クトゥルフ×ファンタジー 「ローグライクハーフ」シナリオ『クトゥウルウの聖なる邪神殿』 作:中山将平 ※……補足 ◎……フレーバーテキスト ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   0:目次 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 各項目にどのような内容が記載されているか一望できる目次です。 1〜9  :このゲームを遊ぶにあたっての準備や特別なルール等 10〜12:冒険の始まり(1〜3回目に対応) 13   :マップ表(冒険の本編) 14   :宝物表 15   :魔法の宝物表 16〜18:中間イベント(1〜3回目に対応) 19〜21:最終イベント(1〜3回目に対応) 22〜23:サイドクエスト 24〜26:冒険の成功(1〜3回目に対応) ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   1:基本情報 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ この作品はFT書房から発表されている1人用TRPG「ローグライクハーフ」のシステムを使ったシナリオです。 プレイのために必要な基本ルールは、以下のURLよりご覧いただけます。(BOOTHへの登録が必要です) https://ftbooks.booth.pm/items/4671946   「ローグライクハーフ」ルールを用いた作品であることを表すマークは以下のURLよりご覧いただけます。 https://ftbooks.xyz/ftnews/article/RLH-100.jpg シナリオの基本情報は下記のとおりです。 ・プレイヤー:1〜2人 ・プレイ時間:20〜40分 ・対象年齢:12歳〜120歳 ・GM:不要 ・ジャンル:ホラーファンタジー ・推奨レベル:10〜18 ・難易度:Normal ・形式:シナリオ(d76) ・世界:共通世界(アランツァ) ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   2:物語の背景 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲  ウヤ! ウヤ! クトゥウルウ・ぺソンブレ!  ウヤ! ウヤ! クトゥウルウ・ぺソンブレ!  かがり火に揺れる、「末裔」と呼ばれる魚人たちの横顔。  波のように打ち寄せる、得体のしれない悪神への、祈りの声。  司祭の冠をいただいた一匹が、ぬめる巨大扉の前でお題目を唱える。  「大いなるクトゥウルウよ。死すらもそなたの前に膝まづく。」  自治都市トーンの近海で、海底から古代神殿が浮上していた。  そこに嬉々として群がる末裔たちは、みな悪の魚神ペソンブレの信者たちだ。  彼らは今まさに、悪神の同盟者たる大悪魔を死の眠りから呼び戻そうとしている。   そのために不可欠なのは、膨大な数のいけにえの魂だ。    次々に運び込まれる、落ちくぼんだ眼の人々。  囚われた者の中には、同胞であるはずの末裔たちの姿もある。  彼らは皆、おびえながら巨大扉の中へといざなわれていく。  大悪魔クトゥウルウが眠る、二度と帰れない暗闇へと……。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   3:ゲームの遊び方1/4(全体の進行) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ この冒険はいわゆる「d66形式」(実際にはd76形式ですが)で作られており、「一本道モード」で遊びます。 d66によって決定される1〜3回目の〈できごと〉を経験したあと、4回目にはサイコロを振る代わりに中間イベントへと進みます。 6回目以降はサイコロの出目によって通常の〈できごと〉の代わりに最終イベントへ進む場合があります。 以下の表をご参照ください。 ・5回目……通常通り ・6回目……出目が11〜16なら最終イベントへ進む ・7回目……出目が11〜26なら最終イベントへ進む ・8回目……出目が11〜36なら最終イベントへ進む ・9回目……出目が11〜46なら最終イベントへ進む ・10回目……出目が11〜56なら最終イベントへ進む ・11回目……必ず最終イベントが出現 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   4:ゲームの遊び方2/4(隊列と手がかり、捕虜) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲  『隊列に関して』 このシナリオに隊列という概念は存在しません。 主人公と「戦う従者」は、どの敵でも自由に選択して攻撃できます。 敵側の攻撃は、主人公が2人であるならば両者に均等に与えられます。 主人公が1人であるならば、攻撃の半分を主人公が受け、残りは「戦う従者」が受けます。 どのときも、余った攻撃をどちらが受けるかは、プレイヤーが決定します。 例:末裔5体が主人公と「戦う従者」である兵士2人・弓兵2人を攻撃する。攻撃の回数は合計で5回。プレイヤーはそのうち3回分を主人公が、残りの2回分を従者が受けると決定する。   生命点が1点しかない従者は【防御ロール】に失敗するたびに1人ずつ死亡する。どの従者が【防御ロール】を行うかは、プレイヤーが決定する。  『手がかりに関して』 本作で手に入る「手がかり」は、悪魔の企みによって与えられた蓄積する「精神への悪影響」を表すものです。 このシナリオにおいて手に入る場面では必ず入手しなければならず、自由に捨てることができません。 消費できる場面は限られており、いずれもシナリオ内に指示があります。 本作での手がかりは1組の主人公たちのまとまりについて同時に3つまで保持でき、1回冒険を終えると全てなくなります。 レベル16以上の主人公が冒険に参加する場合、手がかりを所持できる上限は4つになります。このとき、手がかり1つを持った状態で冒険が始まります。  『捕虜に関して』 本作において【捕虜】は特に能力がない「戦わない従者」として扱われます。その技量点は0です。 2人の主人公でこの冒険に挑む場合、従者点を消費せずに1人まで【捕虜】を連れ歩くことができます。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   5:ゲームの遊び方3/4(【逃走】と【察知】) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲  『【逃走】に関して』 このシナリオで主人公たちが【逃走】を選択した場合、その出来事は1回の〈できごと〉を体験したと数えられません。 その場合冒険は進みませんが、その出目は既出と扱われます。 主人公たちはその〈できごと〉の場所から先に進まず、ひとつ前の空間に戻ったとみなされます。 そののち、別の道を進むか、【逃走】した〈できごと〉に再挑戦するか選択できます。 別の道を進む場合、通常通りd66を振り、冒険を続けます。 再挑戦する場合、既出の出目にも関わらず同じ〈できごと〉をd66を振ることなく体験できます。 再挑戦ではクリーチャーの反応について前回の結果は無視し、あらためて決めなおします。 ※「中間イベント」と「最終イベント」において、【逃走】は選択できません。また、これらのタイミングで出てきた強いクリーチャーは【逃走】しません。  『【察知】に関して』 【逃走】の場合と同様に、本シナリオにおいて察知によって回避した〈できごと〉は体験していないにも関わらず出目が既出であると扱われます。 ※基本ルールの24と矛盾する処理のため、ご注意ください。本作においてのみ、こちらのルールを優先します。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   6:ゲームの遊び方4/4(ゲームの終了と繰り返し) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 本作では舞台となる浮上神殿に足を踏み入れたあと、一度主人公が目的を達成するかゲームオーバーになるまでのまとまりを「冒険」と呼びます。 また、「最終イベント」を経験し、主人公が冒険の目的を達することを「冒険の成功」と呼びます。 「冒険の成功」を達成した場合、直ちにその回の冒険を終了し、項目24〜26の中で対応する文章に進んでください。 本作は同じキャラクターで3回まで冒険できます。 1回目の冒険は、狂信者たちの企てを妨害し、その司祭ギルマール・ウェニドリーを倒すことが目的です。 2回目の冒険は、新たに出現した悪魔ニャルラトハトチェプスの脅威を取り除くことが目的です。 3回目の冒険は、力を蓄え復活しつつある大悪魔クトゥウルウを討ち果たすことが目的です。 いずれの冒険も、項目10〜12の中で対応する「冒険の始まり」の文章を読んでから遊んでください。 3回の「冒険の成功」を達成するか、途中でゲーム―オーバーになった場合、ゲームは終了します。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   7:このシナリオの特殊なルール1/3(黄金酒の王秘密教団) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 本シナリオに挑むさい、プレイヤーが望むなら冒険前の主人公を【黄金酒の王秘密教団】に入団させることができます。 【黄金酒の王秘密教団】の一員である間、主人公は、以下の3つの特典を得ます。 ・攻撃ロール時、装備している武器が「魔法の武器」であるものとして扱われます。(すでに「魔法の武器」を使用している場合、この効果はありません。) ・マップ表で十の位1の〈できごと〉を体験する際、求められる【器用ロール】を【筋力ロール】【幸運ロール】【魔術ロール】のどれかで代用することができます。 ・冒険前、特殊な従者「教団員」を従者として金貨2枚で何度でも購入することができます。(従者点による制限は通常通り受けます。) 教団員……戦闘に参加する〈戦う従者〉です。接近戦武器のみを扱い、その技量点は0点です。武器の特性は【打撃】です。      「手がかり」を3つ以上所持している間、教団員の技量点は1となり、攻撃時に「魔法の武器」を使っているとみなされます。 ※【黄金酒の王秘密教団】は、大悪魔クトゥウルウと敵対する秘密教団です。太古から存在し、「黄金酒の王」と呼ばれる小神を信仰しています。 ※冒険前とは、1回目の冒険の前のほか1回目と2回目、2回目と3回目の冒険の間のタイミングを指します。 ※【黄金酒の王秘密教団】への入団はこのシナリオ内でのみ効果を発揮する特別なルールです。他の冒険に挑戦する際は、この特別ルールの効果はいずれもなくなり、教団員は去っていきます。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   8:このシナリオの特殊なルール2/3(隠れ潜む狂気) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 本作のマップ表では十の位1の欄が「隠れ潜む狂気」を表すものとなっています。 この場所には冒険に役立つ宝と、恐ろしい何かが隠れています。 主人公が1人の場合、【器用ロール】を行い、成功すると特別な宝物を入手できます。 主人公が2人の場合、両方のキャラクターが【器用ロール】を行い、両方が成功すると特別な宝物を入手できます。 いずれの場合も、この〈できごと〉で1人以上の主人公が【器用ロール】に失敗した場合、即座に指定された番号の〈できごと〉(全て十の位7の「襲い来る恐怖」欄)へ移動します。 このとき新たに訪れる〈できごと〉は、例外的に1つの〈できごと〉を経験したとはカウントされず、【察知】等の効果で避けることができません。 (〈中間イベント〉や〈最終イベント〉の発生確認をする際、無視され影響を与えません。) ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   9:このシナリオの特殊なルール3/3(サイドクエスト) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 本作では、特定の〈できごと〉を経て「サイドクエスト」と呼ばれる副次的な目標が発生することがあります。 「サイドクエスト」の内容は項目22と23等に記述され、冒険の成功やゲームオーバーとは特に関係がありません。 本シナリオの冒険後に主人公が生きている場合、項目24〜26の冒険の成功に進む前に発生済みのサイドクエストの内容に従った処理を行ってください。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   10:冒険の始まり(今回が1回目の冒険の場合) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲  「一部の同胞は、大悪魔をペソンブレの同盟者だと考えている。だが、私のようにそう信じない者も多い。」  トーンの街にある有名な宿屋〈四猫亭〉。  そこで、依頼主である末裔が話しはじめる。  彼女によれば、末裔たちの中でも、宗教的な派閥があるらしい。  一部の者だけが、封印された悪魔を解き放とうとしているのだという。  「大悪魔クトゥウルウは、狡猾にも神の同盟者だと偽っているのだ。実際には同胞らを使役し、新鮮な魂を集めさせようとしている。」  依頼主の陰気な瞳には、怒りと憎しみのどす黒い炎がちらついている。    この街の沿岸部には、末裔たちが暮らす集落がある。  陰気で口数の少ない連中ではあるが、表面上彼らは長くこの街の住人と上手くやってきた。  しかし今、集落から一部の者が離反し、悪魔に力を貸そうとしている。  実際にトーンからも住民が誘拐され、街の評議会は対策を迫られているのだ。  集落に残った末裔たちへの風当たりは強い。  元々、彼らの体臭や不気味さを嫌う者は一定数いた。  末裔たちの集落は、今や存亡の危機にある。  依頼主はその集落の代表だ。    「やつらは、同種族である私たちでさえも、悪魔への供物としか見ていない。」  彼女はヒレに付けた紅サンゴ製のピアスを指で回転せながら、単純明快な依頼を述べる。  海底から浮上した古代神殿に足を踏み入れ、大悪魔解放の企みを失敗させること。  そのために、中心となっている末裔の司祭ギルマール・ウェニドリーを討ち取ること。    別れ際、依頼主はポツリと打ち明ける。  「私の息子がひとり、連中に取り込まれた。もし出会うことがあれば、その命を海に返してくれてもかまわない。」    船に乗りこみ、石造りの巨大浮上神殿にたどり着く。  周囲に人影はなく、潜入は成功したと言っていいだろう。  危険に満ちた冒険が始まるのだ。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   11:冒険の始まり(今回が2回目の冒険の場合) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲  「新たな悪魔が現れた。」  自治都市トーンにおいて力を持つヴェルデセローナ評議会からの使者が、開口一番にそう言う。  詳しく聞くと、浮上した神殿にどこからともなく新たな悪魔が現れ、儀式を引き継いでいるらしい。  今や、そこには末裔だけではなく、様々な種族の狂信者が集結しているのだという。  現れた悪魔はニャルラトハトチェプスと呼ばれる、クトゥウルウの副官だ。  文献の中でしか知られていない存在だったが、自らの手で儀式を完結させるため降臨したものと思われる。  本来であれば、一刻も早く解決すべき問題だ。  しかし、評議会と領主パイク・ヴェローナ王の間で水面下に政治的な疑念が広がっており、手をこまねいているのだという。  あろうことか、どこからか狂信者たちの活動資金が提供されていることが判明したらしい。  だが、それが街と対立する勢力によるものなのか、あるいは国内勢力によるものなのかは、分からない。  この資金をめぐる様々な憶測が、都市の意思決定能力を強く抑えこんでしまっているのだという。  だからこそ、前回見事司祭を討ち果たした君に、悪魔討伐の依頼を受けてほしいというのだ。  別れ際、使者は有益な情報を口にする。  「ニャルラトハトチェプスは、顔のない悪魔の群れを使役すると聞く。戦闘力はないが、人をさらう達人なのだとか。連中にも十分気をつけてくれ。」  船に乗り込み、再び浮上神殿に足を踏み入れる。  危険に満ちた冒険が、再び始まる。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   12:冒険の始まり(今回が3回目の冒険の場合) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲  妙に蒸し暑い夜が続いたせいだろうか。自治都市トーンで、悪夢にうなされる者が日に日に増える。  しかもその内容は、皆同じなのだという。あの浮上神殿を訪れ、巨大な扉の中へといざなわれる夢だ。  もちろん、それがただの夢であるはずはない。評議会の諜報活動によって、事態の真相はつまびらかになっていく。  これまで集められた魂によって、大悪魔クトゥウルウが久遠の眠りから目覚めてしまったのだ。 悪夢は大悪魔の持つ邪悪な魔力の影響らしい。    そうはいっても、君の活躍によって儀式は失敗に終わった。悪魔の力は不完全な状態だ。  まだ、神殿の地下から這い出すことさえできていないという。  今ならば、封印から解き放たれた悪魔を、本来いるべき世界へと退けることができるかもしれない。  しかし、そんな希望がいかに儚いものか、街は知ることになる。  悪夢を見ていた多くの者が、目覚めてからも催眠状態となり、自ら神殿に向かおうとするケースが続発したのだ。  「可及的速やかに、大悪魔を倒さねばならない。だが、我が街の軍事機能は、現在混乱状態にあると認めざるをえない。」  他ならぬパイク・ヴェローナ王から派遣された使者たちが、街の内情を吐露するほど憔悴しきった表情で懇願する。  「三度あの地に渡り、大いなるクトゥウルウを、討ってはくれまいか。」  別れ際、使者たちは一人ずつ君の手を握り、己の想いを託す。  「奴は神殿の最深部にある、大扉の中にいる。その扉をくぐった者は、二度と戻れないと恐れられている門だ。貴方が最初の生還者であることを、祈る。」    船は波を越え、浮上神殿へと到着する。  今こそ、恐るべき大悪魔と決着をつけるのだ。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   13:マップ表(冒険の本編) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 出目の十の位が1……○隠れ潜む狂気 出目の十の位が2……●中立または友好的な弱いクリーチャー 出目の十の位が3……□イベント 出目の十の位が4……■トラップ 出目の十の位が5……◇弱いクリーチャー 出目の十の位が6……◆強いクリーチャー 出目の十の位が7……△襲い来る恐怖  ○隠れ潜む狂気 出目11 〈わずかに光る井戸〉 出目12 〈星形の塚〉 出目13 〈べたつく黒い液体〉 出目14 〈抜き取られた体〉 出目15 〈空っぽの小屋〉 出目16 〈憑りつかれた画家〉  ●中立または友好的な弱いクリーチャー 出目21 〈様子の怪しいノーム〉 出目22 〈祈りを捧げる狂信者〉 出目23 〈商人だと名乗るきのこ人〉 出目24 〈逃げ出してきたかえる人〉 出目25 〈宝箱を運ぶスケルトン〉 出目26 〈落ちくぼんだ眼の猫人〉  □イベント 出目31 〈場違いな猫〉 出目32 〈輝く多面体〉 出目33 〈漂着した幽霊船〉 出目34 〈真実の描かれた壁画〉 出目35 〈忌まわしき祭壇〉 出目36 〈大神殿の巨像〉  ■トラップ 出目41 〈不気味な象牙細工〉 出目42 〈トムトムのいざない〉 出目43 〈這い寄る冷気〉 出目44 〈飛び出す触手〉 出目45 〈立ちこめる瘴気〉 出目46 〈狂える者の書庫〉  ◇弱いクリーチャー 出目51 〈トランス状態の末裔〉 出目52 〈環状列石を見張る魔犬獣〉 出目53 〈奴隷を盾にするブヨブヨ悪魔〉 出目54 〈乱れ咲くオドリヅタ〉 出目55 〈錯乱したウミへビ人〉 出目56 〈押し寄せる星の落とし子〉  ◆強いクリーチャー 出目61 〈宝物庫の番人たるスフィンクス〉 出目62 〈変異するトロール〉 出目63 〈龍人のミイラ〉 出目64 〈盲目の偉大なる精神交換者〉 出目65 〈狂信者の幹部〉 出目66 〈異界からのゴレミョーシカ〉  △襲い来る恐怖 出目71 〈あふれ出る色彩〉 出目72 〈古代の樽型生物〉 出目73 〈タール状の何か〉 出目74 〈外側から来た真菌生物〉 出目75 〈見えざる巨大獣〉 出目76 〈笑う食屍鬼〉  ☆中間イベント ≪1回目の冒険≫ 〈濡れたオベリスク〉 ≪2回目の冒険≫ 〈顔のない悪魔〉 ≪3回目の冒険≫ 〈封印された扉〉  ★最終イベント ≪1回目の冒険≫ 〈嘆きの水悪魔 ダゴヌス〉 ≪2回目の冒険≫ 〈燃える三つ目の跳梁者 ニャルラトハトチェプス〉 ≪3回目の冒険≫ 〈大いなるクトゥウルウ〉 ※「宝物表」は項目14、「魔法の宝物表」は項目15参照。