド、グリップにストックをつけたパイソン77マグナム・キラーチューンカスタムから空薬莢を抜く。  77マグナムの恐るべき威力は、このような長距離の狙撃にも耐えられること。  伊達に「持ち歩けるアンチマテリアルライフル」の異名は取っていない。  もともと、ハンドガンそれそのものの命中精度は、バレルが長かろうが短かろうがかわりないそうだ。  ディーティーが用意してくれたライブビデオ。あとはこっちのアプリでの狙撃状況がわかれば、犯人のドタマとタマを打ち抜くのはたやすいことだ。  俺はパイソンに軽く口づけ。  以上が今回の結末。  マスコミやらネットニュースやらでは、やれ引きこもりの孤独な心理がとか、なんにでも無関心な若者の無軌道が、とか言ってるけど、誰ひとり真相を話してるやつなんかいねぇ。  いたらそれはそれで都会の人間砂漠が生み出した幻想とかいう紋切り型のまとめに無理やり入れるに違いない。  だから、俺も真相を喋らない。  Fin (BGM 電気グルーヴ『スコーピオン』) #12 「ここはましろに任せろ!」というましろに主導権を渡したのが悪かった。  ゲイバー「あにょうん」を始め、ひたすら夜の歓楽スポットで、金と体力を陥落する羽目に。  特に、最後の店で出されたサムシングは、何かヤバい物でも混入していたのか、見事に前後不覚になる!  ジローが見るに見かねて声をかけたので起きる。  みると、なぜか卓球とましろは手錠でつながれているではないか!? 「ち、ちょっと! 私はそんな趣味はないわよ」 「俺もさ。鍵はよ!?」 「持ってるわけないでしょ!?  みると、酔っぱらいが今にも吐きそうな顔で立っている。 ・ジローに路地を探させる。→60 ・酔っ払いに声をかけてみる。→83 ・ジローに助けを呼ばせる。→14 #13 「じゃ、『ハートゲッター探し』にチャレンジしてみないか?」  奴は言った。 「ハートゲッター探し?」  奴はしたり顔で頷く。 「そう。実は邪魔さえ入らなければ、これをやろうと思ってたんだよ」  いいながら渡すビラには、マッチョが眩しいピッチリタイツのヒーローに『真のハートゲッターを探そう!』という文句が!  優勝賞金は……100万ンンン? 「もちろん、この後でこのイベントを告知するつもりだ。この街全員がライバル! はたして君は捕まえられるかな?」  これって「渡りの船」?  早速、祭りに繰り出すのだが……。 →54 #14  ジローは行ってしまったきり、戻ってこない。  そのうちにポリが来て確保されてしまう。  依頼人もいなくなってしまった。  ああ、ましろたちの運命はいかに!? (葉山先生の次回作にご期待下さい) END #15  俺は煙草に火を付け、懐から小銭を出し、煙草とともにそいつを投げつけた! 「アチっ! おい! これ足しても1000円にならないじゃねぇか!」 「ジンバブエドルじゃ100万になるんじゃねぇかな? それとも、ナマリのチップまでつけようか? 呪いから逃れたのに、残念だな」  パイソンを突きつけたとたん、奴は「ぴゃっ!」とか行って消える。 「ましろ! せっかく教えてくれた人にっ!」  やっぴぃが叫んだ。  せっかくの煙草がダメになったことを呪いつつ、新しく一本くわえる。 「さんをつけろよワキガ野郎! それになぁ。あの方法だと、24時間以内再びビデオ見なきゃならねぇけど、考えてみろ。人間、正確に機械のように24時間正確に測って見れるもんなのか?  どうしたって未満になっちまう。  積み重ねていきゃ、いつかはどんどんタイムリミットのスパンが短くなっちまわぁ」 「だ、だけど、現に生きてる……」 「偽物をつかまされたんだよ! 現にビデオ屋でも動画サイトでも『ほんとにあった呪いのビデオ』って、それこそ掃いて捨てるほどある!  そんなんにいちいち呪われてちゃ、いくら命あっても足りねぇだろが!  あるいは奴が嘘をついてるか、だよ!」 「そんなぁ!」  心底がっくりくるやっぴぃ。 「ありえない可能性を取り除いて行って、残った事実だけが、どんなに信じ難くても真実なのだよ。ワトソン君。つまりな、てめーの見たビデオもニセモンのパチもんというだけ」  まぁ、こういう形で幕を迎える。  大円団だからいいじゃんよ。  そんじゃEND! っつーことで。  だけど、 ・壁61区にて、なんか金目のものを探したっけ?  ならば、→88 ・そんなゲスなことはしてないって?  ならば、→89 #16  時間が時間だ。  これ以上やっても、なんか堂々巡りの迷宮になりそうな気がする。  とにかく一泊休むか。 →71 #17  運試しをしよう。 ・ゴミ箱にゴミを投げ入れ、うまく入ったら。→44 ・失敗した、あるいはそもそもゴミもゴミ箱もないなら。→42 #18  早速、「呪いを解く方法」を知る奴のもとへ!  ところで、彼に会うのは ・始めて。→82 ・リトライなどをしてこれで二回目。→65 ・三回目以上!→82 #19  軽く指を鳴らす。  「精密射撃はニガテ」という割に、まったく「ましろ」の腕は見事なもんだった。  チェイタックM200。  アンチマテリアルライフルの弾は、奴のアタマをスイカのように割るのに、何の苦労も無かった。  しかし、頭吹き飛ばされても、彼は立ち上がる。  「無駄無駄無駄無駄ぁぁぁっ! この体にも、ちょいと仕掛けをして、サイコーにご機嫌にしてあるんだ。そんな豆鉄効かぬ!」  卓球は聞いちゃいなかった。  ましろ! 端末に第二波を促す。  しかし、帰ってきたのは、沈黙。  卓球は、逃げたましろへの怒りを込め、携帯端末をその場ポイ捨て。  踏みにじる。  そして聞いた。 「じゃあ、大好きなビジネスのお話をしましょう。一億で、どう? もちろん、私は沈黙を守る」  主催者は、容赦なく大笑いしながらいった。 「よかった。お前が虫唾の走る下種ちゃんで。おかげでこっちも、オマエを良心の呵責なく殺せる!」 「そっくりそのままかえすぜ」  声のした方を向く。  偶然か? スポットを支えていた金具がハズれ、彼を照らし出す。  そこにりりしく立つ姿は。 「かまさにゃ! しかるべき一発うっっっっっっっうううう!」  ジローだった。 「ごめん! 今までド忘れ……。いや記憶喪失だったけど、君たちの捜査で思い出した!」  彼が、腰を、トラボルタかジェームズ・ブラウン並みに振った。  そしてそれは、全身を包み込むグルーヴとなり、彼は踊るように天を指すポーズをびしっと決めた!  そのとたん、彼の細胞一つ一つがクーデターを起こし、彼が光に包まれる。 「ハートゲッター。参上!」  やっと主催者にも、ことの重大さが分かったようだ!  「エイティィィィィィンンンンズ! フィーバーボンブァァァァァ!」  奴が空中高く飛び上がり、奴の足が、空気との摩擦で真っ赤に燃え上がる。  そして、尻を突き出す!  尻。それは拳よりも足よりも、なによりも「圧殺面積」が違う。  夕陽よりも黄金に燃えるみっちりとした野郎の尻!  KABOOOOMMMM!  悪の残党は圧殺爆死! ナムサン!  すごいや。ヒーローはやっぱりいたのね!  去る前に、ちらりと作った指でのハートサインに、思わず顔を赤らめる卓球なのであった。    Fin side.T (BGM 電気グルーヴ『タランチュラ』) #20  さて、突然ですが、このゲームブック。祝福されています。  読んだら一日目で、福音により天国へ召されます。  それを回避するためには、聖なる力のために一日一回このゲームブックを読まないといけません。  