聖フランチェスコ郊外にあるハイホロウの村は、滅亡の危機に瀕していた。かつてこの土地を支配していた魔術師セグラスが造った地下迷宮。今は誰もいないはずのこの迷宮から、凶悪なクリーチャーが出没するようになったからだ。夜陰に乗じて怪物たちは村に近づき、村はずれに住む者たちをさらうようになった。弱い村人たちは反抗することができず、怪物たちは少しずつ大胆になっていった。 怪物が村に手を出すようになってから1ヶ月ほどが経ったある日の夕方、村を訪れる影があった。手勢の怪物を引き連れて、地下迷宮のあるじが姿を見せたのだ。全身を板金鎧で固めたあるじは、自らを「黄昏の騎士」と名乗った。黄昏の騎士は村人たちに、自分に恭順の意を示すように命令を下した。従わないのであれば、怪物たちは1人ずつ村人をさらい続けて、最後の1人まで地下迷宮の底に連れ去ると。そうなれば、待っているのは後悔の日々だと宣言していった。 ハイホロウ村の長は、聖フランチェスコ市に助けを求めた。市はこれに応じて、迷宮探索のエキスパートである冒険者の一団を募ることに決めた。政府から報酬こそ出ないが、迷宮内で見つけた財宝はすべて冒険者たちのものになるという、破格の措置である。