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  出目11〜16:○隠れ潜む狂気 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ○出目11 〈わずかに光る井戸〉 かつて井戸として使われていた施設がある。中からほのかに光が漏れ出している。 【器用ロール】(目標値:2+所持する手がかりの数)を行い、成功すれば井戸の中から金貨を引き上げることができる。 成功時:1d6×5枚の金貨を入手する。 失敗時:出目71へ移動する。(出目71は1回の〈できごと〉としてカウントされない。) ◎ 井戸から這い出した光が、生き物のように揺らめき、踊る。これまでに見たことのない、蠱惑的な色だ。         ----------------------------------------------- ○出目12 〈星形の塚〉 五芒星の形をした塚がある。何者かの埋葬地のようだ。立派な副葬品があるかもしれない。 【器用ロール】(目標値:2+所持する手がかりの数)を行い、成功すれば副葬品を入手することができる。 成功時:宝物表(修正+2)を振る。 失敗時:出目72へ移動する。(出目72は1回の〈できごと〉としてカウントされない。) ◎ 苦悶の表情でムチ打たれる奴隷をあしらった、禍々しい意匠。サイズ的にも、人間の埋葬地ではない。 ----------------------------------------------- ○出目13 〈べたつく黒い液体〉 いけにえが囚われている牢屋を発見する。タールのように黒い粘液が、周囲にこびりついている。 【器用ロール】(目標値:2+所持する手がかりの数)を行い、成功すれば囚われた人物を解放することができる。 成功時:基本ルールに含まれる「兵士」「ランタン持ち」「太刀持ち」「荷物持ち」各1人ずつのうち、望むだけの人物を従者にできる。 失敗時:出目73へ移動する。(出目73は1回の〈できごと〉としてカウントされない。) ◎ 解放された全員が、口をそろえて懇願する。「今すぐここから離れましょう。あいつが帰ってこないうちに。」 ----------------------------------------------- ○出目14 〈抜き取られた体〉 幾人かの人物が、だらりとした姿勢で椅子に腰かけている。全員が虚空を見つめ、呼吸をしていない。ほのかな輝きを放つ容器が、人数分近くに置かれている。 【器用ロール】(目標値:3+所持する手がかりの数)を行い、成功すれば「何かを抜き取られた」人々を回復させることができる。 成功時:手がかりを1つ入手する。 失敗時:出目74へ移動する。(出目74は1回の〈できごと〉としてカウントされない。) ◎ 容器の中身を無理やり口の中に流し込むと、人々の意識が戻った。助けられた人物たちは、口々に感謝を述べ情報をくれる。   だが、今見たものが何だったのか、疑問は消えない。まさか、あれが抜き取られた魂だったとでもいうのだろうか。 ----------------------------------------------- ○出目15 〈空っぽの小屋〉 神殿の一部に、ほとんど空っぽの小屋が建っている。ひどい悪臭が漂っているが、同時に貴重な品が保管されている予感がする。 【器用ロール】(目標値:3+所持する手がかりの数)を行い、成功すれば魔法の宝物を見つけることができる。 成功時:魔法の宝物表を振る。 失敗時:出目75へ移動する。(出目75は1回の〈できごと〉としてカウントされない。) ◎ 絶対に、何かが間違っている。誰もいない小屋の中に、巨大な何者かの息遣いを感じる。 ----------------------------------------------- ○出目16 〈憑りつかれた画家〉 ひとりのエルフが、一心不乱に絵を描きなぐっている。 大悪魔クトゥウルウの影響で、絵を描くことに憑りつかれているらしい。 協力して絵を完成させられれば、正気に戻すことができるかもしれない。 【器用ロール】(目標値:3+所持する手がかりの数)を行い、成功すればエルフを正気に戻すことができる。 成功時:エルフの画家は完成した作品に満足し、正気に戻る。     だが、この人物を本当に救いたいなら連れていかなければならない。     連れていく場合、彼は技量点0点の戦わない従者と見なされる。能力は特にない。     この人物を連れて冒険を終えた場合、「24〜26:冒険の成功」へ進む前に「22:助けたエルフ(サイドクエストA)」へ進む。 失敗時:出目75へ移動する。(出目75は1回の〈できごと〉としてカウントされない。) ◎ 「ありえざる世界が見える。聞こえざる声が聞こえる。描きとめねば。描きとめねば。」画家は、目を見開きながらぶつぶつとつぶやいている。   一度たりも、まばたきをしない。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  出目21〜26:●中立または友好的な弱いクリーチャー 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ●出目21 〈様子の怪しいノーム〉 出現数:1d6+4  レベル:4  宝物:通常  タグ:【善の種族】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜3【歓待】 4〜6【友好的】 この〈できごと〉で反応表を振った場合、手がかりを1つ入手する。 このクリーチャーの反応が【歓待】である場合、望むなら金貨10枚を支払うことで【麻痺】の状態を取り除くことができる。 ◎ 「旅の方、こちらへお越しください。お疲れのことでしょう。カンガルーキャット肉のあたたかいシチューがありますよ。」   我が目を疑う光景だ。こんなところで呑気に焚火を囲っているノームの一団がいるなんて。   だが、見間違いだろうか。今、ちらりと覗いた一人の舌に、眼のようなものが見えたような……。 ----------------------------------------------- ●出目22 〈祈りを捧げる狂信者〉 出現数:1d3+1 レベル:2+所持する手がかりの数  宝物:通常  タグ:【善の種族】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜3【中立】 4〜6【ワイロ】(出現数に関係なく手がかり1つ) このクリーチャーの反応が【中立】である場合、手がかりを1つ入手する。 【ワイロ】を支払った場合、従者として「教団員」を2人まで連れていくことができる。 (主人公が【黄金酒の王秘密教団】の一員である必要はない。教団員のルールは「7:このシナリオの特殊なルール1/3」に記載されている。) 戦闘になった場合、このクリーチャーは【死ぬまで戦う】。 ◎ ウヤ! ウヤ! クトゥウルウ・ぺソンブレ! ウヤ! ウヤ! クトゥウルウ・ぺソンブレ!   正気を失い、霊的な体験をしている祈り手たち。中には、完全に異なる宗教の信者まで混ざっているではないか。   これは、祈りなどではない。悪魔の仕掛けた洗脳の一種なのだと、その時気づく。 ----------------------------------------------- ●出目23 〈行商人だと名乗るきのこ人〉 出現数:1d3  レベル:6  宝物:この商人から購入できる商品すべてを1個ずつ  タグ:【少数種族】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜5【交易】 6【中立】 反応表の結果が【交易】だった場合、次の商品のうち1種類だけを1個だけ購入できる。 ・「手がかり1つ」                           金貨 10枚 ・「魔法の軽い武器」(性能は基本ルールに記載されているものと同様。)  金貨 20枚 ・「緑色の猫」(特に効果のない装備品として扱う。)           金貨 30枚または魔法の宝物1つ 戦闘になった場合、このクリーチャーは第1ラウンド終了時に逃走する。 ◎ 「旦那、良い情報がありますぜ。なんでも、ここいらの悪魔どもは魔法の武器が苦手なんだとか。それで、偶然ここにちょうど良い品があるんですがね……。」   このキノコ人は、危険な土地で商売をすることで生計を立ててきたらしい。それにしても、こんな場所にまで現れるとは。 ----------------------------------------------- ●出目24 〈逃げ出してきたかえる人〉 出現数:1d6+2  レベル:3  宝物:「赤色の猫」を1匹(特に効果のない装備品として扱う。)  タグ:【少数種族】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜3【友好的】 4〜6【敵対的】 反応表の結果が【友好的】だった場合、望むなら所持する手がかりを1つ手放してもよい。そうしたなら、「幼い赤猫」を1匹連れて行ってもよい。(特に効果のない装備品として扱う。) 反応表の結果が【敵対的】だった場合、手がかりを1つ入手する。 ◎ 壊れた足かせを着けたかえる人の一団が、岩陰に隠れている。彼らはいけにえとして連れてこられ、脱走したようだ。   「あんたらも、やつらの一員なんじゃねえのか。俺たちをだまそうとしてるんだろ。ただじゃあ捕まらねぇぞ。」 ----------------------------------------------- ●出目25 〈宝箱を運ぶスケルトン〉 出現数:1d3+2 レベル:4  宝物:修正+2  タグ:【アンデッド】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜4【歓待】 5〜6【中立】 反応表の結果が【歓待】だった場合、スケルトンは主人公を仲間だとみなす。彼らは持っている宝箱を地面に置き、どこかへと去っていく。 宝箱を開けたいなら【器用ロール】(目標値:3)を行うこと。 成功した場合、宝物表を修正+2で振る。 失敗した場合、手がかりを1つ入手する。 戦闘になった場合、特性が【打撃】の攻撃は【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 戦闘になった場合、このクリーチャーは【死ぬまで戦う】。 ◎ 元海賊の下っ端とおぼしきスケルトンが、えっほえっほと何かを運んでいる。よく見ると、それは宝箱ではないか。   もしかすると、クトゥウルウ信者たちの活動資金なのかもしれない。相手には敵意がなさそうなので、お宝をいただく好機だ。 ----------------------------------------------- ●出目26 〈落ちくぼんだ眼の猫人〉 出現数:1  レベル:5  宝物:修正+1  タグ:【少数種族】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜6【友好的】  このクリーチャーと遭遇した際、手がかりを1つ入手する。 反応表の結果が【友好的】だった場合、この冒険を終えたあと「24〜26:冒険の成功」へ進む前に「23:猫人の4猫たち(サイドクエストB)」へ進む。 ◎ 1人の猫人が、途方に暮れている。   「私の4匹の愛猫たちが、いけにえとしてさらわれたの。ここまで救出に来ることはできたけど、探しても一匹も見つけられなくて……。」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  出目31〜36:□イベント 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 □出目31 〈場違いな猫〉 望むなら、「黒色の猫」を1匹連れていくことができる。 「黒色の猫」は特に効果のない装備品として扱う。 ◎ よく見ると、しっかりした首輪をしている。何者かによってここに連れてこられたに違いない。 ----------------------------------------------- □出目32 〈輝く多面体〉 【呪い】にかかる。この呪いによって、以下の2つのうち、先に適用できる方の効果が起こる。 ・この冒険において次に【善の種族】に出会った際、≪反応表≫を振ることができず即座に戦闘になる。 ・この冒険において次に十の位が1の〈できごと〉を体験する際、求められる【器用ロール】は自動的に失敗となる。  (【筋力ロール】【幸運ロール】【魔術ロール】で代用した場合も同様。) 上記の2つの効果の内どちらかが起こると、この【呪い】は取り除かれる。 また、【祝福】の奇跡等によってもこの【呪い】は取り除くことができる。 ◎ 机に置かれた宝石の中に、赤黒いモヤのようなものが蠢いている。   それが燃える悪魔の瞳だと気づいたときには、もう遅い。 ----------------------------------------------- □出目33 〈漂着した幽霊船〉 出目25〈宝箱を運ぶスケルトン〉で【歓待】を受けているなら、そのときのスケルトンがここに帰っている。仲間だとみなされ、宝物表を修正+2で振る。 出目25〈宝箱を運ぶスケルトン〉でスケルトンを倒していたら、下記の強いクリーチャーである〈船長の亡霊〉と戦う。 上記の2つのどちらにも当てはまらないなら、下記の弱いクリーチャーである〈宝を守るスケルトン〉と戦い、さらにその後〈船長の亡霊〉とも戦闘する。 〈宝を守るスケルトン〉 出現数:1d3+2 レベル:4  宝物:手がかり1つ  タグ:【アンデッド】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜6【死ぬまで戦う】 特性が【打撃】の攻撃は【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 戦闘になった場合、このクリーチャーは【死ぬまで戦う】。 〈船長の亡霊〉 レベル:5  生命点:4  攻撃回数:2  宝物:修正+2  タグ:【アンデッド】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜6【死ぬまで戦う】 いずれかの主人公が【呪い】を受けているなら、このクリーチャーの攻撃回数は3になる。 特性が【打撃】の攻撃は【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 戦闘になった場合、このクリーチャーは【死ぬまで戦う】。 ◎ 潮風にたなびく、ドクロの旗が物語る。かつてこの船は海賊船だったのだと。   フジツボだらけの船体に空いた横穴から、宝箱を抱えたアンデッドが姿を現す。 ----------------------------------------------- □出目34 〈真実の描かれた壁画〉 【幸運ロール】を1〜3回の内で望む回数行う。(目標値:5) 失敗した回数1回につき、1つの手がかりを入手する。 その後、成功した回数1回につき、以下の選択肢から1つを1回実行する。(同じ選択肢を複数回選んでもよい) ・手がかりを1つ失う ・【呪い】か【麻痺】の状態を取り除く。 ・この冒険で次に戦闘する際、相手のレベルを1下げる。(相手のレベルは0より小さくはならない。) ◎ 壁一面に、レリーフが彫り込まれている。真剣に見ると、有益な情報もありそうだ。   ほのめかす程度にだが、別の世界に住む悪魔の大軍勢がいつかアランツァに流れ込んでくることが示唆されているのかもしれない。    ----------------------------------------------- □出目35 〈忌まわしき祭壇〉 魚神ペソンブレを祀った祭壇がある。 1人の末裔がいけにえ台に縛り付けられたまま、放置されている。 望むなら、この人物を【捕虜】として連れて行ってもよい。(この時、ロープは必要ではない。) ◎ 「やつらを内部からスパイできると信じていたんだ。だが、バレちまってこのざまだよ。」   末裔は、口に付けた骨製のピアスを指で回転させながら、真偽の分からないことを話す。   「証拠だって? それなら、確かにあったんだ。とある場所に隠したんだが、見つかるかどうか……。」    ----------------------------------------------- □出目36 〈大神殿の巨像〉 今回が1回目の冒険の場合、手がかりを1つ入手する。 今回が2回目の冒険の場合、最終イベントにおいて〈燃える三つ目の跳梁者 ナラットハトチェプス〉の攻撃回数が1回多くなる。 今回が3回目の冒険の場合、最終イベントにおいて〈大いなるクトゥウルウ〉の生命点が1点上昇する。 ◎ イソギンチャクを思わせる触手に、埋め尽くされた頭部。ねじくれた肌を持つ、ドラゴンのような体躯。無数に生えた大小の腕。蟹のようなハサミ。   悪夢からそのまま飛び出てきたような、大悪魔。たとえ彫像だとしても、その威圧感は空間を歪めるほど圧倒的だ。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  出目41〜46:■トラップ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ■出目41 〈不気味な象牙細工〉 難易度4 対象 従者(【捕虜】は含まない)を2人ランダムに選ぶ 【ゴーレム】か【アンデッド】に属するキャラクターはこの対象とならない。 対象となるキャラクターの人数が足りない分は無効となる。 対象の従者は【魔術ロール】か【幸運ロール】を行う。(目標値:4)(どちらを行うかは自由に選べる。) 判定に失敗した場合、そのキャラクターは冒険が1回終了するまで【捕虜】として扱われる。(この時、ロープは必要ではない) ◎ 気づくと、従者がエレファスの牙で出来た象牙細工を握りしめている。どこかで拾ったそれを、従者はかたくなに手放そうとしない。   その細工は人間のような形をしているが、顔がなくどこか不気味なものだ。次第に、従者は細工に心を奪われ、そのこと以外考えられなくなっていく。    ----------------------------------------------- ■出目42 〈トムトムのいざない〉 難易度4 対象 パーティー全員 パーティー全員は【魔術ロール】か【幸運ロール】を行う。(目標値:4)(どちらを行うかは自由に選べる。) 判定に失敗したキャラクターは、【麻痺】の状態となる。(このシナリオにおいて【麻痺】は重複しない。) この方法で【麻痺】したキャラクターは、この冒険の間あらゆる判定ロールに−1の修正を負う。 この【麻痺】は、【祝福】の奇跡などの方法で取り除くことができる。 ◎ ドン、ドン、ドン……ドドドドン……ドン、ドン……   どこからか、太鼓(トムトム)をたたく音が聞こえてくる。どこか不安を掻き立てるリズムだ。 ----------------------------------------------- ■出目43 〈這い寄る冷気〉 難易度(所持する手がかりの数) 対象 パーティー全員 対象のキャラクターは【筋力ロール】を行う。(目標値:所持する手がかりの数)   判定に失敗したキャラクターは、次の戦闘において〈攻撃ロール〉に−1の修正を受ける。 ◎ 凍っている。神殿の一室が、完全に。   生命に危機を感じるほどの冷気が頬を撫で、足や腕にしがみついてくる。 ----------------------------------------------- ■出目44 〈飛び出す触手〉 難易度5 対象 ランダムに1人 手がかりを1つ入手する。 対象のキャラクターは【筋力ロール】を行う。(目標値:5)   判定に失敗したキャラクターは、2点の生命点を失う。 ◎ 巨大すぎるイソギンチャクのような触手が、突然壁を突き破って現れる。   どろどろの粘液を滴らせるそれは、犠牲者を押しつぶそうと猛烈な勢いで迫ってくる。 ----------------------------------------------- ■出目45 〈立ちこめる瘴気〉 難易度3+所持する手がかりの数 対象 各主人公 対象のキャラクターは【器用ロール】を行う。(目標値:3+所持する手がかりの数)   判定に失敗したキャラクターは食料を全て失う。 ◎ 太古の時代から海底に封じられてきた瘴気が、充満している。   そのあまりの毒気は、即座に食物を腐らせるほどだ。 ----------------------------------------------- ■出目46 〈狂える者の書庫〉 難易度6 対象 従者または【捕虜】を一人選択 手がかりを1つ入手する。 対象のキャラクターは【器用ロール】を行う。(目標値:6) 判定に成功した場合、魔法の宝物表出目1に記載されている〈禁断の書物〉を入手する。 判定に失敗したキャラクターは、行方不明になって帰ってこない。(死亡したものとして扱われる。) ◎ 善の種族の顔の皮膚を素材に装丁された書物が並んでいる。ひどく悪趣味な書庫だ。   よほど邪悪な者か、もしくは狂ってしまった者だけが耐えることのできる空間といえるだろう。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  出目51〜56:◇弱いクリーチャー 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◇出目51 〈トランス状態の末裔〉 出現数:1d6+5  レベル:3  宝物:通常  タグ:【少数種族】【水中】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜4【ワイロ】(出現数に関係なく捕虜を1人) 5〜6【死ぬまで戦う】 戦闘になった場合、このクリーチャーは【死ぬまで戦う】。 ◎ ウヤ、クトゥウルウ!! 狂信的な叫びとともに、末裔たちが押し寄せる。   口からは泡を吹き、その目の焦点は、全く合っていない。わなわなと震える腕には、血まみれのこん棒が握られている。 ----------------------------------------------- ◇出目52 〈環状列石を見張る魔犬獣〉 出現数:1d3+3  レベル:4  宝物:通常  タグ:【悪の種族】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜2【劣勢なら逃走】 3〜6【敵対的】 いずれかの主人公が負傷している(生命点が最大値より低くなっている)なら、このクリーチャーのレベルは1上昇する。 このクリーチャーに勝利した場合、この冒険の最終イベントで遭遇する敵の生命点が1減少する。 ◎ 神殿の中庭に足を踏み入れる。そこには、ほのかに発光する巨石が輪のように並べられている。   この地で行われる邪悪な儀式と関係していることは明白だ。番人である魔犬獣がうなり声を上げながらワラワラと集まってくる。 ----------------------------------------------- ◇出目53 〈奴隷を盾にするブヨブヨ悪魔〉 出現数:1d6+所持する手がかりの数  レベル:4  宝物:手がかり1つ  タグ:【悪魔】  攻撃特性:【炎】 ≪反応表≫ 1〜3【ワイロ】(出現数に関係なく生命点2点、主人公または【捕虜】から) 4〜6【敵対的】 戦闘になった場合、特性が【斬撃】か【打撃】の攻撃は【攻撃ロール】に−1の修正を受ける。 このクリーチャーに勝利した場合、【逃走】した敵の数と同数まで【捕虜】を連れて行ってもよい。 (この【捕虜】は、盾に縛られていた奴隷たちだ。この時、ロープは必要ではない) ◎ ブヨブヨに膨れ上がった肉の塊が、ニチャリと歪んだ笑顔を浮かべる。青白い皮膚に血管が浮き上がるその姿は、醜悪という他ない。   連中が装備する盾には、奴隷たちが縛り付けられている。心の醜悪さは、見た目のそれすらも上回っているようだ。 ----------------------------------------------- ◇出目54 〈乱れ咲くオドリヅタ〉 出現数:1d3+5  レベル:4  宝物:修正−1  タグ:【植物】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜5【敵対的】 6【中立】 戦闘になった場合、特性が【斬撃】または【炎】の攻撃は【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 このクリーチャーからは【逃走】できない。 ◎ 到底植物とは思えない速度で、うねるツタが跳びかかってくる。   その毒々しい奇抜な色の花の模様は、まるで苦しむ動物の顔のように感じられる。 ----------------------------------------------- ◇出目55 〈錯乱したウミへビ人〉 出現数:1d6+1  レベル:2+所持する手がかりの数  宝物:手がかり1つ  タグ:【少数種族】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜3【敵対的】 4〜6【死ぬまで戦う】 ≪反応表≫ を振った場合、第0ラウンドに【幸運ロール】(目標値:4)を行う。 成功した場合、このクリーチャーは内輪もめをはじめ、全滅する。 失敗した場合、このクリーチャーの出現数が2体増える。 このクリーチャーの攻撃で生命点を1点でも失ったキャラクターは、戦闘後【麻痺】の状態となる。 (このシナリオにおいて【麻痺】は重複しない。) この方法で【麻痺】したキャラクターは、この冒険の間あらゆる判定ロールに−1の修正を負う。 この【麻痺】は、【祝福】の奇跡などの方法で取り除くことができる。 ◎ オレンジ色、白色、黒色の縞模様の肌が、ローブのすき間からぬるりと這い出している。   このウミヘビ人たちも、悪魔の手下に間違いない。錯乱状態にあるのか、のたうつように近づいてくる。 ----------------------------------------------- ◇出目56 〈押し寄せる星の落とし子〉 出現数:1d3+2  レベル:4  宝物:修正+1  タグ:【悪魔】  攻撃特性:【酸】 ≪反応表≫ 1【逃走】 2〜6【敵対的】 第0ラウンドに、このクリーチャーは酸を吐く。これは、攻撃特性【酸】の飛び道具による攻撃とみなされる。 (このクリーチャーは武器を持ちかえる必要がないため、第1ラウンドにも通常通り攻撃する。) ◎ ギトギトの触手で覆われた、子犬ほどの大きさのそれは、ぎこちないリズムで脈打っている。   見たこともない生き物だ。酸を吐かれてはじめて、悪魔の一種と対峙しているのだと気づく。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  出目61〜66:◆強いクリーチャー 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ◆出目61 〈宝物庫の番人たるスフィンクス〉 レベル:4  生命点:8  攻撃回数:2  宝物:修正+2  タグ:【怪物】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜5【ナゾナゾ】(効果は以下に記述) 6【敵対的】 ≪反応表≫ の結果が【ナゾナゾ】である場合、【幸運ロール】か【魔術ロール】を行う。(目標値:4)(どちらを行うかは選べる。) 成功した場合、このクリーチャーは【逃走】する。 失敗した場合、このクリーチャーは【死ぬまで戦う】。 ◎ 「朝は足が16本、昼は足がなく、夜は足が6本。この生き物は、何か。」   巨大な体躯とは裏腹に、この怪物はなぞかけが好きらしい。 ----------------------------------------------- ◆出目62 〈変異するトロール〉 レベル:6−所持する手がかりの数  生命点:2+所持する手がかりの数  攻撃回数:1+所持する手がかりの数  宝物:通常  タグ:【少数種族】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜3【無視】(【中立】と同様) 4〜6【敵対的】 ≪反応表≫の結果が【無視】である場合、手がかりを1つ入手する。 戦闘になった場合、特性が【炎】の攻撃は【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 ◎ 大地が、揺れる。肩から、頭から、腹から、腕から、無数の触手が生え、もはや原形すら分からなくなりつつある巨体が、闊歩しているのだ。   邪悪な儀式の実験体なのだろうが、その姿からは成功したのか失敗したのか分からない。 ----------------------------------------------- ◆出目63 〈龍人のミイラ〉 レベル:5  生命点:5  攻撃回数:2  宝物:修正+1  タグ:【アンデッド】【龍族】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜2【無視】(【中立】と同様) 3〜6【敵対的】  戦闘になった場合、パーティーの誰かが【呪い】にかかっているなら、このクリーチャーは【死ぬまで戦う】。 戦闘中、魔法の武器による攻撃は、【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 ◎ 乾燥したカサカサの鱗が、ひび割れ、砕けてパラパラと散っていく。邪悪な光が灯った瞳には、もはやかつての知性は欠片も残っていない。   それでも、古びた包帯の間から見えるその巨躯は、龍人としての威圧感を十分に残している。 ----------------------------------------------- ◆出目64 〈盲目の偉大なる精神交換者〉 レベル:6−所持する手がかりの数  生命点:2  攻撃回数:2  宝物:通常 タグ:【悪魔】【植物】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫1〜6【死ぬまで戦う】 戦闘になった場合、このクリーチャーは【死ぬまで戦う】。 戦闘の開始時、戦う従者がいる場合、その中からランダムに1人を選び【魔術ロール】または【幸運ロール】(目標値:5)を行う。(どちらを行うかは自由に選べる。) 