さもなければ、本シリーズ有料化熱望! というお便りをバンバン送ってください。  葉山海月でした。 END #21  思ったとおり、隣室に泊まっていたましろは渋い顔していた。  というのが、ましろの手に手錠がついていて、その先にはペットの柵がくくり付けられている。 「なかなかおもろいこと、してくれちゃってるじゃねぇのよ」  卓球は返す。 「いくらなんでも、ベッドを叩き壊したりしたら、私も気づくだろうと思って……。  一緒に仕事してくれるかな?」 「ダメともー。とは言えねぇな」  ましろが差し出す手錠を外す。 →32 #22  目に飛び込んできたのは、駄菓子屋のくじ。  ひもの先に景品がついている奴だ。  特等は呪いを解く方法!? ・やってみよう。→77 ・ほかになんか確実な方法はないだろうか?→69 #23  で、会ったことは会ったよ。  相手が「金の方が先だ」って言いはるから、やっぴぃが俺の腰から勝手にパイソンを抜いて突きつけた! 「ぴゃっ!」とかおたけんで逃げる奴に、やっぴぃは発砲!  幸い、けが人も死体も出なかったことをいいことに、フリンチング起こしているやっぴぃから「これ、持ってたらケーサツ来た時に厄介だぜ」とパイソンを取り上げ、さっさと帰りましたとさ。  その後、やっぴぃとは会ってねぇな。   END #24  ジローはきっぱりと「ノン!」と言い放つ。  堂々巡りの問答をしているうちに、警察が来て確保されましたとさ。   END #25  それきりジローとは会っていない。  というか、俺の方がこのバイトが忙しくなり、と、なるとこっちも本腰を入れ、ひょっとすると本採用!? なところまでがんばっちゃったのだ。  となると、しばらく便利屋家業はお休み、っつーか、今までフラフラ生きていたんだ。この辺で神様が「心を入れ替えてまっとうな職に付け」って言っんのかもしれない。  というわけで、「ましろ真人間に戻ってカーチャンが感涙にむせぶ」編でしたー。  どっとはらい END  もしも再プレイなどで、呪いを止める真の方法を教わったなら→11へ #26 「つーつーつー。この電話は現在使われておりません。とかいってみちゃったりしてオジさん!」 「冗談は止めて。あんたハートゲッターについて何かつかんだ?」 「いんや。さっぱり。ここら辺で合同捜査に切り替えないか? バイト首になって暇が出来た」  卓球サイドでお話を続けるなら、ましろをここで仲間に加えてもいいです。しかし、彼女の介入で話がめちゃくちゃになる、と思われる方は、彼女を外したまま捜査に戻ってもいいです。 ・卓球サイドのお話を続けるなら。→59 ・ましろサイドの話を続けるなら。→22 #27  あーあ、結局読んじゃったか。  ということは時は動き、アナタのタイムリミットも……   True End #28  アイテムに「手錠」がありますか? ・Yes→21 ・No→57 #29  注文を取りに行ったら、「ましろ君。聞いてくれたまえ。福引券あげるから」とかのたまうじゃんか? ・仕方ねぇ。聞いてやろうじゃん。→58 ・こいつの話聞くなら店やめたほうがまし。→55 #30  彼が見ていたポスター。  そこには、こうあった。 「黄泉がえり温泉広場で、俺と握手!」  手を差し出しているのは、「ハートゲッター」。  いつも、年寄り、子ども、そして無職中年がぶらぶらしている公園。  その運動場に、投げやりにパイプ椅子が並んでいる。  そして、木枠にブルーシートがかけられただけの簡素な舞台。  だけど、それなりに客が集まっているのがすごい!  やがて、壇上に一人の漢が飛び出して来た! 「ハートゲッター」最大の特徴である、はっきりと体の凹凸が、いや股間部分さえはっきりとわかるレオタード!  パンティ、いや、ブリーフを想起させる覆面。  しかし、そこからは手入れされていない無精ひげが覗き、しかも、体系がメタボ!  ハートゲッター最大の売りは、盛り上がった筋肉に、露出している目だけでもわかる精悍なマスク!  こいつも「出るとこは出ている」が、意味が違う! 「待たせたな! ハートっ!ゲッターァァァァン! 参上うっっっ!」  ニセモンだ!  立ち上がる激高したおっきなお兄さん。  会場は惨状に。 ・彼を助ける。→8 ・面白いからほっとく。→86 #31 「俺、バイトあるんだけど」  ぶつぶつ抜かすましろには、今までの貸しを、ズバリ書いた一覧を見せつけてやると黙りこむ。  さて、どうしよう。  卓球は小首をかしげた。  もう夕方近い。  今の装備は、愛用の操り人形型端末と、ベレッタM1934、2丁しかない。  M1934の、38ショートの8連というのは、いくら二丁拳銃とはいえ、はなはだこころもとない。  しかも、とうに一世紀超えている骨董品なのだから。 ・本格的な捜査は明日にして、今日は安息日にしよう。→16 ・なんとかなるでしょ。今までなんとかしてきたんだから。捜査を今すぐ始める。→34 #32  抜けるような春空。  朝の日で洗濯された空気が暖かい。  温泉ホテル「黄泉がえり」のエントランスも、早朝で人はまばらというのに、やはりどことなく気持ちいい。  どこかから流れてくるラジオ体操の曲。  太極拳をしている老人とか小学生。  そんなものを抜け、ホテルのロビーにあいさつしようとすると、もうすでにジローは出ていた。  ネット上での収穫が無かったのは残念だけど、きっと地道に聞き込みすれば……。  さて、どうしようか? ・(ましろと一緒じゃないなら)ましろに電話をかける。→26 ・とりあえず、ハートゲッターが出現した場所を聖地巡礼してみる。→59 #33 「で、その呪いを解く方法を知りたい、ってぇのか?」 「そう、これから行くところ、その方法を知ってる、んだそうな。  ただし、百万ボるけど!」  俺は目の色を変える。 「んじゃ何か!? 俺に金貸せ! っつーのか? このビンボのギネス記録に挑戦しつつあるようなこの俺にか!?」 「何もそこまで言ってない! ただ、なんかいい方法知ってるんじゃないかな、って」 「あのなー。人をなんでも屋みたいに……」 「なんでも屋じゃなかったの!?」  驚くやっぴぃをよそに、俺は続ける。 「しっかし、もう夜遅いぜ。銀行襲おうにももう閉まってらぁな。どうよ、この辺で今日はお開きにしねえか?」  やっぴぃは、まっ青になりながら怒鳴った。 「ボキの! 人の命をなんだと思ってるんだ! ウサギ怪人!」 「だから休むんだよ。煮詰まっててもいい案出ねぇぜ」 ・「しゃーねーなー。ネットだけでも検索してやっか」→72 ・あるいは、メモを持っているだろうか?  ならばその数字へジャンプ! #34 「これから聞き込みぃ!?  ならば、俺の知ってるところへ行ってみね?」  なるほど、この街の「夜」のことは、ましろの方が詳しそう。  ましろの話に ・乗る→9 ・乗らない→39 #35  そして、卓球は便利屋の名簿から姿を消した。  ただ、厄介なのが、「便利屋」というのは、基本「抜け忍禁止」  仕事柄、この世界の裏のこと。あまりにも厄介な事を知りすぎている。  そして、その始末に、「唯一歯が立つ」かもしれない俺(実は代わりはたくさんいる消耗品だからかもしれねぇ)……つまりウサ耳怪人なこの俺に白羽の矢が立った。  そして、俺は「悪いことはしてねぇ」主義だけど、なにせ職業が「なんでも請け負う」便利屋。  おおっぴらにお天道様の下を歩ける職業じゃねぇ。   奴らは滅ぼすべき存在、と認定されたのだ。  ……こんな形で、決着を付けるたぁね……  目に入るのは、額から流れる血か、汗か。  