生物の身体の部位が無作為に出没する肉塊です。
新鮮な肉を全身で摂取することができ、そのたびに強くなります。
レベルの高い個体は知能も高いため、組織的な活動を見せる者たちもいます。
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神話によると最初の存在がいくつかに分かれたとき、混沌も誕生した。
原初の存在と呼ばれ、もっとも原始的な魔力を今もなお保持していると言われる。
その外見は肉のかたまりである。
身体の一部分を自由に変形することができ、瞳や口、鼻などの感覚器官にも変えられるし、カマキリの鎌やかぎ爪のような攻撃部位をつくることも簡単にやってのける。
ゴーブ地方のカオス平原では、殺しても殺しても湧き出てくる混沌との戦いが、いつ果てるともなく続いている。
小さい頃の混沌は知能も低く弱いが、大きくなるにつれて知能が高くなる。
逆に動きは大きくなるほど鈍重になり、戦闘能力は下がる。
だが、大きくなるにつれて混沌は自在に魔法を使いこなすようになる。
混沌には成長の流れがある。
最初に生まれる混沌は〈しずくの怪物〉と呼ばれる。
これがしばらくすると金属を食べる食性を持つ、〈鉄のしずく〉や〈オリハルしずく〉に変わることがある。
変わらなければ〈混沌のしぶき〉か〈カオスフレイム〉となる。
〈カオスフレイム〉は〈カオスマスター〉へと最終的に成長する。
〈鉄のしずく〉〈オリハルしずく〉は炎の術を使う。
混沌は生まれながらに魔術を駆使する能力に長けている。
成長するにつれて、他の魔法に目覚めることもある。
人間型種族の魔法の力の源は信仰だが、混沌の場合には先に書いたとおり、原初の力を体内に残していることが魔法の力の出どころである。
〈混沌のしぶき〉をはじめ、すべての混沌は再生能力を有している。