失敗した場合、その従者はこのクリーチャーと精神を交換される。 続く第0ラウンドから、その従者は敵として主人公たちに対して可能であれば攻撃する。 (その際、レベルは犠牲者の技量点+4となり、攻撃特性や生命点など適応可能なその他の能力は引き継がれる。犠牲者は強いクリーチャーと見なされ、攻撃回数は2回となる。) 犠牲者と同じタイミングで、このクリーチャーは死亡する。 もし主人公側が犠牲者を攻撃することをためらうなら、毎ラウンド攻撃しないことを選んでもよい。 第1ラウンド以降ラウンドの終了時に再度【魔術ロール】または【幸運ロール】(目標値:5−現在のラウンド数)を行う。 成功すれば、精神は元に戻される。 なお、犠牲者の精神が移されているこのクリーチャーの身体自身は、どちら側でも戦闘に参加できない。 ◎ それは、一見ただの植物に思えた。   吊り下げられた果実が、目を見開き、呪詛を唱え始めるまでは。 ----------------------------------------------- ◆出目65 〈狂信者の幹部〉 レベル:5  生命点:3  攻撃回数:2  宝物:手がかり1つ  タグ:【善の種族】【魔法使い】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜3【ワイロ】(手がかり1つ) 4〜6【死ぬまで戦う】 第0ラウンドに、このクリーチャーは「氷槍」の呪文を1回だけ使用する。対象となる1人を自由に選ぶこと。 対象は【魔術ロール】か【幸運ロール】を行う。(目標値:4)(どちらを行うかは自由に選べる。) 判定に失敗したキャラクターは、生命点を2点失う。 このクリーチャーに勝利した場合、この冒険の最終イベントで遭遇する敵の攻撃回数が1減少する。 ◎ 「貴様らか、我らの取引の書状を盗んだ盗人どもは!」   ドワーフが、意味不明なことをわめく。彼はこの神殿に集まった狂信者たちの集まりの幹部らしい。 ----------------------------------------------- ◆出目66 〈異界からのゴレミョーシカ〉 レベル:5  生命点:4  攻撃回数:5−所持する手がかりの数  宝物:なし  タグ:【ゴーレム】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜6【死ぬまで戦う】 戦闘になった場合、このクリーチャーは【死ぬまで戦う】。 特性が【打撃】の攻撃は【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 このクリーチャーを倒した場合、中から小さなゴレミョーシカが飛び出してくる。 更に以下のクリーチャーと戦闘すること。 〈小さな異界からのゴレミョーシカ〉 レベル:4  生命点:3  攻撃回数:5−所持する手がかりの数  宝物:修正+1  タグ:【ゴーレム】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜6【死ぬまで戦う】 戦闘になった場合、このクリーチャーは【死ぬまで戦う】。 特性が【打撃】の攻撃は【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 このクリーチャーも倒すと、最後に中から1匹の青い猫が出てくる。 どういう事情かは分からないが、こんなところに迷い込んでしまっていたらしい。 望むなら、「青色の猫」を1匹連れていくことができる。 「青色の猫」は特に効果のない装備品として扱う。 ◎ 鉄そのものと似た、血の匂い。腕に埋め込まれたその刃から、鮮血が滴っている。イカを思わせる頭部が、悪魔の姿を模した陶器の身体が、返り血に濡れている。   ゴレミョーシカとはマトリョーシカ状の構造を持つゴーレムだが、この地ではいけにえの処刑装置として使われているらしい。     〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜  出目71〜72:△襲い来る恐怖(これらの出目は一回の〈できごと〉として数えられない) 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 △出目71 〈あふれ出る光〉 この〈できごと〉はトラップである。 難易度2+所持する手がかりの数 対象 パーティー全員 【捕虜】を1人死亡させることで、この〈できごと〉は効果を発揮することなく終了する。 対象のキャラクターは【器用ロール】を行う。(目標値:2+手がかりの所持数)   判定に失敗したキャラクターは、1点の生命点を失う。 その後、1d6×5枚の金貨を入手する。 ◎ 井戸からの光が、視界一面の大嵐となって襲い来る。生き物のような光ではなく、光のような生き物なのだ。   精霊の一種であろうそれは、周囲の生命エネルギーを思うままに吸い上げ、どろどろに溶けた液体のような状態となって海へと流れ去っていく。   あんなものが流入した海を、この先いつかまた美しいと思えるのだろうか……。 ----------------------------------------------- △出目72 〈古代の樽型生物〉 強いクリーチャーである〈大ホヤイソギンチャク獣〉と戦う。 〈大ホヤイソギンチャク獣〉 レベル:4  生命点:6  攻撃回数:3  宝物:修正+2  タグ:【水中】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜6【敵対的】 戦闘中、【火球】の呪文を使うか、攻撃特性が【炎】の攻撃を行う場合、ガスに引火し爆発が起こる。 その場合、このクリーチャーは即座に死亡し、パーティーは合計2点の生命点を失う。(誰が何点失うかは、選ぶことができる。) ◎ 塚が揺れ、地鳴りが響く。次の瞬間、地面の爆発と共に塚で眠っていた古代の巨大水棲生物が姿を現す。   緑色のガスを噴き出すその生物の小さな瞳には、知性が宿っているのが感じられる。   この獣も、考えようによっては悪魔によって封じれていた、哀れな犠牲者なのだろう。 ----------------------------------------------- △出目73 〈タール状の何か〉 この〈できごと〉はトラップである。 難易度4 対象 (1+所持する手がかりの数)人の従者(捕虜を含む)を自由に選ぶ(人数が足りない分は無効となる。) 対象のキャラクターは【筋力ロール】を行う。(目標値:4)   判定に失敗したキャラクターは、番人の身体に押しつぶされ、1d3点の生命点を失う。 その後、基本ルールに含まれる「兵士」「ランタン持ち」「太刀持ち」「荷物持ち」各1人ずつのうち、望むだけの人物を従者にできる。 ◎ 牢屋の解錠に手間取っていると、暗闇に覆われた通路から、ティリリティ・ティリリティという笛のような音が聞こえてくる。   番人が帰ってきたのだ。誰もが、この状況を打破するため、番人を倒さねばならないと考えていた。   通路を埋め尽くすほど巨大なタール状の身体から、様々な動物の手足、感覚器、骨、内臓などが出ては消える、名状しがたい混沌のその姿を見るまでは。 ----------------------------------------------- △出目74 〈外側から来た真菌生物〉 弱いクリーチャーである〈菌類に寄生されたマナワーム〉と戦う。 〈菌類に寄生されたマナワーム〉 出現数:1d3+4  レベル:5  宝物:手がかり1つ  タグ:【虫類】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜6【ワイロ】(出現数に関係なく魔術点を合計2点) このクリーチャーへの【ワイロ】として、手がかり1つを魔術点1点分として何度でも使用することができる。 第0ラウンドに、このクリーチャーは魔力を凝縮させ小さな稲妻のようなものを発射する。これは、攻撃特性【雷】の飛び道具による攻撃とみなされる。 (これは反動のある攻撃であるため、第1ラウンドにこのクリーチャーは攻撃できない。) ◎ それは、見慣れたマナワームのように思えた。だが、近づいてくると姿も様子も違うことに気づく。   この地に充満する有害な菌類が彼らに寄生し、狂暴化させているようだ。その動きから、異様に知能が高くなっていることが感じられる。   まさか、この連中が人々から何かを抜き取った犯人なのだろうか……。 ----------------------------------------------- △出目75 〈見えざる巨大獣〉 この〈できごと〉はトラップである。 難易度2+所持する手がかりの数 対象 ランダムに2人(人数が足りない分は無効となる。) 対象のキャラクターは【魔術ロール】か【幸運ロール】を行う。(目標値:2+手がかりの所持数) 判定に失敗したキャラクターは、1点の生命点を失う。 1人でも判定に成功した場合、強いクリーチャーである〈透明な丸々獣〉と戦う。 〈透明な丸々獣〉 レベル:5  生命点:4  攻撃回数:2  宝物:魔法の宝物1つ(魔法の宝物表を振る) タグ:【動物】【家畜】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜6【敵対的】 このクリーチャーは1点でも生命点を失った後、即座に【逃走】する。 このクリーチャーに対する攻撃ロールは−1の修正を受ける。 ◎ 巨大な獣が、誰もいない小屋の中で暴れまわる。   姿は透明で見えないが、確かにそれは存在する。 ----------------------------------------------- △出目76 〈笑う食屍鬼〉 強いクリーチャーである〈エルフの食屍鬼〉と戦う。 〈エルフの食屍鬼〉 レベル:5  生命点:2  攻撃回数:1+所持する手がかりの数  宝物:修正+1 タグ:【人間型】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜6【敵対的】 このクリーチャーと戦う場合、第0ラウンドは存在せず、第1ラウンドから戦闘がはじまる。 所持する手がかりの数が2つ以下の場合、このクリーチャーは主人公たちより先に攻撃する。 ◎ その絵に描かれていたのは、善の種族の死体を喰らい、歪んだ笑顔を浮かべる食屍鬼の姿に思えた。   黙り込むエルフに触れようとすると、その頭部はあり得ない方向にぐるりと回転してこちらに向く。   