本当に、いい腕してやがる。  俺の利き腕にあいた風穴。それは第二の心臓のようにトクトク叫ぶ!  俺のパイソンを握る手に汗が。  暗い地下道! 俺の照準だけが、震えるウサギの心臓とは別の機械のように正確にドたまに狙いをつけた。  卓球の、M93R改も、磁石に吸い付けられるようにそれにならった。  銃声……死を告げる黒い鳥の声は、一発のみ。 DEAD END #36 「じゃあ、俺は別行動させていただきたくソウろー!」  頬をふくらませたましろが言う。 「どこへ行くの?」 「言ったろ。バイトだって。俺にしちゃ珍しく、無遅刻無欠勤。ここまで模範的な店員やれているんだ」  ましろはあっけなく、手を振りながら夜の闇に消えていく。 →49 #37 「あーあ。こりゃヒーローさん。本当にいるかどうかわかんねぇなぁ。10人に聞きゃ10人がそう答える。って、俺、忙しいから切るぜ!」  一方的に通話は切られる。 →67 #38 「オレオレ。俺だけど100万円貸して」 「新たにオレオレ詐欺に進出? そこまで落ちたの?」 「呪いを解くために必要なんだよ」 「そこまで言うなら、ちょっと街へ出て気分転換してみたら? 百万どころか一千万ゲットできるかもよ」 ・卓球サイドのお話を続けるなら。→54 ・ましろサイドの話を続けるなら。→78 #39  しかし、聞き込みで聞けることはそう多くない。  これといったはかばかしい情報も得られずに、町をさまよう。 「なぁ、夜も更けてきたし、ここまで無駄足すンのなら、ちょっと来てもらいてぇとこがアンだが……」  ましろの提案に乗りますか? ・Yes→6 ・No→36 #40  ジローは、指一本立てる。 「なんだぁ! ピースサインにしちゃ、一本たりねぇ」 「諭吉が一つ足りないんですよ」  仕方なく、ましろが懐から財布を出すと、ジローはみはからったように、ピースサインをした。  仕方なく、卓球も万札を払い、ゲロの中の鍵を拾ってもらう。 「おい! ゲロまみれじゃねぇか!」 「ゲロを拭き取る料金は頂いておりません」  仕方なく、ましろがそれを袖で拭き取ると、鍵は見事に合う!  卓球が「手錠は持っとけば?」(もちろん嫌がらせで)というので持っていく。  (アイテム「手錠」入手) →16 #41  こいつが卓球とペアリングしてる、つんつるてん気味な衣装と、頭から生えているうさ耳カチューシャ(カチューシャだよね? やたらリアルだけど?)が絶望的に似合っていない女だ。  「萌え」を前面に押し出すというよりか、ハートゲッターに倒されるような女怪人か女幹部の雰囲気がある。  そりゃ、出るとこは出て、引っ込むところは引っ込んでいるボディライン。メイド服何ぞで隠してもわかる、搾り上げられた鞭のようなカラダ。  意思の強そうな眉と、釣り目は、リアルで肉食系を予想させるんだけど、残念ながら目つきがダメ。  凶暴そうな三白眼、そして、こっちむけて笑ったときに覗いたすきっ歯!  萎える。なえまするよ! これは! 「何? なんでそんな目をしてんの? アメちゃんあげよか?」  ましろはいつの間にかくわえた棒付きアメを差し出す。  さて、 ・このまま悪口合戦へ移行する。→53 ・話をもとに戻す。→7 #42  卓球は躊躇なく、M1934を構える。  小口径とは言え、耳をつんざく破裂音。  横をかすめ飛ぶ薬莢の嵐。  しかし、自販機はその猛攻にギリギリで耐えた!  ハートゲッターが自販機を踏んで跳躍!  その勢いで、缶がドバっと放出!  それに足を取られて、転びそうになる卓球をジローが支える!  「大丈夫ですか?」  「ありがとう」  しかし、その時にはハートゲッターはいなくなっている。 ・ましろに連絡をとってみますか?→37 ・やめておくなら。→67 #43  ましろと別行動になるか……。  ましろはマヌケちゃんだけど、その行動力と反射神経がもたらす恩恵はでかい。  まぁ、おなかがすいたら、こっちつくでしょ。  それよりも、少しでも「ハートゲッター」について知っておきたい。  しかし、彼の十年前の事件は、寄せ集めで何とか事件やら怪人はわかるんだけど、ここ数年来の事件は、ひどくあやふや。  載っているのはテキストばかり。具体的な写真も、ましてや出所もわからない。 「仕方ないわね……」  卓球がぼやく。  しかし、逆に、手掛かりが少なければ少ないほど、萌える。もとい燃える。  だから、私は、こんな稼業を、ン十年以上勤めているんじゃない。  卓球は噛み締めるように思う。 →16 #44  卓球は躊躇なく、M1934を構える。  小口径とは言え、耳をつんざく破裂音。  横をかすめ飛ぶ薬莢の嵐。  その猛攻に耐え切れず、ついにショートした自販機から、カンの滝が吐き出される。  地面いっぱいに広がるカン。  そして。予定通り「ハートゲッター」はそこに着地。  見事に足を滑らせる……。はずだった。 →64 #45  卓球は躊躇なく、右手にM1934。左手にM84を構える。  小口径とは言え、耳をつんざく破裂音。  横をかすめ飛ぶ薬莢の嵐。  その猛攻に耐え切れず、ついにショートした自販機から、カンの滝が吐き出される。  地面いっぱいに広がるカン。  そして。予定通り「ハートゲッター」はそこに着地。  見事に足を滑らせる……。はずだった。 →64 #46  卓球は躊躇なく、M93R改を構える。  小口径とは言え、耳をつんざく破裂音。  横をかすめ飛ぶ薬莢の嵐。  その猛攻に耐え切れず、ついにショートした自販機から、カンの滝が吐き出される。  地面いっぱいに広がるカン。  そして。予定通り「ハートゲッター」はそこに着地。  見事に足を滑らせる……。はずだった。 →64 #47  M1934が電光石火で収められると、魔法のように出てきたのは優雅なマシンピストル、M93R改!  3バーストにしても、片手で制御するのは不可能! と言わしめる激しい反動。しかし、卓球は巧みに反動を受け流す、流し撃ちをしながら、首! 心臓! 頭! つぎつぎ急所に熱い弾が吸い込まれていく!  たちまち薬莢と火花の大会が!  そしたら、奴、大爆発しやがったじゃないか。  慌てて顔を守る卓球。  ガードを解くと……やつは姿を消していた。  少なくとも9パラでカタがつくやつだと思わないけど……  これで大円団、なのかな?  その頃ジローは、拳を握り締め、「奴」と対峙せんとしていた。  世界の命運をかけた最終決戦に望むために。 GOOD END? #48  と、なると、やることが無くなった。  いや「なくなったこと」にさせてくれ。外はもう暗いし、俺は噛み潰されて吐き捨てられたガムのように疲れている。  折れ曲がった煙草を口に、やさに帰る→81 #49  というわけで、ここからは俺のターン、じゃねぇ。  このましろさまの話になる。  ましろのましろによるましろだけの話だ。  悪ぃが、付き合いきれないと思うんなら、#39のパラグラフに戻って卓球の話を続けるんだ。  あるいは、さっさとモニターをそっと閉じるのが、俺にとってもあんたにとっても一番いい手段かもよ!?  まぁ。  5つ数えるうちにさっさと決めてくれ。  1    2  3  4  5  まだ読んでる、ってこたぁ。ましろルートを選んでくれたってこったな?  さんきゅ! じゃ、話を続けよう!  激安なのだけがウリの、近所の「メイド」中華大衆食堂。  そこでバイトしてたら、なんか、えらそうな客が、えらそうに言うんですよ。 