ローグライクハーフ サプリメント:都市オプション「死霊都市フアナ・ニクロ」 作:杉本=ヨハネ 監修:紫隠ねこ  「都市オプション」は、その都市を冒険する前後に利用することができる。 ---------------------------------------------------------------------------------   希少な装備品に関するルール --------------------------------------------------------------------------------- 主人公は街で「希少な装備品」を探すことができる。 「希少な装備品」を探す場合、主人公は【幸運ロール】を行う(目標値:6)。 これを行えるのは、冒険がはじまる前に1回、そのシナリオを完全にクリアしたさいに1回(通常のd66シナリオであれば、合計4回)。 成功した場合、「希少な装備品」に該当する装備品からひとつを選び、購入することができる。 【幸運点】の副能力値をもつ主人公が冒険開始前の【幸運ロール】を行う場合、【幸運点】を消費して「希少な装備品」を狙うことができる。 その場合、【幸運点】が最大値よりも減った状態で冒険がはじまる点に注意すること。 ただし、【従者点】以外の能力値は、冒険終了時およびシナリオ開始時に最大値までに回復するため、シナリオを完全にクリアした後で行う【幸運ロール】で消費する【幸運点】は、次のシナリオ開始時には完全に回復する。 ---------------------------------------------------------------------------------   ■死霊都市フアナ・ニクロのオプション:一覧 ---------------------------------------------------------------------------------   装備品:武器(希少な装備品) ・〈幻夢の杖〉 経験点2   装備品:防具(希少な装備品) ・〈聖光の鎖鎧〉 経験点2   装備品:武器 ・〈骨剣〉 金貨30枚   装備品:防具 ・〈死者の皮外套〉 金貨80枚   装備品:道具(一般) ・〈死者のガラクタ〉 無料   装備品:道具(一般) ・〈哀悼の石けん〉 金貨30枚   装備品:薬物(消耗品) ・〈マリア・フアナ〉 金貨25枚 ・〈狂戦士の粉〉 金貨15枚 ・〈ダル〉 金貨20枚 ・〈クカ〉 金貨30枚   従者(戦う従者) ・〈スケルトン・ソードマン〉(技量点1、生命点1) 金貨9枚   騎乗生物 ・〈死豚獣〉(技量点1、生命点1) 金貨70枚   儀式 ・【祝福】の魔法 金貨35枚 ・【オスクリードへの供物】 経験点1、金貨150枚   特殊技能 ・【遺物回収】 経験点1、金貨50枚 ---------------------------------------------------------------------------------   ■死霊都市フアナ・ニクロのオプション:詳細 --------------------------------------------------------------------------------- ◆〈幻夢の杖(The Dreamflange)〉  これは「希少な装備品」である。  これは【打撃】の特性を持つ「片手武器」として扱われる。この武器は、以下の2つの効果を持つ。  ・【アンデッド】【悪魔】いずれかのタグを持つクリーチャーに対して、装備者の【攻撃ロール】が成功した場合、対象の生命点に与えるダメージの合計は、通常よりも1点大きくなる。  ・〈強いクリーチャー〉に対する【防御ロール】でクリティカルが発生した場合、装備者の副能力値を1点回復させる。この効果は、各戦闘につき1回だけ行使できる。 {斜線} 「その杖は、私が生前に使っていたものだ」  フアナ・ニクロの統治者が愛用していた武器だと分かると、杖を受け取った両手が思わず震える。  それを普及品のように扱うことも、少しはばかれるような気がした。 「ふふっ、替えのきかない一点物だと思ったか? 持ちきれない武器は、倉庫にしまっておくものだ。冒険者のたしなみとしてな……そのうちの、ひとつだよ」 {/斜線} ------------------------------------------------------------ ◆〈聖光の鎖鎧(Celestial Chainmail Armor)〉  これは「希少な装備品」である。  『聖光の鎖鎧』は、着用者の生命点の最大値に+1の修正を与え、【防御ロール】に+1の修正を与える。この防具は、以下の2つの追加効果を持つ。  ・『聖光の鎖鎧』を着用している間は、『ランタン』を手に持っているのと同様の効果がある。  ・着用者の副能力値が【幸運点】の場合、【アンデッド】【悪魔】いずれかのタグを持つクリーチャーからの攻撃に対する【判定ロール】でファンブルが発生したさい、1回だけサイコロを振り直すことができる。この効果は、各ラウンドにつき1回だけ行使できる。  この防具は、魔法がかけられた「金属鎧」として扱われる。 ------------------------------------------------------------ ◆〈骨の剣(Bone Sword)〉  これは【打撃】と【斬撃】の両方の特性を持った接近戦武器で、【攻撃ロール】に-1の修正を与える。扱うには、片手を必要とする。  主人公の職業が【呪術師】の場合、呪文を行使するための【幸運ロール】に+1の修正が得られる。 ------------------------------------------------------------ ◆〈死者の皮外套(Corpse Skin Cloak)〉  『死者の皮外套』は、着用者の生命点の最大値に+1の修正を与える。  また、着用者の副能力値が【幸運点】の場合、【幸運点】の最大値に+1の修正を与える。さらに【対魔法ロール】に+1の修正が得られる。  この防具は「非金属鎧」として扱われる。 {斜線}  そのクロークは、胴着の上から羽織っているにも関わらず、まるで自分の肌に吸いつくように、ぴったりとなじむ。熟練した呪術師の死後、その皮をなめして作ったそうだ。他の者からすれば、気味の悪い装飾品。だが、呪術師の技を磨く君にとっては、これほど素晴らしいものはない。いつの日か、お前を越えてやる。クロークに手を触れながら、そう誓った。 {/斜線} ------------------------------------------------------------ ◆〈死者のガラクタ(Corpse Junk Arms)〉  基本ルールに書かれた武器と防具を、好きなだけ入手できる(魔法がかけられた武器と防具を除く)。ガラクタの武器は【攻撃ロール】に-1の修正を得る(たとえば『片手武器』は【攻撃ロール】に-1の修正、『両手武器』は【攻撃ロール】の修正なし)。ガラクタの防具は【生命点】の最大値に加えるボーナスが1下がる(たとえば『布鎧』なら【生命点】のボーナスなし、『革鎧』なら【生命点】の最大値に+1)。 {斜線}  都市の一角に積み上げられたガラクタの山。このフアナ・ニクロで死を迎えた者たちの遺品だ。まだ使用に耐えそうな剣や鎧が、ガラクタの中から顔を覗かせている。それらを活用することは、この都市では罪ではないのだ。 {/斜線} ------------------------------------------------------------ ◆〈哀悼の石けん(Soap of Condolence)〉  これを使用すると、キャラクター1体の【毒】または【病気】いずれかの状態異常を即座に解除する。  『石けん』は1個につき、2回まで使用可能である。 {斜線}  毒蛇に噛まれた従者を助けなければならない。噛み傷は大したことないが、身体を蝕む猛毒の方が深刻だ。君は一塊の石けんを取り出すと、それを使って腕の傷を清める。必ず助けるからな、と声をかけると、従者も安堵の表情を浮かべるようになる。  生者は死者のために、祈りを捧げることができる。死者は遺された者たちのために、まだ早い死を遠ざける力を授けるのだ。 {/斜線} ------------------------------------------------------------ ◆〈スケルトン・ソードマン(Skelton Swordman)〉(技量点1、生命点1 戦う従者)  このクリーチャーは【アンデッド】に属する。  このクリーチャーの攻撃特性は【斬撃】である。  このクリーチャーは【斬撃】による攻撃に対して【防御ロール】に+1の修正を得る。  このクリーチャーは、d66シナリオ『死霊沼の聖母』でのみ購入できる。3回目の冒険が終わると、パーティから離脱する。 ------------------------------------------------------------ ◆〈死豚獣(Undead Pig Beast)〉(技量点1、生命点1 戦う従者)  このクリーチャーは【アンデッド】【動物】【騎乗生物】に属する。  このクリーチャーの攻撃特性は【打撃】である。  戦闘の第0ラウンドでは、〈死豚獣〉の行動を消費することにより、突撃を仕掛けることができる。その場合、第1ラウンドで〈死豚獣〉の【攻撃ロール】が成功した場合、クリティカルによる連続攻撃は行えないが、対象の敵の生命点に与えるダメージの合計は、通常よりも1点大きくなる。ただし、そのラウンドでの〈死豚獣〉は【防御ロール】に-1の修正を得ることになり、敵の攻撃を割り当てるさい、少なくとも1回は〈死豚獣〉が攻撃を受けなければならない。  このクリーチャーは非常に打たれ強いため、各冒険につき1回だけ生命点に受けたダメージを無視することができる。ただし、普段とは違う装具を身体につけることを嫌がるため、【騎乗生物】にボーナスを与える装備品の効果は適用できない。  同行させるには、従者点が1点必要になる。【騎乗生物】を従者にできるのは主人公1人につき最大1体である。 ------------------------------------------------------------ ★【祝福】の魔法  これは装備品ではなく、冒険の合間にだけ利用できる。  