------------------------------------------------------------   【呪術師】 ------------------------------------------------------------  不死者に対する知識と理解を深め、生命に関連する呪文を扱う者たちのことを【呪術師】と呼びます。【呪術師】は【幸運点】の副能力値を持ちます。  【呪術師】は【幸運点】2点につき1種類の【呪術】の呪文を覚えることができます。主人公は幸運点を1点消費することで、呪文を唱えることができます。「ローグライクハーフ」では呪文の詠唱には必ず成功します。 ------------------------------------------------------------   【呪術師】の初期装備 ------------------------------------------------------------  片手武器。鎖鎧。木盾。 ------------------------------------------------------------    基本的な呪術(6種類) ------------------------------------------------------------ ・【不死者召喚】 ・【血肉つなぎ】 ・【生贄】 ・【不死化】 ・【呪い】 ・【魅了】 ------------------------------------------------------------ 【不死者召喚】 この特殊技能は従者点が最大値(最大従者点)に達しているときには使うことができません。この呪文は〈できごと〉が終わった直後に行使することができます。  従者や敵など、破壊された〈弱いクリーチャー〉がいるとき、足もとにそのクリーチャーの遺体が転がっていると想定してください。ただし、破壊されたクリーチャーが【アンデッド】である場合、遺体は残りません。  この遺体1体を対象に【アンデッド】のタグを持つ「戦う従者」を作成することができます。    遺体が味方の従者だった場合、技量点を1点下げた値を、新たな従者の技量点とします。  遺体が敵の〈弱いクリーチャー〉だった場合、レベルから4を引いた値を技量点として算出します。  この数字に対応して、作られる従者は次のとおりとなります。  これらは〈弱いクリーチャー〉として扱われ、その生命点は1点です。 技量点がマイナスなら〈ゾンビ・ファイター〉。ただし、技量点は0として扱う。 技量点0なら〈スケルトン・ウォリアー〉。 技量点1なら〈アシッド・グール〉。 技量点2なら〈ホーント〉。 技量点3以上なら〈ワイルド・レイス〉。  いずれの場合でも、クリーチャーが持っていた特殊な能力はすべて失われます。  【アンデッド】【ゴーレム】【植物】【兵器】【建造物】のいずれかのタグを持つ対象には、効果がありません。  この呪文を行使した場合、遺体に他の用途(食料にするなど)があったとしても、それを使うことはできないものとして扱われます。  この特殊技能を使うと【幸運点】を1点消費します。 〈ゾンビ・ファイター〉 このクリーチャーは【アンデッド】である。 このクリーチャーは【打撃】の攻撃特性を持つ。 【炎】の特性を持った攻撃をされた場合、このクリーチャーは防御などの【判定ロール】に-1の修正を受けてしまう。 このクリーチャーが倒されたとき、【幸運ロール】を行なってもいい(目標値:10)。 成功した場合、このクリーチャーは信じられないタフさを発揮して生き残る。 〈スケルトン・ウォリアー〉 このクリーチャーは【アンデッド】である。 このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。 このクリーチャーは【斬撃】による攻撃に対して【防御ロール】に+1の修正を得る。 〈アシッド・グール〉 このクリーチャーは【アンデッド】である。 このクリーチャーは【斬撃】の攻撃特性を持つ。 【炎】の特性を持った攻撃をされた場合、このクリーチャーは防御などの【判定ロール】に-1の修正を受けてしまう。 対象への【攻撃ロール】でクリティカルが発生したとき、【連続攻撃】として【酸】による攻撃を選んでもいい。 この攻撃が生命点に与えるダメージは通常よりも1点多い。 〈ホーント〉 このクリーチャーは【アンデッド】である。 このクリーチャーは下記以外の攻撃手段をもたない。 このクリーチャーは第0ラウンドに恐ろしい叫び声をあげる。 敵である各クリーチャーに対して【幸運ロール】を行い、成功した対象に【呪い】の状態を与える(目標値はクリーチャーのレベルに等しい)。 【呪い】になった対象に対する【攻撃ロール】には+1の修正を得る。 この効果は重複しない。 〈ワイルド・レイス〉 このクリーチャーは【アンデッド】である。 このクリーチャーは呪文以外の攻撃手段を持たない。 このクリーチャーは技量点に等しい魔術点を有している。 このクリーチャーは【氷槍】の呪文を行使することができる。 呪文の使い方については、基本ルールを参照。 ------------------------------------------------------------ 【血肉つなぎ】    現在の〈できごと〉が終わった直後、【アンデッド】【ゴーレム】【神霊】【精霊】【兵器】【建造物】に属さないクリーチャーの遺体(生命点が0点になった状態)があるときに限り、この呪文を1回だけ行使できます。  この呪文を唱えたとき、その遺体を破壊することで、2つの効果のどちらかを得ることができます(プレイヤーが選択すること)。  ・呪文の行使者は、生命点を1点回復する。  ・現在の〈できごと〉で死亡した【アンデッド】のタグを持つ従者1体を選ぶ。対象のキャラクターは、生命点が1点の状態で復活する。  この特殊技能を使うと【幸運点】を1点消費します。 ------------------------------------------------------------ 【生贄】  この呪文は〈できごと〉の合間に行使することができます。【アンデッド】【ゴーレム】【植物】【兵器】【建造物】のいずれにも属さない、〈弱いクリーチャー〉の従者1体を破壊します。  この特殊技能を使うと【幸運点】が1点回復します。 ------------------------------------------------------------ 【不死化】  この呪文は自分自身を対象とします。  【不死化】の呪文は、冒険の合間に唱えることができ、1回の冒険の間だけ効果が持続します。  この呪文をかけた【呪術師】は【アンデッド】のタグを持ち、【悪の種族】のタグを持つ一部の種族を従者として雇えるようになります(【悪の種族】の従者については、後述を参照すること)。ただし、【アンデッド】と化した状態では、自分自身に食料(食べることができる装備品も含む)を使用することはできません。また、呪文の効果が切れる前に死亡した場合、その主人公は【ゴーレム】化することができません。  呪文の効果が切れた後、次の冒険開始時に再び【不死化】の呪文を行使しない場合は、雇った【悪の種族】の従者はパーティから離脱してしまいます。  この特殊技能を使った場合、冒険を開始する前に【幸運点】と【従者点】を1点消費します(冒険が終われば、このときに消費した従者点は回復します)。 ------------------------------------------------------------ 【呪い】  この呪文は【アンデッド】【ゴーレム】【植物】【兵器】【建造物】のいずれにも属さない、〈弱いクリーチャー〉の従者1体(または1体の〈捕虜〉)を破壊します。  さらに、敵のクリーチャー1体を対象にして、呪文の行使者は【幸運ロール】を行います(目標値はクリーチャーのレベル+2)。  成功した場合、戦闘が終わるまでの間、対象のレベルを1点下げます。  この呪文は同じ対象に重ねてかけることはできません。  この特殊技能を使うと【幸運点】を1点消費します。 ------------------------------------------------------------ 【魅了】  【魅了】は第0ラウンドにのみ唱えることができます。1体の敵を対象に、呪文の行使者は【幸運ロール】を行います(目標値はクリーチャーのレベルに等しい)。成功すれば対象は第1ラウンドの終わりまで【魅了】状態になります。  敵が1体の場合、【魅了】されたクリーチャーは攻撃をしません。  敵が複数の場合、【魅了】されたクリーチャーを味方として扱えます。攻撃や防御などの【判定ロール】を行う場合、クリーチャーの技量点を「レベル-4」として扱います(マイナスになった場合、対象の技量点は0点として扱います)。  この呪文は【アンデッド】【ゴーレム】【植物】【兵器】【建造物】のいずれかに属するクリーチャーには、効果がありません。  この特殊技能は【幸運点】を消費しません。 ---------------------------------------------------------------------------------  【呪術師】の特殊技能(中級ルール用) --------------------------------------------------------------------------------- 【不死者融合】  この呪文は、〈できごと〉の合間に1回だけ行使することができます。  1体の【アンデッド】のタグを持つ〈弱いクリーチャー〉の従者を対象に選びます。それとは別に、技量点が1点以上の能力を持つ、【アンデッド】のタグを持つ〈弱いクリーチャー〉の従者1体を消費することで、対象の従者の技量点は1増え、基本的な呪術【不死者召喚】に対応したクリーチャーに変化します(たとえば、この呪文によって技量点が2点になった場合、対象の従者は〈ホーント〉に変化する)。  この特殊技能を使うと【幸運点】を2点消費します。 {斜線}  君が呪文を唱えると、スケルトンたちの骨格がぐにゃぐにゃに崩れて混ざり始める。その光景を眺めていた〈死せる砂漠の道化師〉が、思わず息を呑む。