「メイド! こんなもの生ガキじゃない! 店長を呼べ」  俺は言い返した。 「店長もそんなもん食えないと思いまっせ。つーか、この店知ってる奴なら、火ぃ入れたものしか食わねえぜ」  よく見りゃディーティじゃんよ。  俺は…… ・行って注文を取る。→29 ・ほかのテーブルを清掃。→74 ・ゲンが悪い。この店をやめる。→55 #50  ましろが漏らした。 「なぁ、いつまで、こんなことちまちまやってンの?  ちっとも前へ進まねぇじゃん。年が変わっちまうぜ」  ましろは頭ボリボリかきながらいう。 「もっと、スッキリシャッキリカタが付く方法考えようぜ」 「どんな?」  ましろが真っ先に向かったところは、「ここで手に入らないものがあるとすれば、女だけ」という有頂天なディスカウントショップ。  そして、買い込んだのは、こちらが顔が赤くなるような全身タイツ、そしてお面、発泡スチロール・プラスティックの板。そして、梱包用に分けられるダンボール箱もろもろ。 「何をする気?」 「日本人と中国人が、『青いキリン』を捕まえたら一億出そうって大金持ちに言われた。日本人はDNAを何年も研究して、遺伝子操作で青いキリンを作った」 「で?」  眉をひそめる卓球に、ましろはさらに続けた。 「中国人は、青いペンキを買いに行った」 「話が見えない」 「それを、俺たちは地でやろう、ってわけ」  つづけて、やつは、「臭いイケメン」やっぴぃを呼んだ。    数時間後。  どこでもいい空き地にて、果たして「ハートゲッター」は誕生していた。 「どうだ! どう考えても、ダンボール製には見えないだろ」  確かに、かなり芸細な装飾、そして塗装で、パッと見には強化ファイバーに見える。 「やっぴぃ。やっぱりこういうことうまいな!」  ましろが、心底感嘆したように言う。 「全方位型興味アリユーチューバーをなめんな! ってとこですかねー」  バシッ! と決めポーズを決めながら叫ぶやっぴぃ。 「さて、ジローも無事ハードにゲットする方になったし、いざ、奴を本物として首を持ってく、もとい、話をでっち上げますかねー」  しかし、会場を埋め尽くすジロー、いやハートゲッター。 「……みんな、考えることは同じね」  あきれてぼやく卓球! 「ま、この選手権、なんとか一位をゲットするさ。なぁ! ジロー」 「あ、ボク、ジローじゃありませんけど」  見ると、何か、吹けば飛ぶよなヒョロガリ君のハートゲッターがそこに存在するではないか!   じゃ、肝心の、ジ・ジローは!?  慌てふためくましろ。しかし、名もなきハートゲッターのマスクをはがしたことから、大騒動!  ついには警備員に取り押さえられ、退場。  ましろとして冒険に参加していたアナタ。  ましろとしばしの別れ→67 #51  眠るのはパートタイムの死とはいうけど、起きてみたら「生き返った」ように全身に精力がみなぎっている。空も青く、やっぱり朝はいい!  今、「キー」となる100万持っているだろうか? ・持っているなら「答え」を知るやつのところへ行こう。→18 ・持ってなければ、商店街にも繰り出して、100万の種でも探そう。→22 ・あるいは、卓球に連絡するか?→63 #52  今懐が温かい(物理的な意味も含め)だろうか? ・Yes→5 ・No→62 #53 「あのさー。いっつも思ってるんだけど、あんたバカァ?」 「バカって言ってる奴がバカデうす! あっ! わかったぞ! お前のカーチャンでべそだろう?」 「でべそって何よ。何? そのガキの文句!?」 「でべそじゃないんかい? ならば豊胸手術でもしたんかい?」 「してないわよ!」 「だったら整形?」  卓球は黙って銃を向けた。  ましろも同時に、巨砲を向けた。  白昼に鳴り響く銃声は、ほとんどひとつに聞こえて、そして「奢られた漢」が倒れている END #54  投げ捨てられたカン。そしてアルコールのにおい。  一瞬頭がクラリと来たのは、去年の祭りのことを思い出したから。  ああ! この手のバカ騒ぎは、バカのましろに任せるべきなのに。  四六時中、この町のすべての者を敵に回して、逃げ切った「鬼」の顔を思い浮かべる。 「うぁ、石野さんでも、そんな微妙なツラするんですね」 「ケンカ売ってるの?」  キッと、ジローをにらむ卓球。  ジローは慌てて、顔の前で両手を思いっきり振る。 「違います! 他意はないんです!」 「よかったわね。あたしがあの極悪バニガじゃなくって」  ため息をつきつつ、卓球は肩をすくめる。  ジローも肩をなでおろした。  最悪なことに、裏路地にあった自販機には、卓球・ジローが大嫌いな「甘い系」の飲み物が並ぶ。  さらに、最悪なことは、100円玉飲まれたこと。 「お金、足りなかったかな?」  さらに20円追加した自販機に、気合一閃!  卓球の手がうなった! 「私は泥棒」そう墨で激筆された張り紙をくらった自販機は、体内のジュースというジュースを吐き出し始める。 「よかったわね。よりどりみどりよ」  目を白黒させるジローに、ポカリを差し出す。 「あの、考えたんですけど、石野さん」  小首をかしげる卓球に、ジローは提案する。 「結局、あいつらも『ハートゲッター』追ってるんですよね。だったら、有能そうな一団の、後をつけたら……」 「いい質問ね。だけど、その『鼻のいい猟犬』を、どうやって野良犬の中から見つけ出すの?」  言葉に詰まるジロー。  さて、今ましろがともに行動しているだろうか? ・Yes→50 ・No→56 #55  というわけで、その足でお店やめちゃいました!  つーと、これから暇になるけど……。  どっする?  と、思ってたら電話が!  声の主は「やっぴぃ」その人だった。  俺は ・衝動的に電話を切る。→48 ・話だけはきいてやっか。→66 #56  その時、唐突に、空をよぎる影が!  青空をバックに、「飛翔」するシルエットが、二人の目に焼き付く。  それは、誰あろう「ハートゲッター」だった。  大空を舞う。  飛翔、に見間違えるほどの大跳躍!  まさに「ビルなんか一っ飛び」  重力のくびきから解き放たれているようなジャンプ!  卓球は、これに追い付けるすべはあるのか?  しかし、卓球は、慌てずに懐から「人形」を取り出す。  そして、それを奴が飛んで行った方へ放つ!  人形は、電柱にしがみつき、そして、高分子ワイヤーの操り糸が、巻き取られ、収縮!  卓球はそれを受けて、跳躍した。  空中を踊る影が四つ。  一つは、マリオもかくやという大跳躍を繰り返す「ハートゲッター」。  それを追う二つの小さな影。  卓球の人形。  彼らは建物のパイプ・欄干。手がかりになりそうなところすべてにしがみつき、卓球を空中へ誘う。  跳躍と奇妙な空中ブランコの追いかけっこ。  そして、卓球は、ついに彼の先手を打って、奴の着地予定場所に降り立つ。  そこには、自販機がある。 ・持っている銃は、M1934のみだろうか?→17 ・また、サイドウェポンとして、M84改を持ってきているだろうか?→45 ・あるいはM93R改だろうか?→46 #57  隣の部屋のドアをノックする。  しかし、いくら叩いても出てこない。  悪い予感がして、フロントで聞いてみる。 「お連れ様は今朝早く出て行かれましたよ。料金はそちら様持ちだということでした」  このカリは、いつか返してやる!  おっと、ましろから連絡! 出ますか? ・もちろん! →80 ・うるさい。今はハートゲッター探しに集中したい。→32 #58  奴は、律儀にも福引券を渡しながら切り出す。  (アイテム「福引券」入手) 「新しい秘書を探している」 「その話なら一週間前に聞いた。俺が『やる気』になってンのに。テメェってば、『私が求めているのはセクシーで有能な秘書だ』って体よく断ったじゃねぇか!」 「違うんだ。ましろくん」  悪癖である「ちっちっち」もなく、ただただ苦虫をアルミホイルと一緒に食ったような顔で、奴は言った。 「その秘書を探してるんだ」 「で、今更、有能で美人な秘書が欲しいってわけか?」 「そうなんだ。ただ、あんまりの熱意にほだされて男性を雇ったんだが……奴は一つ、重要なモノを奪って逃げた」 「生憎だが、俺にも仕事ってもんが……」 「それなら、今店長にかけあって、やめさせて来たよ。ついでながら、君は有能でも美人でもない」  この店は禁煙だというのに、俺は煙をぶっかけてやりたい気分になる。 「で、今回の盗難なんだが……」  小一時間後、ディーティー卿の事務所にて、主賓が口を開いた。 「小町通りのメイド喫茶テロ事件、って知ってるかね?」  俺は二つ返事で頷く。 「知ってる。確か『フーズ・ハニィ』。  ポリ袋に詰めた「混ぜるな危険」の洗剤を、時限式の装置を使って、塩素ガスを発生させ、被害はその場に来ていた十数名の奴が重軽傷にあった、ってやつだろ?」  ディーティー卿は頷いた。 「そこまで知っているのなら話は早い。  私も、あの事件を担当していたんだが、いきなりそいつからメールが着た。 『ところで、荷物は受け取ってくれたかね? それが俺の動機だ』  確かに、一本の何か小包を送られた。ちょっと目を離してたら、無くなっていた。監視カメラには、秘書が写っていた」 「へぇ。で、そいつの写真なんかは?」  言いながら滑ってきた写真、それを見て驚いたね!  ジローじゃんか!? 「こ、こいつぁ!」 「知っているのかね?」 「い、いんや、全然」  こりゃ正直に話さない方がいい!  なんとかお茶を濁す。  卓球にはたびたび連絡をしたが、全然繋がらない。  卓球の主義は「隠密行動」……。一度奴に任せたが最後、沈没したように音信が切れてしまう、ってことも多々ある。 「事件、つまり秘密に関わるやつは、なるべく少ない方がいい」とは先生の主義だが、それにしてもそれが今裏目に出るとは!  再浮上した時には、何らかの手土産があるから首にはなっていないが、この辺のこと、なんとかして欲しいぜ。  イライラしながら待っていると、やっとのことで端末が鳴り始める。 「テメ! この! 待たせんじゃねーぞ!?」 「待っていてくれた!? ありがとう! ましろ先生がそんなにボクの事を思ってくれていたなんて……」  衝動的に切りたくなる。  声の主は「やっぴぃ」その人だった。  俺は ・衝動的に電話を切る。→48 ・話だけはきいてやっか。→66 #59 「さて、いくわよ」  しかし、ジローは一点を見て動こうとしない。 ・ジローの視線の先を見る。→30 ・今は聖地巡礼の時。→3 #60  路地には、当然のようにそれらしきものは無し!  仕方なく、ピッキングで鍵を外す。  手錠はその場にポイ捨て! →16 #61  (メモに書かれてある数字、61)  俺は指定された「壁61区」に、提示通り出席する。相変わらず、城壁のように厚い壁が、この街を鳥かごのように囲んでいる……。  この「夢の島」には、ひとつルールがある。  「入るのはたやすいが、出て行くのは難しい」  端的にそれを表しているのが、この「壁」。  この町を囲むようにできているそいつは、不法住居者どもの不法増築のおかげで、いまや九龍城もかくや! という魔窟と化している。  こういうことを防ぐために作られた「壁」が、かえって「こういうこと」を増やしているのは、なんとも皮肉だ。  結論から言わせてもらうと、無事100万はゲットできた。  イリーガルなモノを取り扱う取引。  メモはそこを指し示していた。  あとは頃合を見計らって「サツだ! 逃げろ!」と言ってサイレンをぶちかまし、その混乱に乗じて……って奴。 ・とにかく、こうして金はゲットできたんだから、焦るやっぴぃをよそに明日に備えて寝ることにするか?→51 ・金目のものとかもなんか物色するか?→87 #62  金がないのは首のないのと同じ。  施しを諦めてご退場いただく。 →4 #63  おっと。卓球出た!  さて、どういう事を話すかな? ・もしもディーティーの話を聞いていたら→80へ進むこともできる。 ・「この呪いに」ついて聞くこともできる。→85 ・あるいは、一時やっぴぃのことはほっといて、卓球の捜査を手伝うか?  急がば回れ。根拠はないただの勘だが、卓球との捜査中で思わぬ近道が見つかるような気もする→26 #64  しかし、ハートゲッターは、落下途中で、何か板を引っぺがす。  ちょうどスケボー程度のそれ。  そして、その勢いで壁を滑り、そして、カンの上を「滑った」。  鮮やかにトリックを決め、カン地雷をクリアするハートゲッター。  しかし、その着地点の先には、犬のウンコがあった。  彼は頭を強打した。  手足を大の字に伸ばして、気絶の見本のように倒れている彼。  卓球は、つかつかと近づいていき、躊躇なく、彼のずれているメットを外した。  そこから出てきたうさ耳。凶暴なマヌケ面。  ましろその人だった。  アツアツのコーヒーをぶっかけると、彼女は目を覚ました。 「もう少し、穏やかな起こし方はねぇのかよ」 「あんた、目覚めは、コーヒーだって、決めてたじゃない。ところでもちろん、このふざけた顛末についても、説明してくれるでしょうね?」 「あれ? ワタシは誰? ここはどぉこ?」 「質問は尋問に変っているのよ?」  ましろは、ちっちっちと指を振った。 「日本人と中国人が、『青いキリン』を捕まえたら一億出そうって大金持ちに言われた。日本人はDNAを何年も研究して、遺伝子操作で青いキリンを作った」 「で?」  眉をひそめる卓球に、ましろはさらに続けた。 「中国人は、青いペンキを買いに行った」 「話が見えない」 「中国人のやり方が、一番冴えてるから真似した」 「ひと味違う、私の死刑執行。それを味わいたいわけね」  言い放つ卓球。  しかし、その後ろを通るのは、「ハートゲッター」。それを追って、オタクたちの軍団が。  そして、通り過ぎた後に、またハートゲッターが!  ハートゲッターが増殖している! →67 #65  奴が指定した場所。  それは……、99%、ゴミ屋敷と化していきつつある建物だった。  あれ? この街にこんな辺鄙な場所あったっけ?  玄関のインターホン押しても出ないし、仕方なく奥の建物へ。  玄関がカオス状態になっている、玄関。  猫の通り口になっている、ふすまに空いた大穴から、一心不乱にキーボードを叩いている彼の姿が覗く。 「分かっている。呪いを解く方法だろ?」  彼は言った。  俺たちは、ゴクリと喉を鳴らす。 「まず、時間というものは、どういうものから成り立ってる?」 「記憶……かな?」 「いや違う。例えば、時計は針を進めているが、あれは記憶を持っていると思うかね?」  首をひねる俺。しかし、それに答えたのはやっぴぃだ。 「運動、ですか?」  後ろ向きでも、奴が頷いたのはわかる。 「その通りだ。思い出というものは、すなわち行動。行動しているから、時は成り立つ、とも言ってもいい」 「オイオイ。今から哲学の時間です。うちらはそんな禅問答しに来たんじゃねぇ……」 「その話につながる話をしている。  ところが、実は時が止まる場所がある。その場所とは……」  彼が、キーボードを叩くのをやめた。 