都市の教会で【祝福】の魔法をかけてもらうことで、キャラクター1体の【呪い】【石化】【麻痺】などの状態異常から回復する(【死亡】の状態を除く)。 ------------------------------------------------------------ ★【オスクリードへの供物】  基本ルールで作成された主人公は、闇神オスクリードに、自らの生命を供物として捧げる儀式を執り行うことによって、闇神の祝福を授かることができる。  この儀式を受けた主人公は【アンデッド】のタグを持つようになり、冒険に必要であれば【悪の種族】を従者として購入することが可能となる(【悪の種族】の従者については、後述を参照すること)。ただし、自分自身に食料(食べることができる装備品も含む)を使用することはできない。また、死亡したさいに【ゴーレム】化することもできなくなる。  闇神オスクリードに自らの生命を捧げる場合、1経験点と金貨150枚を必要とし、さらに従者点が成長限界ごと1点下がる。 {斜線} 「アンデッド化というのも悪くはないぞ。肌の色は真っ青、食事も味気ないものになるが、いかなる毒や病も、私を殺すことはできない。文字通り、≪不死身≫になるのさ……」  〈鮮血号〉の女船長ラセスタは高らかに笑うと、杯に注がれた上物のワインをぐいとあおる。オークの船員たちは、冷酷な上司の機嫌を損ねないように愛想笑いを浮かべていたが、誰もが心の中で思っていた。不死者の力を得たいなら、自分の命を投げ捨てろだって? そんなの冗談じゃない! しかし、その覚悟に見合うだけの「力」には惹かれる……。 {/斜線} ------------------------------------------------------- ◆【遺物回収】 (※副能力値が【幸運点】の主人公のみが習得可能)  【アンデッド】のタグを持つクリーチャーとの戦闘に勝利したさい、サイコロの修正なしで【宝物表】を1回追加で振ることができる(各戦闘につき、2回まで行使することが可能)。  この特殊技能は、取得した呪文の数には含まれない。  この特殊技能を使うと【幸運点】を1点消費する。 --------------------------------------------------------------------------------   ■薬物 --------------------------------------------------------------------------------  以下の装備品は、アランツァ世界で普及している「薬物」の一部である。  「薬物」は〈できごと〉の合間に使用可能である。ただし、戦闘中には使用できない。〈できごと〉の合間は、主人公側のキャラクターが〈できごと〉について行動する直前までを指す(出目表を振った後で「薬物」を使うことができる)。  「薬物」を使用した場合、そのキャラクターは、それぞれの薬物に記された≪依存効果≫のペナルティを受けなければならない。  なお、これらの「薬物」はかさばらないため、装備品欄を占めることはない。 ------------------------------------------------------------ ◆〈マリア・フアナ〉  次の〈できごと〉中に行う【対魔法ロール】に+1の修正が得られる。 ≪依存効果≫  ひとつの作品(d66シナリオなら3回の冒険)で一度も使用していない場合、冒険後にこれを買い求めてしまう。【マリア・フアナ】を購入できる金貨(または、それだけの金銭的な価値を持つ装備品)があり、買える場所にいて、1個も持っていない場合、これを1個購入してしまう。  あなたの意思に関わらず、次の冒険開始直後にこれを1個使用する。最初の〈できごと〉のあいだ、【マリア・フアナ】の効果を得る。 ------------------------------------------------------------ ◆〈狂戦士の粉〉  戦闘の各ラウンドでの最初の【攻撃ロール】において成功した場合、それをクリティカルとして扱うことができる。ただし、接近戦における攻撃にかぎる。  戦闘が終了した後、使用者は生命点を1点減らさなければならない。 ≪依存効果≫  「反応表」を確認して戦闘にならなかったとき、もう一度「反応表」を振る。【ワイロ】を支払った後に【ワイロ】が出た場合、2回払う必要はない(【友好的】として扱う)。 ------------------------------------------------------------ 【ダル】  【毒】と【麻痺】の状態異常から完全に回復することができる(【石化】と【死亡】の状態を回復させることはできない)。 ≪依存効果≫  無気力になるため、肉体を使う行動に支障が出る。これを使用した次の〈できごと〉が終わるまで、【筋力ロール】【器用ロール】【防御ロール】に-1の修正を受ける。 ------------------------------------------------------------ 【クカ】  集中力が増すため、次の〈できごと〉で行う【魔術ロール】【幸運ロール】すべてに対して、判定に+1の修正を得る。 ≪依存効果≫  集中力が散漫になるため、この冒険が終わるまで【魔術ロール】【幸運ロール】に-1の修正を受ける。このペナルティは『クカ』を服用している間は消失する。 --------------------------------------------------------------------------------   ■【悪の種族】の従者 -------------------------------------------------------------------------------  以下に記すのは、【オスクリードの供物】によって【アンデッド】になったキャラクターが購入できる、【悪の種族】に属する従者である。  【悪の種族】の従者は〈弱いクリーチャー〉として扱われるため、同行させるには、1体につき従者点を1点必要とする。 ------------------------------------------------------------ ◆ゴブリンの一般兵(技量点0、生命点1 戦う従者):無料  このクリーチャーは【悪の種族】【人間型】に属する。  ゴブリンは命令に対して従順な、小鬼に似た小柄なクリーチャーである。購入した場合は、攻撃特性として【斬撃】と【打撃】のいずれかを選ぶこと。 ------------------------------------------------------------ ◆ゴブリンの突撃兵(技量点0、生命点1 戦う従者):金貨3枚  このクリーチャーは【悪の種族】【人間型】である。  このクリーチャーの攻撃特性は【斬撃】である。  ゴブリンは主人の命令に対して陶酔する癖のある、小鬼に似た小柄なクリーチャーである。  〈ゴブリンの突撃兵〉は首から火薬樽をぶら下げており、運命的な命令を心待ちにして生きている。    戦闘時、第1ラウンドの終わりまで〈ゴブリンの突撃兵〉が生きていた場合、〈ゴブリンの突撃兵〉は自爆するため、対象となる敵1体の生命点に2点のダメージを与える(攻撃特性は【炎】である)。その後、このクリーチャーは破壊される。  プレイヤーは、自分の従者である〈ゴブリンの突撃兵〉を戦闘に参加させるかどうかを決めることができる。なお、戦闘に参加しない〈ゴブリンの突撃兵〉が自爆することはない。   ------------------------------------------------------------ ◆オークの戦士(技量点0、生命点1 戦う従者):金貨5枚  このクリーチャーは【悪の種族】【人間型】に属する。  オークは粗野で力強いものの、知能では人間に劣る種族である。購入した場合は、攻撃特性として【斬撃】と【打撃】のいずれかを選ぶこと。  〈オークの戦士〉は【攻撃ロール】でクリティカルが発生した場合、連続攻撃に必ず成功することができる。その場合、2回目の【攻撃ロール】のサイコロは振らず、自動的に攻撃が成功したものとする。 ------------------------------------------------------------ ◆闇エルフの弓兵(技量点1、生命点1 戦う従者):金貨10枚  このクリーチャーは【悪の種族】【人間型】に属する。  闇エルフは森などに住むエルフが闇神オスクリードと契約したことで漆黒化した存在か、その子孫である。  邪悪な性格をしていることが多いが、理由があって闇神と契約しただけの者も少数ながら存在する。  〈闇エルフの弓兵〉は第0ラウンドに、弓矢を用いた射撃を行える。弓矢、接近戦武器のどちらも【斬撃】の攻撃特性を持つ。  第1ラウンドには、弓矢から接近戦武器に持ち替えるため、【攻撃ロール】を行うことができない。 ------------------------------------------------------------ ◆魔犬獣(技量点1、生命点1 戦う従者):金貨20枚  このクリーチャーは【悪の種族】【動物】【騎乗生物】である。  知能が高く、独自の文化を持つ種族であるが、見た目は人間と同じぐらいの大きさを持つ犬としか映らない。  〈魔犬獣〉は第0ラウンドに炎を吐くことができる。この攻撃は「飛び道具」として扱われる。攻撃特性は【炎】である。   第1ラウンドからは【斬撃】の特性を持つ爪で接近戦攻撃を行う。  〈魔犬獣〉は【騎乗生物】であるため、最大1体しか従者にすることができない。 ------------------------------------------------------------ ◆トカゲ人の戦士(技量点1、生命点1 戦う従者):金貨25枚  このクリーチャーは【悪の種族】【人間型】に属する。  トカゲ人は全身をウロコにおおわれた、人間よりもひとまわり大きな屈強な種族である。  〈トカゲ人の戦士〉は接近戦において、片手武器による攻撃の後に、尾による攻撃を行う。そのため、トカゲ人の【攻撃ロール】は1体につき2回行う。2回目の攻撃は尾によるものであるため、【攻撃ロール】に-1の修正が与えられる。片手武器、尻尾のどちらも【打撃】の攻撃特性を持つ。