やがて変化が終わると、そこには青白い肉のついた1体のグールが立っていた。高度な呪術の成せる技だ。道化師が感服したように頭を下げる。 「呪術を極めるということは、先人が歩んだ道を順当にこなすもの……それが当然だと思っていた。私は貴方よりも90年は長く生きているが、これまで独創性の鍛錬を怠っていたようだ。おみそれしました」 {/斜線} ------------------------------------------------------------ 【骨の棘壁】  【アンデッド】のタグを持つ〈弱いクリーチャー〉の従者5体を消費することで、〈骨の棘壁〉を作成することができます(不足している従者1体につき、呪文の行使者の生命点1点を消費することでも代用が可能)。この〈強いクリーチャー〉の従者は、パーティに1体だけ同行させることができます。 〈骨の棘壁(Skeltal Spiked Wall)〉 技量点:1  生命点:5  攻撃数:後述      このクリーチャーは【アンデッド】【建造物】に属する。  このクリーチャーの攻撃特性は【斬撃】である(※このクリーチャーは、自分から攻撃することができない)。  このクリーチャーは【防衛】の奇跡などの【防御ロール】にボーナスを与える技能(または装備品)の効果を受けることはない。  このクリーチャーが【斬撃】による攻撃を受けたさい、【防御ロール】に+1の修正を得る。  このクリーチャーが、敵からの接近戦攻撃を受けたさい、敵の攻撃番であっても【攻撃ロール】を行うことができる(このときに限り〈骨の棘壁〉は攻撃可能である)。  このクリーチャーを同行させるには、従者点を7点必要とする。  敵からの攻撃を防御するさい、主人公とその従者は〈骨の棘壁〉の陰に隠れることができます。そうする場合、敵からの攻撃はすべて〈骨の棘壁〉が受けることになります。敵の攻撃数と同じ回数だけ、〈骨の壁〉による【防御ロール】を行ってください。〈骨の棘壁〉の陰に隠れるかどうかは、ラウンドごとに決めることができます。〈骨の棘壁〉が敵の攻撃数の一部だけを引き受けることはできません。  この特殊技能を使うと【幸運点】を2点消費します。 ------------------------------------------------------------ 【霊魔の守護】  【対魔法ロール】を行うさい、現在の生命点に等しい人数を最大値として、キャラクターを好きなだけ選びます。呪文の対象となったキャラクターは判定に+1の修正を得ることができます。サイコロを振った後で、誰に効果を適用するかを決めることができます。この呪文の行使には、1ラウンドの行動を消費します。  この特殊技能を使うと、対象に選んだキャラクター1体につき、呪文の行使者の【生命点】を1点ずつ消費します。 {斜線}  呪術師にとって、未練の念だけで彷徨うゴーストは頼りになる味方だ。彼らの未練と嘆きの矛先を、敵の魔術師に向けさせると、君と従者に向かって放たれた【炎球】が霧散する。周囲を舞うゴーストたちから、彼らの未練を昇華させる導き手が君だという思念を感じ取った。 {/斜線} ------------------------------------------------------------ 【カリスマ】  この呪文は、それぞれの〈できごと〉で1回だけ行使できます。  【善の種族】【少数種族】【アンデッド】いずれかに属する〈弱いクリーチャー〉を対象に、【幸運ロール】を行います(目標値はクリーチャーのレベルに等しい)。クリティカルが発生したなら、サイコロをもう一度振って、出目を達成値に加えます。これを何度でも行います。  判定に成功したなら、対象1体を味方にすることができます。判定の達成値が、相手のレベルを2点上回るごとに、さらにもう1体を味方にすることができます。この呪文によって、味方となったクリーチャーは「戦う従者(生命点1)」に変化します。対象の攻撃特性とタグは引き継がれますが、技量点はクリーチャーのレベルから4を引いた値が、新しい技量点になります(下限は0点)。ただし、味方になったときの特殊能力について言及されていない場合、その特殊能力は引き継ぎません。これらのクリーチャーを同行させるには、1体につき従者点1点を必要とします。もし、呪文を行使した戦闘中であれば、従者点で同行させることができない味方クリーチャーは、戦闘から離脱したことになります(その場にいないものとして扱われる)。  【カリスマ】の呪文を行使した結果、すべてのクリーチャーが味方になった場合、その反応は【友好的】に置き換わります。  もし、この呪文を行使したさいの【幸運ロール】でファンブルが発生した場合、それが戦闘以外の状況であれば、相手の≪反応表≫の出目は最大値が出たものとして扱うこと(その結果が【同行】であれば【中立】に置き換わる)。戦闘中であれば、相手の反応は【死ぬまで戦う】に置き換わります。   この特殊技能を使うと【幸運点】を1点、【生命点】を2点ずつ消費します。 {斜線}  君は、苦境に立たされた従者たちを鼓舞する。