「架空の世界さ。物語世界。物語というのは、読者が読み『進める』ことによって、『大円団』というエントロピーの終点に近づく。しかし、読者が途中で読むのを放棄したら……」 「なるほど、時間は止まるな」 「そう、君もあるだろ。読みかけて忘れられた本。書き始めて途中でやめた小説。あれは最後のページの時点で、時が凍りついている」  ここまで来て、それでは「呪いが実現しない」方法が分かりましたか?  もし、わかったら、それを実行してください。  そうすれば、一応誰も死なないハッピーエンドです。  もし分からなければ、27へ #66  以下、やっぴぃの話。 「まず、そのビデオには、ビデオノイズが入っている。  で、しばらくすると、葬式会場が映る。そして全員笑顔なお葬式。その中で亡くなった故人も笑っている。  大往生の笑なんかじゃないね。絶対に邪な笑だ」  歩きながら、やっぴぃの熱のこもった説明は続く。  なんでも、その「呪われた」ビデオを奴が手に入れたのが一日前。  そして、そのビデオは……。 「とにかく、寝ちゃだめなんだって。  たいてい一日後、絶対に眠くなる。  眠りに抗った奴が、突然意識が飛んだ、って話も聞いてる。  もともと、眠るってのは、ちょっとの間、この世とおさらばすることだと思うけど。これが恐ろしいのは、意識を失っている間に、イっちゃうことだな。  だって、起きていれば迫り来る驚異を確認し、手を打てるのに、一番無防備な「寝ている」ときに来るんだぜ!」  やっぴぃの目は血走っている。目の下にはクマができている。 「だけど、眠っているあいだに魂を取りに来るのって、考えてみりゃ大往生じゃんか」 「オレはまだ、大往生には早い!」  さて、この話…… ・乗る。→33 ・馬鹿らしい。俺ァ降りる。→48 #67  夕闇迫る街。そしてこのバカ騒ぎも落ち着きを取り戻す。  そろそろ結果発表の時間だ。  パイプ椅子に片足かけて、主催者が叫んだ。 「えー、お集りの皆様! ありがとうございましたっ!  だけど、一人も『本物のハートゲッター』を連れてこられなかったのはどうしてでしょうか?  皆さんが、この町のすべてを探していただいたのはわかります。それでも、集まったのは、賞金狙いの偽物だけ!  つまり、こういう結論を導き出さずにはいられません!  『そもそも。この町に『ハートゲッター』なんかいなかった! 遺憾ながら、いないものにっ! 賞金は出せませんっ! これにて終了! QED! 解散っ!」  それを受けた有象無象も、その場から退散し始める。  しかし、卓球はあることに考えを馳せていた。  証拠はない。だけど揺さぶってみる価値はある。  そう決意した卓球は、残りのスタッフに近づいていった。  さて、この時点で、あなたは「この街に本当のハートゲッターは何人いる」と結論づけているでしょうか?  その数に10を足してください。  それが、次のパラグラフジャンプの番号です。    あるいは、それについて、「ましろの意見」を聞いているでしょうか?  そこに、次のパラグラフジャンプの数が隠されているはず。  その数字へジャンプ! もし、わからなければ、出血サービスで#90へ #68 「呪いを解く方法、それは、タイムマッシーンをなんとかして入手することです」  だめだコイツァー! →69 #69  くそ!  呪詛を吐きながら商店街を行く。  と、福引をやってるじゃんか!  特等は100万円と来たもんだ。  福引券を持ってますか? ・持っていないなら。→70  持っているなら、運試しを! ・コインを投げ、表なら外れ。→70 ・裏なら見事100万ゲット。→18 #70  くそっ! 金がねぇ!  イライラしながら街中を歩く。  卓球に電話しようか?→38  それとも、ええいままよ! 金のないまま行くか?→23 #71  インナーに通電させる。密着する「第二の肌」が心地よい。  このインナー自体、一つのインターフェイスとなっている。  微弱な電気信号を、人工肌に通して、ネットなどの情報を、肌で「受信できる」  脳裏に広がる、五線譜。それが目覚めの爽快さに似た音楽とともに、世界を包み込む翼になる。  そして、愛用のベレッタM1934。  腰に二丁落とし込む。  なにせ1934年ものなので、不具合は多い。  親指で、即解除できないセフティ。顔面目掛けて飛んでくる空薬莢。  だけど、背骨にびしっと「芯」が入ったような気がする。  1kgほぼ半分強のちっぽけな鉄の塊。しかし、マガジンが叩き込まれるような、この「魂」が叩き込まれる感覚は、他の銃ではできない。  念のため、隠し球のM84改も持っていこうか?  もしもM93R改を2丁手に入れていたら、それをさらに装備してもいい。背中のバックサイドホルスターに収める。  「自動人形」をコートの中に収納。  ポンチョのようなコートを羽織る。  これが、卓球の目覚めの儀式だ。  ましろと一緒に行動してますか? ・Yes→28 ・No→32 #72  とにかく、ネットを探してみよう。  そして、たどり着いた答え。 「呪いに殺されない方法。それは、全力でそれを回避することです」  俺は俺自身が呪詛そのものになりそうな気がしてきた。  かなり遅くなっているので、やっぴぃに酒を買ってきたもらったのがマズかった。  やがてそれは飲み会になり、宴会になり、気づいたら朝まで寝込んじまった!  チックショー。こうしてる間にも貴重な時間が! 「えっ? 今日ガッコないよ。お母さん」 「テメェフリーターだろ!」  寝ぼけるやっぴぃを連れ、街へ! →51 #73  俺が真っ先に向かったところは、「ここで手に入らないものがあるとすれば、女だけ」という有頂天なディスカウントショップ。  そして、買い込んだのは、こちらが顔が赤くなるような全身タイツ、そしてお面、発泡スチロール・プラスティックの板。そして、梱包用に分けられるダンボール箱もろもろ。 「何をする気?」 「日本人と中国人が、『青いキリン』を捕まえたら一億出そうって大金持ちに言われた。日本人はDNAを何年も研究して、遺伝子操作で青いキリンを作った」 「で?」  眉をひそめるやっぴぃに、俺はさらに続けた。 「中国人は、青いペンキを買いに行った」 「話が見えない」 「それを、俺たちは地でやろう、ってわけ」  数時間後。  どこでもいい空き地にて、果たして「ハートゲッター」は誕生していた。 「どうだ! どう考えても、ダンボール製には見えないだろ」 「ハートゲッター」に扮したやっぴぃが叫ぶ。  確かに、かなり芸細な装飾、そして塗装で、パッと見には強化ファイバーに見える。 「やっぴぃ。やっぱりこういうことうまいな!」  俺は心底感嘆したように言う。 「全方位型興味アリユーチューバーをなめんな! ってとこですかねー」  バシッ! と決めポーズを決めながら叫ぶやっぴぃ。 「さて、ジローも無事ハードにゲットする方になったし、いざ、奴を本物として首を持ってく、もとい、話をでっち上げますかねー」  しかし、街を歩いていると……。 「通り魔だ! 誰かそいつを捕まえてくれ!」  なんか片手に血がべっとり付いた日本刀。片手に硝煙の煙漂う散弾銃持った海パンマンが、悲鳴をバックに近づいてくるじゃないですかー。  蜘蛛の子を散らすように逃げる市民とコスプレヒーロー。 「ほら。ヒーローさんよ。出番だぜ。あれ捕まえたら、マジモンのハートゲッターだ」  振り向くとやっぴぃがいない。  しっかたねぇな。  俺はくわえ煙草を吐き捨てた。  