その表情は、絵の中の食屍鬼が浮かべる歪んだ笑顔そのものだ。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   14:宝物表 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲  『宝物表に関して』 本作の宝物表は基本ルールの項目39に書かれている表と異なります。このシナリオのみ、こちらの表を優先してください。 宝物表は以下の通りです。  ▽宝物表 ≪1d6で決定≫ 出目【1以下】 1つの手がかり 出目【2】   2d6枚の金貨 出目【3】   2d6枚の金貨(下限は金貨5枚) 出目【4】   1個のアクセサリー(1d6×所持する手がかりの数の金貨と同等の価値) 出目【5】   1個の宝石・小(1d6×5枚の金貨と同等の価値。下限は金貨15枚の価値) 出目【6】   1個の宝石・大(2d6×5枚の金貨と同等の価値。下限は金貨30枚の価値) 出目【7以上】 魔法の宝物表を振る(項目15を参照すること) ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   15:魔法の宝物表 ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 「魔法の宝物表を振る」という記述に出会ったさい、ひとつの出目において一度だけ、1d6を振って獲得できる宝物を決定します。 サイコロ次第では何度でも同じ出目の宝物を得ることができます。 本作の魔法の宝物表は基本ルールの項目39に書かれている表と異なります。このシナリオでのみ、こちらの表を優先してください。 出目【1】 〈禁断の書物〉   この書物は、読者に知られざる世界の真実についての知識を与えるという。 だが、その知識はあまりにも有害だ。到底真実として受け入れることなど、できようはずもない。 〈できごと〉と〈できごと〉の間にだけ使用できる。(d66表を振ってから、使用を判断できる。) 使用すると、手がかりを1つ入手する。 〈禁断の書物〉は【魔術点】を消費しない。 この宝物はこのシナリオ内(3回の冒険のいずれか)でしか使用できない。また、1回だけしか使えない。 使用前も使用後も売却する場合10枚の金貨と同等の価値の本として扱われる。 ----------------------------------------------- 出目【2】 〈灼熱のアネラス〉 魔法のかかった片手武器。灼熱の刀身を持つ広刃剣。 各戦闘において、使用者の攻撃で相手の生命点を減らすまで【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 この武器による攻撃の特性は【炎】である。 ----------------------------------------------- 出目【3】 〈鈍く輝く王冠〉 見たこともない金属でできた、歪な王冠。 眺めていると、どことなく不気味さを感じずにいられない。 所持している間、各主人公は常に【攻撃ロール】に+1、【防御ロール】に−1の修正を受ける。 〈鈍く輝く王冠〉は【魔術点】を消費しない。 この宝物は、1回冒険を終えるとぼろぼろになり、効果と価値を失う。 ----------------------------------------------- 出目【4】 〈白銀のカギ〉 この神殿のどんな扉でも、一度だけ開くことができる魔法のカギ。 d66で〈できごと〉を決める際に使用し、任意の出目が出たものと扱うことができる。 ただし、十の位が7の〈できごと〉に直接進むことはできない。 この宝物は、1回冒険を終えるとぼろぼろになり、効果と価値を失う。 ----------------------------------------------- 出目【5】 〈ヒスイの魔除け〉 〈できごと〉と〈できごと〉の間に使用できる。(d66の出目を見た後で使用を判断できる。十の位が1の〈できごと〉から十の位が7の〈できごと〉に移動する際も使用できる) 使用した場合、手がかりをすべて失う。 〈ヒスイの魔除け〉は【魔術点】を消費しない。 この宝物は1回だけしか使えない。使用後は10枚の金貨と同等の価値の宝石として扱われる。 ----------------------------------------------- 出目【6】 〈クトゥウルウの彫像〉 禍々しい悪魔が、玉座らしきものに座っている姿を模した立体物。 この彫像を持っている間、本来の所持数とは関係なく、常に手がかりを所持できる最大数持っているものとして扱われる。 1回冒険を終えると効果を失う。売却する場合、効果を失っているかどうかと関係なく金貨100枚で売れる。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   16:中間イベント:〈濡れたオベリスク〉(今回が1回目の冒険の場合) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 弱いクリーチャーである〈狂える末裔の群れ〉と戦う。 〈狂える末裔の群れ〉 出現数:1d6+手がかりの所持数  レベル:3  宝物:修正+1  タグ:【少数種族】【水中】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜6【死ぬまで戦う】 このクリーチャーは濡れたオベリスクに貯められた魔力に守られている。 そのため、第0ラウンドは発生せず、第1ラウンドから戦闘が開始する。 戦闘になった場合、特性が【斬撃】の攻撃は【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 ◎ クトゥウルウを崇拝する末裔たちが、そびえたつオベリスクの周辺に集まっている。   「我らが司祭ギルマール・ウェニドリーは、クトゥウルウの復活儀式を成し遂げる力を得るため、かの存在のしもべである水悪魔ダゴヌスと一体になられるのだ。」   「邪魔する者は、誰であれ排除する。特に司祭が嫌う猫は必ず排除する。」    ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   17:中間イベント:〈顔のない悪魔〉(今回が2回目の冒険の場合) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ この中間イベントはトラップである。 〈顔のない悪魔〉 難易度2+所持する手がかりの数 対象 従者全員(捕虜は含まない) 対象の全キャラクターは【筋力ロール】を行う。(目標値:2+所持する手がかりの数)   判定に失敗したキャラクターは連れさられ、パーティーを離れる。 誰が連れ去られたかは記録しておくこと。 ◎ 顔のない悪魔が空から現れ、突然従者を連れ去る。   それはあっという間の出来事だった……。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   18:中間イベント:〈封印された扉〉(今回が3回目の冒険の場合) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ この中間イベントはトラップである。 〈封印された扉〉 難易度6−所持する手がかりの数 対象 各主人公 対象の全キャラクターは【幸運ロール】を行う。(目標値:6−所持する手がかりの数) 判定に失敗したキャラクターの数と同じだけの手がかりを入手する。 ◎ 大悪魔クトゥウルウが待つ深淵に続く大扉。その前に、とうとう立つ。   内部から流れ出る冷えた霊気が、地の底から響く怨霊たちの声が、全身に全力の警告を発する。   「近寄ってはいけない、帰れ」と。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   19:最終イベント:〈嘆きの水悪魔 ダゴヌス〉(今回が1回目の冒険の場合) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 強いクリーチャーである〈嘆きの水悪魔 ダゴヌス〉と戦う。 〈嘆きの水悪魔 ダゴヌス〉 レベル:2+所持する手がかりの数  生命点:4  攻撃回数:3  宝物: 修正+2  タグ:【悪魔】【少数種族】【水中】  攻撃特性:【斬撃】 ≪反応表≫ 1〜6【死ぬまで戦う】 戦闘前、「赤色の猫」「青色の猫」「緑色の猫」「黒色の猫」のいずれかを所持している場合、このクリーチャーの攻撃回数は2回になる。(この効果は重複しない。) このクリーチャーと戦う場合、戦闘の間「魔法の武器」による攻撃は【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 ◎ 邪神復活儀式の祭壇までたどり着くと、そこには一匹の「末裔」がうずくまっている。末裔の邪悪なる司祭、ギルマール・ウェニドリーだ。   彼は見る間に「生まれ変わって」いく。   生臭い血しぶきと共に骨が突き出し、筋肉が限界を超えて引きちぎれながら止めどなく隆起する。鱗に覆われた体躯そのものが何倍にも肥大化する。   クトゥウルウに仕える水悪魔、ダゴヌスと一体化したのだ。深海魚じみた頭部に備わる眼からは、ぬめる黒い体液が涙のごとく流れ続けている。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   20:最終イベント:〈燃える三つ目の跳梁者 ニャルラトハトチェプス〉(今回が2回目の冒険の場合) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 強いクリーチャーである〈燃える三つ目の跳梁者 ニャルラトハトチェプス〉と戦う。 〈燃える三つ目の跳梁者 ニャルラトハトチェプス〉 レベル:5  生命点:7−所持する手がかりの数  攻撃回数:1d3+1(毎ラウンド決定)  宝物: 修正+2  タグ:【悪魔】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜6【死ぬまで戦う】 戦闘前、中間イベント:〈顔のない悪魔〉によって連れ去られていた従者たちがパーティーに合流する。 