激励の言葉に対して、【善の種族】と【アンデッド】の兵士たちが、手に持った剣を掲げて応えてみせる。精神を支配せずとも、優れたカリスマ性は人を惹き尽きる。それは生者と死者を区別することもない。 {/斜線} --------------------------------------------------------------------------------   ■【悪の種族】の従者 -------------------------------------------------------------------------------  以下に記すのは、【不死化】の呪文によって【アンデッド】になったキャラクターが購入できる、【悪の種族】に属する従者である。  【悪の種族】の従者は〈弱いクリーチャー〉として扱われるため、同行させるには、1体につき従者点を1点必要とする。 ------------------------------------------------------------ ◆ゴブリンの一般兵(技量点0、生命点1 戦う従者):無料  このクリーチャーは【悪の種族】【人間型】に属する。  ゴブリンは命令に対して従順な、小鬼に似た小柄なクリーチャーである。購入した場合は、攻撃特性として【斬撃】と【打撃】のいずれかを選ぶこと。 ------------------------------------------------------------ ◆ゴブリンの突撃兵(技量点0、生命点1 戦う従者):金貨3枚  このクリーチャーは【悪の種族】【人間型】である。  このクリーチャーの攻撃特性は【斬撃】である。  ゴブリンは主人の命令に対して陶酔する癖のある、小鬼に似た小柄なクリーチャーである。  〈ゴブリンの突撃兵〉は首から火薬樽をぶら下げており、運命的な命令を心待ちにして生きている。    戦闘時、第1ラウンドの終わりまで〈ゴブリンの突撃兵〉が生きていた場合、〈ゴブリンの突撃兵〉は自爆するため、対象となる敵1体の生命点に2点のダメージを与える(攻撃特性は【炎】である)。その後、このクリーチャーは破壊される。  プレイヤーは、自分の従者である〈ゴブリンの突撃兵〉を戦闘に参加させるかどうかを決めることができる。なお、戦闘に参加しない〈ゴブリンの突撃兵〉が自爆することはない。   ------------------------------------------------------------ ◆オークの戦士(技量点0、生命点1 戦う従者):金貨5枚  このクリーチャーは【悪の種族】【人間型】に属する。  オークは粗野で力強いものの、知能では人間に劣る種族である。購入した場合は、攻撃特性として【斬撃】と【打撃】のいずれかを選ぶこと。  〈オークの戦士〉は【攻撃ロール】でクリティカルが発生した場合、連続攻撃に必ず成功することができる。その場合、2回目の【攻撃ロール】のサイコロは振らず、自動的に攻撃が成功したものとする。 ------------------------------------------------------------ ◆闇エルフの弓兵(技量点1、生命点1 戦う従者):金貨10枚  このクリーチャーは【悪の種族】【人間型】に属する。  闇エルフは森などに住むエルフが闇神オスクリードと契約したことで漆黒化した存在か、その子孫である。  邪悪な性格をしていることが多いが、理由があって闇神と契約しただけの者も少数ながら存在する。  〈闇エルフの弓兵〉は第0ラウンドに、弓矢を用いた射撃を行える。弓矢、接近戦武器のどちらも【斬撃】の攻撃特性を持つ。  第1ラウンドには、弓矢から接近戦武器に持ち替えるため、【攻撃ロール】を行うことができない。 ------------------------------------------------------------ ◆魔犬獣(技量点1、生命点1 戦う従者):金貨20枚  このクリーチャーは【悪の種族】【動物】【騎乗生物】である。  知能が高く、独自の文化を持つ種族であるが、見た目は人間と同じぐらいの大きさを持つ犬としか映らない。  〈魔犬獣〉は第0ラウンドに炎を吐くことができる。この攻撃は「飛び道具」として扱われる。攻撃特性は【炎】である。   第1ラウンドからは【斬撃】の特性を持つ爪で接近戦攻撃を行う。  〈魔犬獣〉は【騎乗生物】であるため、最大1体しか従者にすることができない。 ------------------------------------------------------------ ◆トカゲ人の戦士(技量点1、生命点1 戦う従者):金貨25枚  このクリーチャーは【悪の種族】【人間型】に属する。  トカゲ人は全身をウロコにおおわれた、人間よりもひとまわり大きな屈強な種族である。  〈トカゲ人の戦士〉は接近戦において、片手武器による攻撃の後に、尾による攻撃を行う。そのため、トカゲ人の【攻撃ロール】は1体につき2回行う。2回目の攻撃は尾によるものであるため、【攻撃ロール】に-1の修正が与えられる。片手武器、尻尾のどちらも【打撃】の攻撃特性を持つ。