というわけで、依頼人がいなくなったので、この話はオシマイ! END #74  おや、なにかメモがある。  見てみると「壁61区」近くで、と細かく日にち時刻まで書いていやがる。  取っとくか。  (アイテム「メモ」入手)  つーか、ディーティーはうるさく言っている。  オイオイ、あれじゃクレーマーだぜ。 ・仕方ねぇ。行ってみっか。→29 ・こいつの話聞くなら店やめたほうがまし。→55 #75  ディーティーのところ行ったら、ディーティーが爆殺されていました。  未だに犯人は捕まってない。 END #76 「いいだろう。教えてやろう。  まずはタイムリミット。  あの動画を見た奴は、24時間でお陀仏になる。  これが第一のヒントだ。  ピンと来るか?」  俺とやっぴぃは、申し合わせたように首をふった。 「鈍いやつだな! じゃあ『24時間後には、かならず死ぬ』。呪いの力によって。これは裏を返せば?」  やっぴぃはわからないと答えた。俺は答えるのも馬鹿らしいんで黙ってた。 「この情弱!  つまりな。『24時間は生きていられる』わけだから、その日ギリギリでもう一度見直せばよろしい! そうするとタイムリミットはリセットされ、もう再び一日生きることができる……」 「くだらねぇ! それは風邪にかかったからもう一度風邪を引いたら治るって理屈じゃねぇか! 普通は医者行くか風邪薬飲むだろ!」 「だけどこうして生きている」  にやりと笑うやつに…… ・俺はありったけの小銭をぶつけた。→15 ・なるほどね。そんな抜け道があったのか!?→20 #77  やるぞー!  ここで運試しをしよう。  コインを転がせ!  それが立ったら成功!→68  失敗したら、何も情報は得られないでこの場を去る。→69 #78  するってぇと、あれ? ハートゲッター?  あれあれ? と見ていると、あっちからこっちからハートゲッターが集まってくるじゃねぇか?  しきりに、写真を取っているカメコの一人に聞くと、街中総出でモノホンのハートゲッター探しっていうのをやってるらしい。  賞金も出る!  な、なんと100万円!  それを聞きつけたどこぞのバカが、「そんじゃ俺がハートゲッターになってやれ」と言い出し、街中がコスプレ大会に!  この話に ・乗る。→73 ・乗らないで、金持たないまま行く!→23 #79  街のバカ騒ぎも終わり、すっかり夕暮れ。  だけど、またハートゲッターのコスプレをしている奴もいる。  しかし、ヒーローとは言え、生理現象には勝てないようで、公園のトイレに姿を消す。 「あんた、ジローだろ」  トイレから出てきた、ハートゲッターを捕まえて聞く。  奴は、見えないマスクの下で笑ったような気がした。 「どうして、わかったんです?」 「俺の耳をなめちゃいけねぇ。  こう見えてもちょっとした声紋分析もどきはできらぁな。  しかも、心音、呼吸音に癖がある」 「なるほどね。あんた名探偵だね」 「そんなものになるほど落ちぶれちゃいねぇつもりだが、褒め言葉として受け取っとこう。で、聞きたいことは一つ。  あのビデオ、モノホンの『呪いのビデオ』だろ」  奴は、くすりと笑って言った。 「そのとおり。正真正銘の『呪い』  あれは、現在のヒトの手には負えないもの。  だから、永遠にヒトの手が届かないところに行ってもらうよ!」  次の瞬間、彼の手が一閃!  おそらくやつも俺と同じ、改造していじってあるのだろう!  あっという間に空の彼方に消え! 「大気圏を突き抜けて、人工衛星の軌道外にも飛んでったかも。その前に燃え尽きたかな?」 「オイオイ。スペースデブリがまた一つ増えるぜ」  俺たちは顔を合わせて、笑う。  はてさて。これで本気の大円団だな……。  というわけで、ここでオシマイにしてもいい。  ありがとうございました! END  ただ、卓球サイドの話も読み終わっただろうか?  ならば25へ。 #80  ましろが切り出した。 「そっちにジローいるか?」 「ええ」  卓球がうなづくと、ましろは返す。 「ディーティーがジローを探してる。なんでもやつのところで盗みを働いたらしい」 「なんですって?」 「だろう。俺も奴はわけもなくそんな事をするやつじゃねぇと思うが……。なんか裏があるぜ。気をつけなよ」 「ありがとう」  卓球は素直に言葉が出た。 ・卓球サイドのお話を続けるなら。→32 ・ましろサイドの話を続けるなら。→22 #81  俺のやさに戻る。  目の前に、違法改造している改造車もマッツァおの、どこの特撮幹部の車だ!? みたいな禍々しい車が置かれていた。  胃が急速に重くなる。  重い足を引きずりながら、俺の家のドアに立つと、確かに人の気配が!  俺はパイソンを引っこ抜くと、片手でそれをがっしりと握り、タイミングよくトリガーを引きながら、手のひらで撃鉄をぶっ叩く!  全弾ブチ込んだ。  リロードしているあいだに、先客が出てきて、俺に銃……ボディアーマーさえ貫通する弾が20発も入る5-7……を突きつけた。 「夜中はお静かに。礼儀というものを知らないのかね?」  ビンラ将軍だった。 「気にするな。ノック替わりだ。あんたと俺の仲じゃねぇか」 「いい加減、手間がかかるリボルバーなどという骨董品を主武器にするのはやめておいた方がいい。さもないと、こんな風にスキをつかれる」 「俺の銃の品評をしに来たわけ?」  言うが早いか、俺は突きつけられた銃の銃口を押し、そのままスライドを引き、ホールドオープンさせて分解する。  銃は突きつけるものじゃない。最低でも1m離れる。  そんな幼稚園レベルの常識を知らない方が悪い。 「あいかわらずご挨拶だな。単刀直入に聞こう。『呪いのビデオ』はどこにやった?」 「呪いのひでお? 誰だそりゃ」 「くだらない漫才で時間を潰す趣味はないだろう? お前が『呪いのビデオ』に手を出したことは知ってるんだ。どこまで知ってる?」 「どこもなにも……。くだらねぇヨタだろ?」  将軍は頭をふった。 「実はあれは、かつての秘密結社『QEPD』が、最終兵器として作り上げたものなのだ。最も恐ろしいことは、回避方法がない。  毒を作るときは、解毒剤を作っておくのが定石だが、ほとんど偶然で作られた産物。その対処法を待たずに、作り上げられた。  『QEPD』の和平的解散のとき、そのどさくさに紛れて流出した。  人類にとってはすぎたオモチャだ。是非とも回収したい」 「そして、オタクの秘密結社の最終兵器にしたい、と」 「なんであれ、お前もこの街の人がバタバタ死んでいくのは嫌だろう?」 「別に。そうなりゃ河岸を変えるだけだから」 「どっちが悪党だか、わかりゃしないな」  とにかく、なにか掴んだら、吾輩に真っ先に教えろ。  奴はそう言って出て行った。  しかし、最後に振り向いた。  俺は煙草に火を付ける。  先んじて言った。 「『ああ、この家のセキュリティ、もう少し考えた方がいいぞ』とでも言うのか? なんも取るものがねえからっけつなのが、うちのセキュリティだ」 「違う!」  ビンラ将軍の目が輝いている。  それは、「俺たちが生き生きしていた」ころと変わらねぇ。 「こっちへ戻れ。夢の続きをみよう」  俺は首を振る。 「いや。悪ぃが今、俺は夢の真っ只中にいる。起きたら始まる『人生』ってぇ夢の中に」 「その夢は、悪夢じゃないのか?」 「分からねぇ。終わってみるまでは」  ゲンの悪いまま、ええぃ、こんな場合、寝てしまえ!  次に目を開けたら、あたり前だが、清々しい朝でやんの。 ・さて、やっぴぃの話。請け負っているだろうか?  請け負っているなら、やっぴぃと落ち合う。