このクリーチャーと戦う場合、戦闘の間「魔法の武器」による攻撃は【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 最大数まで手がかりを所持しているなら、このクリーチャーの攻撃回数は1d3+1回ではなく4回となる。 第0ラウンドに、このクリーチャーは1回だけ叫び声を上げ、主人公たちの感覚を鈍らせようとする。(これは【音】による魔法の呪文である。) 各主人公と戦闘に参加する従者全員はそれぞれ【魔術ロール】か【幸運ロール】を行う。(目標値:2+手がかりの所持数)(どちらを行うかは自由に選べる。) 判定に失敗したキャラクターは、この戦闘の間全ての【判定ロール】において1〜3の出目がファンブルとなる。 ◎ この神殿を海底から浮上させたのは、誰か? ギルマール・ウェニドリーを堕落させ、悪魔を崇拝する司祭に仕立て上げたのは?   そもそも、大悪魔クトゥウルウが魚神ペソンブレの同盟者だという話はどこから来た? その姿を見たとき、全ての疑問が解ける。   空を覆うほど巨大な翼。燃えるような3つの目。泡立つ巨体に備えた数多の口から、あらゆる妄言を吐き出すその姿を。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   21:最終イベント:〈大いなるクトゥウルウ〉(今回が3回目の冒険の場合) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 強いクリーチャーである〈大いなるクトゥウルウ〉と戦う。 〈大いなるクトゥウルウ〉 レベル3+所持する手がかりの数  生命点:5+所持する手がかりの数  攻撃回数:1+所持する手がかりの数  宝物: 修正+3  タグ:【悪魔】【水中】  攻撃特性:【打撃】 ≪反応表≫ 1〜6【死ぬまで戦う】 このクリーチャーと戦う場合、戦闘の間「魔法の武器」による攻撃は【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。 このクリーチャーからの攻撃に対しての【防御ロール】でファンブルした場合、通常の1点ではなく2点の生命点を失う。 第0ラウンドに、このクリーチャーは1回だけ狂気の波動を放ち、精神を一時的にパニック状態に陥れようとする。(これは魔法の呪文である。) 各主人公と戦闘に参加する従者全員はそれぞれ【魔術ロール】か【幸運ロール】を行う。(目標値:2+手がかりの所持数)(どちらを行うかは自由に選べる。) 判定に失敗したキャラクターは、第0ラウンドと第1ラウンドに【攻撃ロール】を行うことができない。 ◎ 狂気の源。悪夢の主。邪悪なる者たちの王。畏怖すべき大悪魔が、地の底の玉座で待ちかまえている。   その光る6つの眼の視線に射貫かれたとき、全身の肌が泡立ち、心臓を鷲掴みにされたような感覚に襲われる。   伝承に語られる古代からの脅威が、いまその無数の腕を広げ、眼前に立ちはだかる。宿命の時が、訪れたのだ。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   22:助けたエルフ(サイドクエストA) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ 助けられたエルフと、トーンの街で再会する。 彼は丁寧に礼を述べ、自らの家に招待してくれる。 このエルフは元々芸術家だったらしく、創作のインスピレーションを求める心を悪魔につけこまれたようだ。 アトリエを見学すると、その専門がそもそも怪物や悪魔等をモチーフにした作品であることが分かる。 彼はもう自ら神殿に渡るような無謀な行為はしないが、そこでの体験を聞かせてくれることは嬉しいと話す。 ここで、この冒険内から持ち帰っていた(全てなくなる予定の)手かがりを消費することで、以下の特典を得ることができる。(渡した手がかりの数は、3回の冒険を通して累積する。) 渡した手がかり1つ目:1d3+4枚の金貨 渡した手がかり2つ目:1d6+4枚の金貨 渡した手がかり3つ目:聖水1つ 渡した手がかり4つ目:2d3+4枚の金貨と同様の価値の宝石 渡した手がかり5つ目:2d6+4枚の金貨と同様の価値の宝石 渡した手がかり6つ目:魔法の両手武器1つ(攻撃特性は【斬撃】か【打撃】から自由に選ぶこと。) 渡した手がかり7つ目:1d6×1d6枚の金貨と同様の価値の絵画 渡した手がかり8つ目:2d3×2d3枚の金貨と同様の価値の立体物 渡した手がかり9つ目:特別な魔法の宝である「モーレの神樹のメイス」(片手武器。攻撃特性は【打撃】。【アンデッド】に対して常に【攻撃ロール】に+1の修正を受ける。) 渡した手がかり10つ目以上:1d6+4枚の金貨 今後このシナリオで冒険を終える度、項目24〜26の冒険の成功に進む前にこの項目を訪れることができる。 ◎ 「もっと、もっと聞かせてくれ。知りたいんだ。インスピレーションがどんどん湧いてくる!」   話せば話すほど、彼の表情は神殿で出会った時のものと似てきているように感じる。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   23:猫人の4猫たち(サイドクエストB) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲ トーンの街に戻っていた猫人を訪ねる。 もしこのシナリオ内で見つけた猫を連れているなら、彼女のもとに返してあげることができる。 返した猫の種類によって、次の特典を得ることができる。 渡した猫が「赤色の猫」:聖水 渡した猫が「青色の猫」:治療のポーション 渡した猫が「緑色の猫」:魔法の木盾 渡した猫が「黒色の猫」:弓矢 今後このシナリオで冒険を終える度、項目24〜26の冒険の成功に進む前にこの項目を訪れることができる。 ◎ 「ありがとう、私のかわいい猫たちを、私の命を返してくれて。」   彼女は、この猫たちのために、文字通り命を賭けても良いと思ったから神殿に渡っていたのだ。   4匹が揃うと、彼女は涙しながら感謝の言葉を繰り返す。「あら、見慣れない首輪をしている子がいるわね。神殿でも誰かに可愛がってもらっていたのかしら。」 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   24:冒険の成功(今回が1回目の冒険の場合) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲  悪魔の企みは阻止され、儀式は失敗に終わった。  これで狂信者たちもやがて散り散りになっていくだろう。  トーンに戻って依頼主に事の顛末を伝えると、彼女は安堵し、大いに喜ぶ。  街と末裔の集落の不和は、これを機に少しずつ解消されていく。  君は人々の心に、つかの間の平和をもたらすことができたのだ。  おめでとう。    同じ主人公で2回目の冒険をしたい場合、準備を整えて項目11:冒険の始まり(今回が2回目の冒険の場合)へ進む。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   25:冒険の成功(今回が2回目の冒険の場合) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲  ニャルラトハトチェプスを討ち取り、再び大悪魔の復活を失敗させる。  街に帰還後、成果を報告すると、評議会から感謝の書状を贈られる。  人々は口々にこの討伐劇を噂し、君の冒険は語り草となる。  狂信者たちに資金を送っていた黒幕も、判明するのは時間の問題だろう。   今は街の住人達と共に祝宴で歌い、踊ることにしよう。  君は二度までも街を救ったのだ。  おめでとう!  同じ主人公で3回目の冒険をしたい場合、準備を整えて項目12:冒険の始まり(今回が3回目の冒険の場合)へ進む。 ▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼▼   26:冒険の成功(今回が3回目の冒険の場合)(冒険後読むことを推奨) ▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲▲  最後の一撃を加えると、地を震わす断末魔と共に大悪魔クトゥウルウは消え去っていく。  高位の悪魔を真に滅ぼすことはできないが、このアランツァとは別にある悪魔の本来の世界へと送り返すことはできるのだ。  悪魔の最後の叫びが消えると、今度は神殿全体が哭き始める。  海面に浮上していたこの場所は、自ら海底へと沈もうとしているのだ。  大きな揺れによって一部が崩れ始める神殿を、大急ぎで脱出し、トーンへと帰還する。  偉業を成し遂げた勇者を、街は歓迎する。  人々には笑顔が戻り、盛大な宴が催され、新たな祝祭が生まれる。  大きな功績を上げた代償は評議会や貴族たちとの会食……を通して政治に巻き込まれていくことだ。  それを望まないのであれば、大げさな褒美や叙勲といった名誉とは距離を置く方が賢明かもしれない。  君は大悪魔を退け、悪夢に苦しめられていた人々を救った。  おめでとう!!  あの戦いの後、神殿は暗い海の底でひっそりと眠っている。支配者たる大悪魔が再び降臨する、その日を夢に見ながら……。  ところで、出目35〈忌まわしき祭壇〉で末裔を【捕虜】とし、生きたまま連れ帰っただろうか。  その場合、のちにその人物がトーンの沿岸部に暮らす末裔集落の代表の息子だと判明する。  彼は、「猫の首輪に、敵の取引の証拠を隠した」と主張する。  「黒色の猫」を連れ帰っていないなら、その証拠は見つからない。  代表の息子は処刑される。母親は自らの手でその決断を下せたことに、感謝を述べる。  「黒色の猫」を連れ帰っているなら、狂信者たちとトーンの某貴族が取引をしていた証拠となる書状が、猫の首輪から見つかる。  (サイドクエストBにおいて提出済みであっても、連れ帰ったことになる。)  貴族は末裔の集落と不仲であり、悪魔と取引することで権力を増そうと考え、資金を流していたのだ。  書状には、発覚を避けるために幽霊船と海賊のアンデッドを使役し、資金を輸送していたことまで書かれていた。  代表の息子の主張は真実であることが証明され、彼は無罪放免の上、功労者として武勲を認められる。  これは、隠された(サイドクエストC)である。達成しても、特別な特典はない。だが、君はトーンを救い、末裔たちの集落の未来をも救ったのだ。  おめでとう!!!  次の冒険が、君たちを待っている。