→51 ・ディーティーの話も請け負っているなら、そっちを優先してもいい。→75 ・両方共請け負っていないなら、よろしい。あなたは自由だ。  残りの人生を好きなように過ごしたまえ。 END #82  奴が指定した場所は、三段街の小さな喫茶店だった。  さんざん待って、来たそいつは、ひょろりとした男だった。  背は高くもなし、低くも無し。  歳の割には、若い、いや幼い感じがする。  本人はカッコつけてつけているんだろうが、サングラスが全くにあってない。  しかも、ブランドものなのがさらにイタイ! 「そう! 私は確かに呪いのビデオなるものを見た!」  俺たちが事情を話すと、奴はそう切り出した。 「だけど、今もこうやってピンピン生きているっ! その訳を聞きたいか?」  奴の大仰な態度に早くもうんざりしつつ俺は、早くも「いいえ」と言いたくなった。  それを慌てて首を押さえつけるやっぴぃ。 「ええ? どうして?」 「だ、だってそうしたら俺の命があと数時間で……」 「だっからさぁ、この100万使って、それこそ『ここで人生終わったほうが良かねぇか?』みたいな絶頂を迎えた方がよかねぇか? 俺はそう聞いてんだよ」 ・それがいいかも。(100万持っていたら)→2 ・いや、何よりも「生きている」ことが大前提。→76 #83 「あの! すいません! 困ってるんです!」  とりあえず声をかけてみる。  しかし、それが引き金となったようだ!  酔っ払いが盛大に吐き出す!  すっきりした顔で、行った酔っぱらい。  そのゲロの中に、光るものが! 「ひょっとしたら?」  ジローに頼むと、かなり難色を示す。  さてどうするか?   ・ましろが、「ぱふぱふしてやるから」と言ってみる。→24 ・三万円やる。(実際に持っていたら)→40 #84  説明しよう!  ハートゲッターとは、ハードに「ハートをゲットする」者。「ゲット」してどうするのか?  その者を癒すのである。  その「癒すもの」の対象は、どっかで膝を抱えている君だけじゃない。  人類、いや世界そのものを癒すのだ!   「確か、敵は『ダークサイド』とか言ったわよね」 「いや、『ダークサイト』だ。奴らはネットに罠を張り、人々を欲望の甘い罠にハメようとしている」  そうだったかしらね。  ましろは、あいづちを打つ。  彼、『ハートゲッター』が、他の特撮ヒーローと一線を画していたところ。  それは「実在」  子ども向け、もとい。おっきなお兄さん向けの特撮が、いかにもオーバーで分かりやすいアクションと物語で悪の秘密結社から送られる怪人を倒していた間、かれは、リアルに「現実」の街を駆けずり回って「闇に潜む」実在の怪人を倒していったのだ。 「コンビニで大決戦が!」「突っ込んでくるトラックから、身をていして助けてもらった」  目撃談も多数。  となると、実際に怪人も目撃例が多数。  それこそ、神話や伝承に出てくる半獣系から、本当に「ヒトガタ」を捨てたものまで。  闇にうごめく「何か」おぞましいものを見た。という目撃者も多数。  「いやー、くっだんねぇなぁ」  手を頭の後ろに組み、思いっきり、のけぞりながら言う、メイド女。  こいつの自己紹介がいりますか? ・Yes→41 ・No→7 #85 「うさん臭ぇ話なのは重々承知しているが……。バカやっぴぃが呪われた。このままだと24時間以内に死んでしまうらしい。なんか情報知らねぇか?」 「お生憎様。私、その手の『都市伝説』に興味ないの」 「だろうなぁ」 ましろサイドの話を続けるなら→22 #86  見本で手本というくらい、見事にす巻きになった「中年怪人」。  殺気だった「おにいちゃん」たちが、一発喰らわせてやろう。しかるべき報いを! と、腕まくりしているとき、そいつは唐突に言った! 「よろしい! 私は確かに偽物である! しかし、この町に「ホンモノ」が紛れ込んでいたらっ! どうするかねっ!?」  その迫力、そして内容に、一瞬ひるむおっきなお兄さんたち。  メタボ怪人は、畳みかけるように言った! 「夢の町公認! 黄泉がえり温泉主催で、『ハートゲッター』発見プロジェクトをやろうではないか! 見つけた奴には一千万! タイムリミッツは今日の夕方! 明日のヒーロー王にっ! 君がなれ!」  念のためネットを確認する。  確かに「黄泉がえり温泉」主体で、「幻のヒーロー『ハートゲッター』を捕まえよう」というプロジェクトのホームページが出来ている。  卓球と、ジローは、思わず目を合わせる。 「夢の島」って、こんなに狭かったかしら?  そんなはずはない。確か地方都市一つくらいは、面積はあったはず。  しかし、まるでこの町が狭い引き出しぐらいに錯覚させるほどの、人、人、ひと。 「こ……これは?」 「おそらく、この町の暇人が全員しゃしゃり出てきたのね。さすが名物特産品がヒキなだけあるわ!」  卓球も目を白黒させて叫ぶ。  これって、毎年春・夏・秋・冬に行われている、湯の華祭並みじゃない!(湯の華=夢の町の公式名称)  毎回大規模な死傷者が出ないのは、警察や行政が優秀だからじゃない。自警団が優秀だから。特に、便利屋の貢献は、その中でも特筆してもらいたい。 「ボスっ! こっちに奴が出ましたっ!」 「ううむ、こしゃくなぁ! ヤマさんとゴリさんは、至急現場へ急行せよ!」 「お頭っ!」 「むむぅ。負けるな! 至急ワタナベをここにっ!」  飛び交う怒号と靴音。チラシやら張り紙、果てに紙吹雪舞い散る中、卓球たちは……。 ・いま、ましろはともに行動してませんか?  それならば彼女から電話がかかってきます。  →38 ・ましろがともにいるなら。→50へ #87  特にめぼしいものは無し……。か。  やっぴぃがなんかしたり顔でうなずいているが。  明日に備えて、寝るか。 →51 #88   その次に、やっぴぃの方からメールが。 「呪いを解く方法がわかりました。探さないでください」と来た。  やっぴぃに再会したのは、クリスマスも終わり、強力な正月打線が出てくるときだった。  出会ったのは、いつものラーメン屋のTV。  ある動画発信者が麻薬所持の疑いで捕まった。  そいつがやっぴぃだった! 「犯人は、要するに眠らなければいいんだろ、と覚せい剤所持、常用にいたったしだいで……」  マスコミの掲げる真実は、抜け殻にしかすぎねぇ。   END    #89  たびたびで悪ぃ。ディーティー卿の話を聞いているだろうか?  ならば一つ、思いつくことがあンだが……  聞いていた方だけ→79  もしも、聞いてなかったら、今度こそ一応ハッピーエンドだ。  よかったねー GOOD END #90  というわけで。「ハートゲッター」なんていない! ということに落ち着いて、街でベージュのコートを見かけたら、指の爪に火を灯したい生活に戻りました。  というか、これ#67で出たパラグラフジャンプの答えなんですけどね。  もしあなたに余力があれば、続きを! END (EOF) ∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴・∴ あとがき謎解き お疲れ様です! 今回も、あとがきがわりに謎解きを置いておきます! #33 ・#74にて「メモ」を入手したでしょうか?  ぶっちゃけ、そこに露骨にメモされてます。 #67 ・こんだけ騒ぎまくってホンモノが出てこなかったら、素直にそう解釈すればいいのです。  あるいは、#37でのましろのセリフ。強調している数字は!? Copyright:葉山海月& FT書房 2026